|
1月17日（水）東京都内ホテルにて、K-1谷川貞治イベントプロデューサー（以下、EP）と桜庭和志が出席のもと、2006年12月31日（日）大阪・京セラドームで開催されたTBS/MBS/FEG主催『K-1
PREMIUM 2006 Dynamite!!』での秋山成勲（フリー）VS桜庭和志（フリー）戦に関する記者会見が行われた。以下、会見でのコメント詳細。
――前回の審判部の発表で映像を見て確認したという話がありました。しかし今も疑われているという状況を打開するために、その映像を報道陣に公開するという考えはありますか？
谷川EP「映像の権利がTBSさんということもあるのですが、今のところ映像の公開は考えていません。桜庭選手にもすべて納得してもらいましたし、我々審判団も含めて確認しましたので。
（映像の公開を検討してもらいたいと思います）そういった声があれば検討します。ただし私自身、行き過ぎた追い込み方や何もかもをさらけ出すこと、見せたい見せたくないという気持ちではなく、一つのことに対してすべて突き詰めて追い込むというのはいかがなものかなと思っています。
今回の件については関係者一同がすべて確認をして、自分たちなりに一番厳しい処分を下していると思いますし、今回私たちがやったことに関しては決して間違っていないと思っています。逆に言うとこういう状況を作り出してしまった審判団のミスも含めて、プロモーターサイドとして深く責任を感じています」
――今後、秋山選手から謝罪したいという申し入れがあった場合、それを受けてもいいとい思うことはあるでしょうか？
桜庭「それはその時に言われてみないと分かりません。ただ秋山選手にも家族はいるだろうし、これからプロとしてどうすればいいのか。僕に謝るということではなく、彼の行動でそれは分かると思いますので、自分がしっかりすればいいことだと思います」
――秋山選手のセコンドについた清原選手から下柳選手を通じて謝罪があったと思いますが、桜庭選手からはどのように返事されたんですか？
桜庭「清原さんも、ずっと野球をやっているスポーツマンとして、言って来てくれたことなので、下柳さんを通じて『ありがとうございます』と伝えました」
――秋山選手の謝罪に対して許す気持ちはありますか？
桜庭「僕がFEGさんやレフェリー陣に訴えたのは、ちゃんとチェックをしてくれよということですから、僕が秋山選手を許す許さないの問題ではないと思います。あとは秋山選手のプロとしての行動をみなさんで判断してください」
――特に秋山選手に対して怒りを感じているわけではないのですか？
桜庭「僕は全然何もありません」
――プロの先輩として秋山選手に言いたいことはありませんか？
桜庭「人に見られてやっている以上、そういう部分もしっかり頭に入れてやった方がいいんではないかなと思います」
――総合格闘技の発展を考えた場合に、オイルチェック以外にも何か提案していこうとは考えてますか？
桜庭「今後、選手側の意見も取り入れてもらいたい、ルールミーティングに参加させて欲しいと言っていますので、それはやってもらえると思います」
谷川EP「審判団とレフェリーを含めて、システムやルール改正をやらないといけないと話していて、早速なんですが、桜庭選手、宇野選手、所選手をルールミーティングに呼んで、チェックの部分だけでなくドントムーブやストップのタイミングについて、選手の意見を聞きたいと思います。
今後、打撃系の選手もいるわけですから、定期的に選手の意見を聞きながら、HERO'Sが世界で一番、総合格闘技でしっかりしたシステムやルールを持っていると言われるように頑張っていきたいです」
なお会見の最後に谷川EPは、桜庭の申し出を受けて、秋山から没収したファイトマネーの一部をチャリティに寄付することを発表し、個人的な意見としながら「無期限出場停止処分となりましたが、秋山選手のこともよろしくお願いします」とコメント。
桜庭もファンに向けて改めて謝罪すると共に「これからFEGさんやテレビ局、スポンサーのみなさんと力を合わせて、総合格闘技がもっと発展できるように頑張っていこうと思いますので、よろしくお願いします」と語っている。
●会見終了後の谷川EPの囲みコメント
 「映像を公開するという件についてですが、公開することになれば物理的なことを言うと編集したものになるわけじゃないですか。だからといってTBSさんが一大会につき30台以上のカメラで撮影しているビデオをすべて見せるというは難しい。
またそこで隠している映像があるんじゃないかと思われると、キリがなくなってしまいますよね。映像を見せたくないというのではなくて、審判団と桜庭選手にはちゃんと映像を見てもらって、確認しているというのを言いたかったんです。
今回の会見に関して桜庭選手は『自分がグローブ疑惑や調査についても、納得していないと思われていることが本意ではない』と言っていました。桜庭選手は体が滑ることについて調べてくれと言っていたわけで、秋山選手がやった行為や『認識不足でクリームを塗った』という言葉に対して、納得していないということなんです。
いつもは冗談しか話さない桜庭選手なんですが、審判団の調査報告を伝えると、座っていた席を立ち上がってお礼を言われました。桜庭選手はグローブについては何も言っていなくて、私たちが自主的に調査したことなんです。
無期限出場停止と決めたのは僕です。HERO'Sを存続していく上で、他のスポーツと比べた場合にも、無期限出場停止という処分が一番的確だったと思います。これはFEGが提供しているリングに上がることが出来ないという処分で、HERO'SだけでなくK-1やMAXにも出ることはないです。
処分解除の判断基準に関しては、まだ何も考えていません。ファンの声や桜庭選手の納得だったり、色んなことがあるでしょう。3月大会だけ欠場して6月大会から復帰というのは考えないですし、処分の解除まで何年かかるかも分かりません。（K-1以外のリングに上がることについては）契約上の問題もありますし、秋山選手は厳しい処分を受けて納得していると思います。これで最終処分です。
前田日明スーパーバイザーとは、HERO'Sは始まってまだ2年、大会数も7，8大会なので、これからもっとちゃんとやっていこうと話しました」
※当サイトで使用している写真およびテキストの無断転載を禁止します
|
