4月25日(日)東京・日本武道館で開催されたジェイロック『吉田秀彦引退興行〜ASTRA〜』。この大会で約8年間のプロ生活にピリオドを打った吉田秀彦(吉田道場)が、引退試合から2日経った27日(火)都内ホテルにて、エメリヤーエンコ・ヒョードルと共に会見に臨んだ。
ヒョードルは大会当日、ビッグサプライズゲストとして休憩明けにリングへ登場。
「吉田選手が引退すると聞いて、応援しなければいけないと思って日本に駆けつけました。皆さんぜひ吉田選手を応援しましょう。私も吉田選手の勝利を願っています」とラストファイトを控えていた吉田を激励していた。
國保尊弘ジェイロック代表は「素晴らしい大会になりました。感動した、PRIDE時代を思い出したという声をいただきまして、開催して本当によかったと思っております。
吉田がプロに転向してからの8年間、共に歩んできましたが、素晴らしい大会で花道を飾れたことを誇りに思います」と最初に大会の感想を述べ、吉田とヒョードルを呼んだ。
吉田は「一昨日試合が終わりまして、すっきりした気分でいます。身体は痛いですけれど、気持ちの整理はすでについていて、次に向かって頑張らねばと思っています。
まさか、わざわざヒョードルが駆けつけてくれるとは思わず、ビックリしています。スパシーバです」と挨拶。昨日は「頭、身体が痛かったので氷のうで冷やして1日ゆっくりしていました」という。
ヒョードルは「吉田さんの引退を残念に思います。彼の試合を見るのが大変好きでした。今後はトレーナーとして活躍されるとのことで、ご活躍を祈っています。なぜなら吉田さんは柔道で素晴らしい成績を収めている選手なので、柔道界でご活躍されることでしょう。
私はまた日本に戻ってこれて嬉しく思います。日本が好きなので、私にとってイベント事だと思っています」と、にこやかに挨拶した。
「吉田さんが引退試合を私と闘いたかったというのは聞いたことがあります」とヒョードル。「吉田さんと闘えなかったことは残念です。怪我の関係もあってそれは叶いませんでした。もし吉田さんと闘えたならば、名誉なことだったと思います」とヒョードル自身も闘いたかったと告白。その上で、「もし自分が引退したら吉田さんの道場へ行って練習をさせていただきたいと思っています」と語る。
吉田が「柔道でだったら、いつでもヒョードルと……練習だったらやります(笑)」と言うと、ヒョードルは「ありがとう」と微笑み、「リングで闘う機会がなかったのは残念でしたが、今後は畳の上で闘う機会があるかもしれませんね」と柔道勝負を申し出た。
それを受けて吉田は「デビューが同じ時期で一緒にPRIDEでやっていたので、PRIDEが続いていればやる時がくると思っていました。でもPRIDEがなくなって出来なかったので、ヒョードルが引退した時に畳の上でおやじファイトをしたいと思います」と約束した。
自身が果たせなかった打倒ヒョードルの夢については「もし現実的にヒョードルと誰が闘うかとなれば、中村カズ(和裕=引退試合の相手を務めた)にやってもらって、いい試合をしてもらいたい。ただ、TK(高阪剛)が2回ヒョードルとやっていて、いつも言っていたのが“あいつのパンチはメチャクチャ痛い”と(笑)」と、愛弟子・中村に託したいと希望。
1年間待って柔道界に復帰することは決まっているが、総合格闘技については「連盟とかけ合っていてどうなるかはまだ分からない。出来ることはやっていきたいと思いますし、出来るならやっていきたいです」と総合格闘技とも関わっていきたいとした。
柔道の指導者としては「夢は世界で闘える選手を育てたい。でも、まずは底辺の拡大として子供たちが立派になってもらえる人間性を重視した道場を作って、その中から世界と闘える選手が育ってくれればいいなと思います」と吉田。
「日本の柔道がだいぶ停滞しているので、まず外側から見ていこうかと思っています。状況を見たいので自分なりに勉強して、海外へ向かって行きたい。まずは現状を見ないといけないので、海外がどういう状態で成り立っているのかの現状を見たい。フランスは柔道の仕組みが確立しているので、それを勉強したいですね。1年経たないと監督やコーチは出来ないので、1年経って吉田道場の監督の資格を得る。それまでにいろんな勉強をしたいと思います」
最後に國保代表は「ヒョードル選手にお願いがあります。試合後、吉田の控え室に来ていただいたことで、吉田が次の試合の応援に行きたいと言っています」と言うと、ヒョードルは「次の試合にぜひご招待したい」と、6月末に予定している『ストライクフォース』でのファブリシオ・ヴェウドゥム戦へ招待することを約束した。
さらに國保代表が「柔道を通じて交流を深めさせて欲しい」と言うと、「私は柔道をロシアでやっていましたが、サンボの方が強かったと思います。でも、柔道をさせていただけるならいつでも大歓迎です」と答えた。
会見終了後には吉田が自分の名前が刺繍された吉田道場の道衣をヒョードルにプレゼント。その場でヒョードルに着させてあげ、ヒョードルもご満悦だった。
★4・25「吉田秀彦引退興行〜ASTRA〜」の試合結果はこちら
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