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【全日本キック】5・11復活・元気が公開練習、菊地戦とWBC王座獲りをぶち上げる!

2007/05/07



 5月11日(金)東京・後楽園ホールで開催される全日本キックボクシング連盟主催『REARM』にて、昨年9月のラジャダムナンスタジアム遠征試合から約8ヵ月ぶり、日本での試合は約11ヵ月ぶりの復帰戦となる“右の殺し屋”山本元気の公開練習が、7日(月)東京・扇橋にある所属ジムDEION KICKBOXING GYMで行われた。

 試合を目前に控えているということで、パンチのミットと蹴りを交えたミットをそれぞれ約2分ずつ。得意の右ストレート、レバーブローを交えたコンビネーションパンチを繰り出し、動作を確認するように行った。

「ミットはあと1ヵ月は蹴りたくなかった」と山本。「スパーリングは楽しい練習で好きなんですけど、ミットは嫌い」なのだが、怪我のためスパーリングがあまり出来ず、その分ミットをやっていたからだという。1日5R休みなしで蹴り続け、「もうやりたくない」と思うまでスタミナ的に追い込んだそうだ。

「多少の不安はありますけど、早く復帰したかった。この瞬間を待っていたので、早く試合がしたいですね」と、金曜日を待ちきれない様子の山本。ピリピリとしたムードはなかったが、「減量でクタクタ。今はしんどい」と顔をしかめた。

 今回は58.5kgの契約体重で本来のフェザー級(57.15kg)よりは減量がきつくないというが、「俺も体がデカくなったので、これくらいが適正なのかな」と近い将来の階級上げを匂わせる。「減量は順調ってことはないですね(苦笑)。落とさないと試合が出来ないので落としますよ」と笑う。

 対戦するセーンチャイは元ラジャダムナンスタジアム・スーパーバンタム級5位の選手で、昨年までランキングに名を連ねていた強豪。現王者のルーシラーやワチャラチャイと対戦経験があり、今年に入ってからは9月のタイ遠征で山本をヒジで破ったグーピー・ウォー・スティラーに2度も勝利しているという。

「ビデオはけっこう見た。ビデオどおりの選手だと思います。小林(聡)さんとやったジャルンチャイみたいなタイプ。あそこまでヒザ、ヒザの選手じゃないけど。ルーシラー戦とかワチャラチャイ戦、3試合くらい見たかな。けっこう最近の試合とか、いい時のも悪い時のも見れました」と山本は研究に余念がない。

 打ち合いを好む山本にとって、組んでヒジ・ヒザを狙ってくる選手は鬼門だ。本人もそれを警戒し、「初めは噛み合うと思いますよ。後半になって首を掴まれるとキツイのでそれは避けたい」と言う。「早い段階でダメージを与えないとダメですね。だから、最初から慎重に仕掛けます」と、“頭を使った大人の打ち合い”を挑むつもりだ。

 昨年ラジャで敗れてからは「クサっていたのは2週間だけ」だったが、「いい答えも出た」という。1月に予定されていた復帰戦は足の怪我で棒に振り、8ヵ月のブランクが空くも「気持ちの切り替えは早かったし、たくさんの強い人から刺激を受けた」。

 その中でも特に良かったのは「シュートボクシングの人たちと出会えたこと」だったという。「宍戸(大樹)さんと出会い、シーザージムに4〜5回出稽古に行かせてもらいました。宍戸さんとスパーリングをやらせてもらったりしたのが凄く良かった」。

 共通の知人を介して、宍戸と同時に初代S-cup覇者の吉鷹弘とも親しくなった。「吉鷹さんからはいろいろアドバイスをもらいました。マンツーマンで練習を見てもらったり。今回、大阪から試合を見に来てくれるので、いい試合がしたいですね」と、吉鷹を自ら招待した。さらに、吉鷹からは“必殺パンチ”を伝授されたという。

「何でヒジを喰らうのかアドバイスを受け、VSムエタイに関する武器も教えてもらいました。そのパンチを今回の試合で出したい。使えると思って練習もしてきたので、ビックリするんじゃないですか。今までなかったタイミングだから。そのパンチが当たればいいですね」と山本は語る。吉鷹はセコンドには付かないが、「声が届く席を用意した」と宮田充・興行本部長。

 その他にも、日本の名キックボクサーが多くこの試合を見に来るという。「シュートボクシングの人たちも来てくれるから、いい試合をしたい。同業者の人たちは俺の試合で賭けをするらしいんですよ(笑)。それだけはやめてほしい。ワンロップとやった時には、俺がヒジでカットされて負ける方に2万円を賭けた人がいるそうです(苦笑)」と、山本の試合はもはやムエタイ化している。

 3月にはこれまで全日本キックを引っ張ってきた小林が引退。山本らにバトンタッチされた形だ。

「ハッピーエンドだったと思います。いろいろ葛藤しただろうし、いい時も悪い時もあっただろうけど、小林さんは絶対にそこから逃げなかった。自分から見て、辞めてもいいんじゃないかと思う時もあったけれど、やり続けたじゃないですか。やり続けて最後にタイのチャンピオンとやって、しっかり答えを出して辞めたからいい引退だったと思いますね」とその労を労ったが、後を継ぐということに関しては「まったく関係ないし、意識はしない。いい試合をするだけです」と気負いはない。

 今大会では試合内容や怪我の具合を見て、6・17ラジャダムナン遠征最後の一人が山本元気か山本真弘、または山本優弥のいずれかに決まる。しかし、「それはあまり気にしない」と元気は言う。「今回いい試合をして、変な試合をタイでしてしまったので、まずは信用を取り戻したい。それからです」。

 とはいえ、山本は今年の目標として大きな目標を二つぶち上げた。

 ひとつは新日本キックボクシング協会フェザー級のエース、菊地剛介(伊原道場)との対戦だ。「今年の目標はいい試合をいっぱいすること。ダメージがなければどんどん試合をしたい。その中で新日本と絡みたいですね。菊地さんとTITANSでやってみたい。いっぺん一緒に飲んだことがあるんですけど、熱い人だなって。印象はやっぱり強いと思う。10月の代々木でやれれば一番いいけど、俺が新日本のリングに行ってもいい」。

 ふたつめは60kg級の新設が現実のものとなったK-1 WORLD MAXについての質問が飛んだ時に明かされた。K-1については「出ても出なくてもいい」と積極的ではないが、「ルールは問題ない。ヒジがあるでもなしでも勝つヤツが凄いんですよ。今はいろんなキックボクシングのルールがあるから、今の選手はそれに対応することが求められている。どんなルールでも強いヤツが求められていると思う。だから出ることになっても問題ないし、俺と大月(晴明)さんはヒジ・ヒザなしならタイ人が相手でも相当やると思いますよ」とK-1ルールでの自信を語った。

「それよりもWBCムエタイに興味がある」と、山本は先日日本でもランキング委員会が発足したWBCムエタイ世界王座獲りをもうひとつの目標に掲げる。「WBCムエタイのベルトには価値がある。(ライバルの)ゲーオがスーパーフェザー級のチャンピオンだし、そっちの方がいいですね。海外でタイトルマッチをやってもいので、WBCのベルトが欲しい」。

 いま最も関係者の間で評価が高く、玄人からも支持を得ている山本元気。いよいよ戦線復帰で期待が高まる。「今はとにかく、金曜日にいい試合をして頑張ります」と最後に宣言。元気の逆襲が始まる!


全日本キックボクシング連盟
ALL JAPAN KICKBOXING 2007
「REARM」

2007年5月11日(金)東京・後楽園ホール
開場17:00 開始18:30
オープニングファイト開始17:30

<全対戦カード>

▼ダブルメインイベント第2試合 日本VSタイ 58.5kg契約 3分5R
山本元気(DEION/前全日本フェザー級王者&現フェザー級1位)
VS
セーンチャイ・ジラグリアングライ(タイ/元ラジャダムナンスタジアム・スーパーバンタム級5位)

▼ダブルメインイベント第1試合 日本VSタイ 58kg契約 3分5R
山本真弘(藤原/全日本フェザー級王者)
VS
モンコントーン・ポンソンクラーム(タイ)

▼セミファイナル 第23代全日本ウェルター級王座決定戦 3分5R延長1R
山本優弥(青春塾/同級1位)
VS
湟川満正(AJ/同級3位)

▼第5試合 第10代全日本ミドル級王座決定トーナメント準決勝 サドンデスマッチ3分3R延長1R
中村高明(藤原/同級1位)
VS
吉武龍太郎(アイアンアックス/同級5位)

▼第4試合 ウェルター級ランキング戦 サドンデスマッチ3分3R延長1R
金 統光(藤原/同級2位)
VS
クリストフ・プルボー(スイス/スクランブル渋谷/同級6位)

▼第3試合 全日本ライト級ランキング戦 サドンデスマッチ3分3R延長1R
鳥野智広(建武館/同級5位)
VS
遠藤智史(AJ/同級7位)

▼第2試合 バンタム級3分3R
菊地 慧(藤原)
VS
柏木吾一(SVG)

▼第1試合 スーパーウェルター級3分3R
横澤浩史(SVG)
VS
武田一也(JMC横浜)

▼オープニングファイト第3試合 ライト級3分3R
田中信二(大村道場)
VS
HIROAKI (峯心会)

▼オープニングファイト第2試合 ライト級3分3R
渡部太基(藤原)
VS
ユウキ(AJ)

▼オープニングファイト第1試合 ライト級3分3R
白濱卓哉(建武館)
VS
森 直樹(峯心会)

<チケット料金>
RS席10,000円 S席7,000円 A席5,500円
※当日券は各席1.000円増し。

<チケット発売場所>
チケットぴあ
イープラス
後楽園ホール
チケット&トラベルT-1

<お問い合わせ>
全日本キック 03-3365-1171

●全日本キックボクシング連盟 2007年度・大会スケジュール
5月11日(金)後楽園ホール
6月9日(土)新宿FACE 『CUB☆KICK’S-6』 
6月10日(日)新宿FACE 『CUB☆KICK’S-7』 
6月17日(日)タイ・ラジャダムナンスタジアム
7月29日(日)後楽園ホール 
8月25日(土)後楽園ホール
9月29日(土)後楽園ホール
10月 代々木第二体育館(予定)
11月18日(日)後楽園ホール
12月7日(金)後楽園ホール
※新宿FACE大会、横浜赤レンガ倉庫大会(はまっこムエタイジム)、その他追加大会予定

【関連リンク】
≫全日本キック公式サイト
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