1月23日(水)都内ホテルにて、秋山成勲(フリー)と谷川貞治FEG代表が記者会見を行った。秋山は昨年の大晦日に開催された『FieLDS
やれんのか!大晦日!2007 Supported by M-1 GLOBAL』にて、PRIDEウェルター級GP覇者・三崎和雄(GRABAKA)と対戦。1R8分12秒、KO負けを喫したが「フィニッシュとなった顔面へのキックは反則」とする抗議書を提出、昨日(22日)やれんのか!実行委員会より、「競技陣が改めて試合映像をチェックし、検討・審議を重ねた」結果、最終結果としてノーコンテストとなったことが発表された。今回の会見はその発表を受けた形で行われたもの。
冒頭、FEG関係者より「大晦日の秋山VS三崎戦についての問い合わせが多数寄せられましたが、個別での対応が非常に難しいということで今日の会見になりました」との説明があり、谷川FEG代表と秋山が着席。まず谷川FEG代表がマイクを握った。
「僕は大阪の方にいたんですけども、さいたまの方で三崎選手と秋山選手が素晴らしい、凄い試合を、鳥肌が立つような試合をやってくれたんですが、その後、秋山選手が病院へ行ってしまって最後の決まり手が反則か反則じゃないかということの議論が起きまして、秋山サイドも『やれんのか!』実行委員会の方へ提訴をしまして、昨日結論が出ました。僕個人的にも携帯などで問い合わせが来たり、秋山選手にも取材とかご要望がいっぱいありましたので、こういう会見を設けさせていただきました。
まず、私は『やれんのか!』の実行委員会にも主催者としてもFEGとして名を連ねている立場なんですけれども、今回、個人の感想としては最後の決まり手は実際のところ四点ポジションで秋山選手が蹴られていて、反則だなという個人的な気持ちがありましたが、『やれんのか!』の審判団の方にお任せして、結果が私の方にも来ました。
これに対する感想としては、普段HERO’Sでは四点ポジションの蹴りはないんです。四点ポジションの蹴りがないHERO’Sと、普段やっている中で四点ポジションの蹴りがあるという元で作ったルールということで、PRIDEサイドの人たちとの若干の認識の差というか、解釈の差があるんだなっていう風に思いました。
最終的に『やれんのか!』の審判団が出したことは、反則とも言えるしアドバンテージとも言えるんじゃないかということで、結果的にノーコンテストという裁定結果になりまして、あ、こういう裁定なんだと。僕個人は納得してますし、『やれんのか!』の実行委員会の審判団が一生懸命に対応してくれたことには感謝しております。お礼を申し上げる次第です。
話が長くなるんですが、ノーコンテストに関しては私は納得してるんですけども、もうひとつ私の方から話をさせていただきますと、いま格闘技界というものは過去の反省をしてK-1とPRIDEはいい意味で闘っていましたけれど、選手の引き抜き合いというのも含めてお互いにかなりビジネスの面でも精神的にもいろいろと傷付け合いながら闘ってきました。
でも今は、格闘技界にも総合格闘技も特にそういう状況ではない。だから大連立をしていこうということで(今回の試合を)やったという気持ちが大前提にあります。
その中で秋山選手と三崎選手の試合に関しましては、秋山選手はHERO’Sのチャンピオン、そして三崎選手はPRIDEのチャンピオン。これはお互いに背負っているものが大きいし、やってきたことも大きいし、どっちが勝っても負けてもやる前から背負っているものが大きいだけに2試合やろうと。『やれんのか!』サイドと再戦をやりましょうとお互いに話し合っていました。
その話が最初から前提にあったので、残念なのは三崎選手自身が『やれんのか!』サイドがブッキングをしていたんですが、聞いたところによると『やれんのか!』実行委員会の人たちにも言わないで他の団体のイベントに出る、これは選手のモラルとして非常に遺憾に思います。
僕個人は非常にモラルに反することだと思うし、僕個人としてはそういう選手に関しては今後も含めて断固たる態度をとっていきたいと思います。
もちろん三崎選手と秋山選手の再戦は僕は約束してることだと思うし、実現させるのはそうだと思うんですけども、選手個人が自分の気持ちで動くというのは団体同士が対立しているんだったらこれはしょうがないことだと思うんですが、いくらでもプロモーター同士の話し合いが出来ると思いますし、他の団体に出ちゃいけないってことも思いませんけど、それが格闘技界の中で一番もめる要素になる。
僕らが修斗のチャンピオンを使う時は修斗にもお話をさせてもらっているし、リングスのチャンピオンを使う時もリングスの方に話をさせてもらっているし、ZSTとか慧舟会とかパンクラスもそうですけども、そういうことをやりながらもめないような中で格闘技界を盛り上げていくことが非常に重要だと思います。
だから今回のことで、ノーコンテスト云々よりもそのことに遺憾だなというのが一番言いたかったことです。お互いに背負っているものが大きいだけに、もし秋山選手が同じようなことをやったら、個人の気持ちとしては秋山選手だろうが反則だと言ったと思います。秋山選手が非常に大きなリスクを背負って、ある意味敵地に上がって、あの観衆の中で闘ったその思いとかを考えたら、選手というのはモラルを守らないとダメじゃないかなっていうことを一番言いたいと思いました」
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