4月6日(月)愛知・名古屋にある格闘技ショップ公武堂にて、佐藤嘉洋(フルキャスト/名古屋JKファクトリー)が囲み取材を行った。佐藤は4月21日(火)福岡マリンメッセで開催されるFEG『K-1
WORLD MAX 2009 World Championship Tournament FINAL16』でドラゴ(アルメニア)と対戦する。
魔裟斗の年内引退記者会見を受けての囲み取材、佐藤にも魔裟斗引退についての質問が多く挙がった。昨年の大晦日Dynamite!!後のパーティで「魔裟斗選手と挨拶したんですよ。その時に僕が『来年も首を取りに行くんでよろしくお願いします』と言ったら(魔裟斗に)『来年はもうやらないよ。プロデューサーとして頑張るから』と言われたんです。冗談で言っていたことだとは思うんですけど、優しい目をしていたし(引退を)予想はしていました」という佐藤。 「だから驚きというよりも、やっぱりなという感じです。去年あんな内容の試合で優勝して、彼の中であれ以上の試合で優勝できないと思ったんじゃないですか。だから燃え尽きてもしょうがないと思います」と魔裟斗の引退発言については納得する構えを見せた。 これまで佐藤が掲げてきた打倒・魔裟斗という目標がなくなることに関しては「大晦日のパーティの時にも『勝ち逃げするから』と言われたんですけど(苦笑)。僕の周りは悔しがってます。『お前はこのままでいいのか?』じゃなくて『自分たちは引き下がれない』と言われることが多くて。周りの人間も一緒に闘ってくれて、悔しい気持ちはありますよね。 魔裟斗選手を超える、超えないというよりも、今のK-1MAXは“魔裟斗教”ですよ。魔裟斗選手だったら何をやっても肯定される。例えば会見でふてぶてしい態度をとればそれがプロらしいと言われ、閉会式に出てこなくてもプロらしいと言われる。僕の中でそういうことは全然プロらしいとは思わないし、僕は自分が考えるプロらしさを浸透させたいと思います」と心境を明かした。 しかし魔裟斗の7月にワンマッチ、大晦日に今年の世界王者と対戦して引退というプランには佐藤も怒りを露にする。 「あれはこっちからして見たら失礼です。世界ト−ナメントに出ている16人に対して失礼。今年の優勝者が魔裟斗選手への挑戦権をかけた感じになってますけど、ふざけんなよと。
僕らは命がけでトーナメントを闘い抜くわけだし、2008年の世界チャンピオンより、2009年の世界チャンピオンの方がよっぽど偉い。 今年のチャンピオン以下は過去のチャンピオンであって、今のチャンピオンしかチャンピオンはいないんです。周りの人にも今年の世界チャンピオンが魔裟斗選手の挑戦者だとは思って欲しくないし、そういう書かれ方もしたくない。
2009年の世界王者が魔裟斗選手と試合を『やってあげてもいいよ』ということなんです。そうじゃないとK-1という競技自体が舐められる。K-1という競技がなくなっちゃいますよ。 自分は12月23日に名古屋で試合をやる予定なんですけど、周りの気持ちを含めて(世界チャンピオンになって大晦日に魔裟斗と戦うかどうかは)考えたい。僕の中ではまだ去年の10月1日から時計の針が止まっていて、誰と会っても何回も魔裟斗戦の話をされるんですよ。だから(魔裟斗と戦って)もう1回、時計の針を動かしたいなと思います。 僕が世界チャンピオンになったら、その時は上から目線で『過去のチャンピオンとやってあげましょう』って言いますよ。MAXが魔裟斗で始まり、魔裟斗で終わるじゃいけない。どの選手も世界のトップクラスで、こんなにすごい選手が集めるイベントなんて他にないじゃないですか。これだけのメンバーが集まって大会をやっていれば、絶対にお客さんは着いて来てくれると思うし、僕はそう信じてます。それで僕は日本代表として世界の強いヤツらとやります。やるんじゃなくてやり続けます。 魔裟斗選手は策士ですよ。あのメンバーの中で1日2試合戦って、チャンピオンになってから、もう一度、気持ちを作って大晦日のリングに上がるのと、7月にワンマッチをやってそれから調整して大晦日を迎えるのでは全然違いと思います。それを周りがどれだけ理解してくれるかじゃないですかね」 MAXにおける魔裟斗の存在を“魔裟斗教”と表現したが「自分はそんな存在にはならなくていいです。トップが1人しかいないというのは、ろくなことがないですから」と佐藤は言う。そして佐藤は自分なりのK-1論、そしてプロ論を熱弁する。 「一人のスターがいなくなって競技が落ちてしまうんだったら、それは競技じゃなくてショーです。だってイチローが引退したからと言って野球の人気はなくならないじゃないですか。次元の高い話をしているかもしれませんけど、自分はそう思っています。今はエンターテイメントの中でプロの技を見ていますけど、僕は競技の中でプロの技を見てもらいたい。 中日ドラゴンズに井端弘和という選手がいて、地味なんですけど愛知ではとんでもない人気があるんです。知らない人は一人もいないくらい。それは野球を見る人の目が肥えているからなんですよ。今はパンチをブンブン振り回すところばかりが見られて、もちろんそれもいい試合なんですけど、カウンターを当てるコンビネーションの上手さとか、そういうものもあるんです。 今は居酒屋のTVを見ている酔っ払ったおっちゃんが『行けっーー!』とか言って(K-1を)見ていると思うんですけど、そういう人たちに『佐藤の奥足ローのタイミングはすげえ!』と言ってもらえたら僕の勝ちだと思うんです。そんな世界を僕は夢、見てます」 そして魔裟斗の引退を「逆にチャンスだと思いますよ。出ている選手みんなの個性が際立つから」という佐藤は「魔裟斗選手が引退して、格闘技界は絶望になると思うんですが、だからこそ、そこから希望が見られると思います」と魔裟斗引退後の格闘技界を語った。 現在は4月21日の世界トーナメント開幕戦に向けて調整を続けている佐藤。谷川貞治K-1イベントプロデューサーは今年の出場メンバーを見て「魔裟斗がいないだけで、過去最高レベル」と激戦を予想したが、佐藤も「去年も相当すごい強い選手が集まったなと思いましたけど、それはベスト8での話。でも今年はベスト16でそういう思いがあります。 とんでもないメンバーが集まったと思うし、毎年過去最高の大会になっていると思います。こんなイベントは他にないし、これは盛り上がらないといけないでしょう」とハイレベルなトーナメントになることを予想する。 しかしその上で佐藤は「このトーナメントで優勝することは並大抵じゃないと思いますけど、自分は絶対に優勝しますよ。会長に僕がこのトーナメントで優勝する確率を聞かれて『100%です』と言ったら、『…よく言いきれるな』と言われて、次の日の練習でも『本当に100%だと思っているのか?』と言われたんですよ(苦笑)。 でも僕は100%優勝すると自分にいい聞かせているし、会長は僕が優勝する確率を60%と言ってくれたんですね。それって相当高い数字なんですよ。僕は楽天家だからそれで十分だし、今年も運がいいはずなんでいけるでしょう。自分くらい100%だと思わないとかわいそうなんで、そういい聞かせてます」と優勝への自信を見せる。 開幕戦の相手であるドラゴについても「体も強いし圧力もある」としながらも「技術的には偏っている。何でも出来る選手は色々とやらないといけないですけど、ドラゴには当たる技があるし、固まったコンビネーションや入る技を中心に練習してます」と語り、すでにドラゴ攻略のパターンは頭にインプット済み。 佐藤は「去年はトーナメントで優勝することを見据えて練習してきましたけど、もうトーナメントで優勝できる力はつけたと思います。だから今年は1年間を見据えるんじゃなくて、目の前の1試合・1試合に100%力を入れて、そこで勝つための練習をしています」と力強く応えた。 FEG 「K-1
WORLD MAX 2009 World Championship Tournament -FINAL16-」 2009年4月21日(火)福岡マリンメッセ 開場16:00 開始18:00 <全対戦カード> ▼世界トーナメントFINAL16 3分3R延長1R 佐藤嘉洋(フルキャスト/名古屋JKファクトリー/2008年世界ベスト4) VS ドラゴ(アルメニア/ショータイム) ▼世界トーナメントFINAL16 3分3R延長1R ブアカーオ・ポー.プラムック(タイ/ポー.プラムックジム/2004&2006年世界王者) VS アンドレ・ジダ(ブラジル/ユニバーシダデ
ダ ルタ) ▼世界トーナメントFINAL16 3分3R延長1R アルバート・クラウス(オランダ/チーム・スーパープロ/2002年世界王者) VS 長島☆自演乙☆雄一郎(魁塾/2009年日本ベスト4)
▼世界トーナメントFINAL16 3分3R延長1R アンディ・サワー(オランダ/シュートボクシング オランダ/2005&2007年世界王者) VS リーロイ・ケスナー(オランダ/チーム アーツ/アファファ/2009年ヨーロッパ王者)
▼世界トーナメントFINAL16 3分3R延長1R アルトゥール・キシェンコ(ウクライナ/キャプテンオデッサ) VS アルビアール・リマ(カーボヴェルデ共和国/チームスーパープロ
ビーストオブザイースト) ▼世界トーナメントFINAL16 3分3R延長1R ニキー“ザ・ナチュラル”ホルツケン(オランダ/ゴールデングローリージム) VS シャヒッド(モロッコ/ゴールデンチーム) ▼世界トーナメントFINAL16 3分3R延長1R 小比類巻太信(BRAVI
RAGAZZI/2009年日本王者) VS イム・チビン(韓国/KHANジム/2009年アジア王者) ▼世界トーナメントFINAL16 3分3R延長1R ジョルジオ・ペトロシアン(イタリア/サトリ・グラディエートリイウム・ネメシス) VS ジャバル“チンギスハン”アスケロフ(UAE/WMC
キャンプ ラマイ/2009年北欧王者) ▼世界トーナメントFINAL16 リザーブファイト 3分3R延長1R 山本優弥(全日本キックボクシング連盟/青春塾/2009年日本準優勝) VS イ・スファン(韓国/KHANジム/仁川ムビジム) ▼エキシビジョンマッチ K-1ルール 3分1R ※ヘッドギアなし、すねあて有り 魔裟斗(シルバーウルフ/2003・2008年世界王者) VS HIROYA(フリー) ▼オープニングファイト 3分3R TATSUJI(アイアンアックス/2005年R.I.S.E.
DoAトーナメント優勝) VS 龍二(リアルディール/2007年R.I.S.E. DoAトーナメント優勝)
▼オープニングファイト 60kg契約 3分3R 山本真弘(藤原ジム/全日本フェザー級王者) VS 裕樹(リアルディール/初代R.I.S.E.60kg王者) ▼オープニングファイト 3分3R 濱崎一輝(シルバーアックス) VS 晴矢(リアルディール)
<チケット料金> SRS席23,000円 S席13,000円 A席6,000円 <チケット販売所>
K-1オフィシャルサイト=http://www.k-1.co.jp
i-mode K-1オフィシャルサイト Yahoo!ケータイ K-1オフィシャルサイト EZ web K-1オフィシャルサイト チケットぴあ=TEL:0570−02−9999(Pコード:813−717)
ローソンチケット=TEL:0570-084-003(Lコード:88421) イープラス=http://eplus.jp
※0570から始まる番号は一部の携帯電話、PHS、CATVからの電話接続は不可 <お問い合わせ> チケットに関するお問い合わせ
キョードー西日本=TEL:092−714-0159 大会に関するお問い合わせ FEG=TEL:03−3796−5060
●K-1 WORLD MAX2009年間日程 4月21日(火)福岡マリンメッセ FINAL16
7月13日(月)東京・日本武道館 FINAL8 10月上旬 横浜アリーナ FINAL |