↑ヴァンダレイ・シウバや高田延彦・統括本部長のフィギュア、トロフィーなどが飾られていたショーウィンドウの中身も撤去されていた。
10月4日(木)PRIDEを運営するPRIDE FC WORLDWIDE日本事務所(東京・青山)が突如閉鎖、スタッフ全員が解雇されたことが分かった。
本日午前10時からPRIDE FC
WORLDWIDE(本社・米)のジェイミー・ポラック社長がカンファレンスコール(電話会議)で出席するミーティングが行われることが昨日3日に告げられ、会議には日本のスタッフ約20名全員が出席。その場で全員に「11月4日をもって解雇する」ことが突然通達され、スタッフにはアメリカ人を含む3人の弁護士からそれぞれ書類が渡されたという。
この日、解雇通知された元スタッフによれば「みんな聞きたいことがあったが、“個々の質問はメールで問い合わせて下さい”と言われました。今から私物を整理してお昼までに事務所から出て行くように、と。あっという間にミーティングが終わり、事務所も昼までに閉鎖。いきなりのことなので茫然自失としています」と、何の事前情報もない突然の解雇通知だったようだ。
→PRIDEの事務所があったオフィスビル。エレベーターは事務所のある3階には行けなくなっていた。
事態を聞きつけたGBRとスポーツ新聞三紙が午後3時に同事務所に到着した時点で、すでに同事務所は「アメリカの代理人によって」(元スタッフ)入れないように、事務所のあるビル3階のエレベーターのボタンは押せないようになっていた。「この階には停止できません」とのコールが虚しく繰り返されるのみ…。
「今後PRIDEをやるのかやらないのか、現時点では分からない」と元スタッフ。
「PRIDEが今後どうなるのかは全く知らされておりません。我々としては3月から全員で、ロレンゾ・フェティータ氏の言った“PRIDEは今後も素晴らしいブランドを維持し、私は二人の子供(UFCとPRIDE)を同じようにこれからも愛し続けます”という言葉を信じて待っていたんです。PRIDEは当然再開されるものだと信じて待っていたのに、このタイミングでこうなるなんて思ってもいなかった」と憤りを隠せない。
そして何よりも、結果的にファンを裏切ることになったのが残念でならないと元スタッフは言う。「解雇通知されたことは悲しくありませんが、PRIDEが今後どうなるのか、それをファンの皆様に説明できないのが申し訳ない。まずはファンの人たちに説明するのが筋じゃないですか? もう事務所に電話しても誰も出ないし、スポンサーや関係者にどうやって説明すればいいのか…」と頭を抱える。※会社から支給された携帯電話も全て回収されたという。
元スタッフはこう訴える。「我々に対しても、ファンに対しても、説明しなければいけない。そこを考えて欲しい」と。
PRIDE再開に関しては、「彼らは彼らでやってるという噂はありましたが、どういうようになっていたのかは分かりません」と事態を把握していない様子。1週間後の10月11日にPRIDEは満10周年を迎えるため、その企画を日本のスタッフは提案していたが、ジェイミー社長からはウェイティングの支持があったという。
「彼らだけでもPRIDEをやってくれればいいんですが…」と元スタッフ。「何かある度に、ファンの皆様から電話がかかってきて“期待しています”“頑張ってください”と言われました。結果的にファンを騙していたことになってしまうのは申し訳ない気持ちでいっぱいです…」
ジェイミー社長がPRIDEを再開させるのか、それとも消滅させるのかは現時点では不明。
元々PRIDEを運営していたドリームステージエンタテインメント(DSE)は今年4月、米国の人気格闘技「UFC」のオーナーであるロレンゾ・フェテータ氏に営業権を移し、ロレンゾ氏がPRIDE FC WORLDWIDE」を設立。社長はジェイミー・ポラック氏が就任。PRIDEとUFCの夢の対抗戦が期待されていた。
旧DSEスタッフは引き続き、再雇用という形で「PRIDE
FC WORLDWIDE」のスタッフとして勤務してきたが、今回の突然の解雇。名勝負の舞台を作り上げてきた旧DSEスタッフによるPRIDEはこの日、事実上、消滅した。
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