▲K-1甲子園関東代表の晴山翔栄(右)はワンマッチで2RKO勝ち
11月7日(日)東京・新木場1stRINGにて、B-FAMILY NEO『Muay Thai WINDY Super Fight vol.5 2010 FINAL』が開催された。
関東にとどまらず、東海地区や九州地区といった他方面からの参戦があり、全国区の大会となりつつあるB-FAMILY NEOのアマチュア大会。今年最後となる同興行だが、優勝候補最右翼と目されていた選手が続々と敗れ去るという波乱の連続に、予想困難な状態となっていった。
▼20kg級王座決定戦
○小宮山怜虎(尚武会)
判定
●酒寄珠璃(ドージョー☆シャカリキ)
小宮山が新王者となる。
互いにパンチの打ち合いが続く中で、首相撲からヒザへ。中盤には首相撲を仕掛けると、酒寄を揺さぶりかけて崩しにかかる。
手数で上回った小宮山が判定で勝利し、王座初戴冠を果たした。
▽25kg級トーナメント
元王者の大西陸(パワーオブドリーム)が王座返り咲きを果たすべくエントリー。優勝候補最右翼の位置にいる大西は初戦シード。勝ち上がってきた松土龍冴(WSR)と対戦。判定で大西が勝利し、決勝戦へ。一方、別ブロックでは、新鋭同士による争いが勃発。ここで勝ち上がってきたのは中島将吾(尚武会)だった。
次期挑戦権を賭けた争いは、大西と中島の間で行われることとなった。判定で中島が大西を破る金星を飾り、王者である安本晴翔(士道館橋本道場)とタイトルマッチを行うこととなった。
▼25kg級タイトルマッチ
○安本晴翔(士道館橋本道場/王者)
判定
●中島将吾(尚武会/挑戦者)
※安本が初防衛に成功。
ワンツー、右ヒザを中心に手数で圧倒していく安本。前に出てくる安本に、右ミドルで応戦していく中島。中盤からパンチの打ち合いが続き、首相撲からヒザ。判定で安本が勝利し、初防衛に成功した。
▽30kg級トーナメント
最もエントリー数の多い階級であり、13名によって争うことに。元王者にして、優勝候補最右翼に位置する山田貴仁(ワイズ)が王座返り咲きを果たすべくエントリー。その山田が準々決勝で敗れるという大波乱が巻き起こる。
山田を破って勝ち名乗りを上げたのは福田真斗(キングムエ)だった。初戦、2回戦をKOで勝ち上がってきた高野草子(晴山塾)もまた、優勝候補の一人だ。その高野は準決勝で福田と対戦。判定で福田が勝利。山田に続き、高野も破るという快進撃を果たす。
別ブロックで山田航暉(キングムエ)が勝ち上がり、同門対決でもって、次期挑戦権を賭けることとなった。同門ということもあり、やりづらさがあるかと思いきや、序盤から互いに打ち合い、我龍タイムと狂狼タイムを組み合わせたような激しい乱打戦となった。中盤からは福田が首相撲からヒザを突き刺す場面が見られたが、その後は首相撲の展開に。結果、福田が勝利し、溝口達也(尚武会)が持つ王座へ挑戦することとなった。溝口は生粋のインファイターであることから、バチバチの打ち合いとなることが予想される。王座決定戦は夕方のプロ大会で行われた。(プロ大会はこちら)
▽35kg級トーナメント
岩尾力(パワーオブドリーム)、黒木翔太(尚武会)、儀部快斗(真樹)、石井一成(リアルディール)がエントリー。優勝候補が集結し、ハイレベルな争いとなることが予想。優勝候補の一人、黒木が初戦で敗退という波乱が起きた。
その黒木を破ったのは、伊藤勇真(キングムエ)だった。準決勝で岩尾と伊藤が激突。本戦でドローになり、延長戦へ、拮抗した展開となったが、岩尾が手数で上回って判定勝利。別ブロックで勝ち上がってきた石井と、空位となった王座を賭けて激突することに。王座決定戦は、夕方のプロ大会で行われた。(プロ大会はこちら)
▽40kg級トーナメント
”閃光のヒザ”末永勇一(フリー)と”天才少女”伊藤紗弥(尚武会)がエントリー。男女のパワーの差がでるこの階級で、紅一点となる伊藤がどのような戦いを見せるか非常に見ものである。
初戦で末永は、得意のヒザが影を潜める代わりに、上下に散らす戦法に出る。準決勝では、鋭く突き刺すヒザが猛威を振るい、1RKO勝ちを収める。次期挑戦権獲得へあと一歩のところまで進んできた。
別ブロックでは、パワーで劣る伊藤がテクニックを駆使して勝ち上がり、末永と次期挑戦権を賭けて激突。両者は6月6日のM-1フレッシュマンズにて対戦。この時は末永が首相撲からヒザを多用して勝利している。末永が返り討ちを果たすか?伊藤がリベンジを果たすか?
右ボディ、左フック、右ローと出だしから鮮やかなコンビネーションをつなげる末永。伊藤は距離を取って右ミドル、首相撲からヒザ。末永が前に出てきても、伊藤は距離を取り続けていき、左右のミドル。右前蹴りで末永を吹っ飛ばす。結果、判定で伊藤が勝利し、リベンジに成功。福田海斗(キングムエ)の持つ王座への挑戦権を獲得。
▼40kg級タイトルマッチ
○福田海斗(キングムエ/王者)
判定
●伊藤紗弥(尚武会/挑戦者)
※福田が初防衛に成功。
前に出る福田に、距離を取って右ミドルを打っていく伊藤。首相撲が展開されていく中で、福田のヒザが突き刺さる。パワーの差が歴然としている状態で、伊藤は打っては引くスタイルで福田に応戦。福田は思い切りのいい右フック、右ストレートを打ちながら前に出て行く。
中盤以降、伊藤は終始距離を取りながら右ミドルと右ロー。 結果、判定で福田が勝利。手数で圧倒した福田が初防衛に成功した。
▽45kg級トーナメント
宮本大樹(パワーオブドリーム)、山浦翔(B-FAMILY NEO)、堀内佑馬(パワーオブドリーム)の三者間で争われることとなった。先に山浦と堀内が激突。手数で上回った山浦が判定で勝利し、シードの宮本と王座を賭けて争うことに。
▼45kg級王座決定戦
○山浦翔(B-FAMILY NEO)
判定
●宮本大樹(パワーオブドリーム)
※山浦が新王者となる。
ガンガン前に出る山浦は、左ミドルを打ち、首相撲からヒザへとつなぐ展開。宮本はワンツーから左ミドルの基本スタイルだ。後半になってもスタミナが全く衰えない山浦は、左ミドルと前蹴り、首相撲からヒザととにかく手数が多い。宮本はワンツー、左右ミドルで応戦していく。
結果、判定で山浦が勝利し、兄・俊一(B-FAMILY NEO)に遅れはしたものの、WINDYのベルトを巻くことに成功した。
▽50kg級トーナメント
晴山塾の期待の新星・星大翔(晴山塾)がエントリー。初戦の鈴木龍土(ワイズ)に判定で勝利し、次期挑戦権を賭けて不戦勝で勝ち上がった渡辺隆聖(ドージョー☆シャカリキ)と争うことに。
ワンツーを打ちながら突進していく渡辺に、単発ながら強烈な右ミドルを放っていく星。星の右ミドルは一発一発の音が凄まじく、その凄さに場内からどよめきが起きる。パンチの渡辺、蹴りの星という対照的なスタイルを貫いた両者。結果、星が蹴り勝ち、奥脇一哉(はまっこ)の持つ王座への挑戦権を獲得した。
▼50kg級タイトルマッチ
○奥脇一哉(はまっこ/王者)
判定
●星大翔(晴山塾/挑戦者)
※奥脇が初防衛に成功。
ワンツー、首相撲からヒザを出していく奥脇に対し、右ミドルと右ローを蹴り分けていく星。中盤になると、奥脇の首相撲からヒザのラッシュが入り、たまらず星は防戦一方となってしまう。
何とか耐えた星は、右ミドルを放ちながら距離を取っていく。距離を取る星に、奥脇は首相撲で追いかけていく。 結果、判定で奥脇が勝利し、初防衛に成功した。
▽55kg級トーナメント
元王者の細貝晃希(祥龍館)が、二階級制覇に向けてエントリー。シードの細貝の相手は、藤本陸(B-FAMILY NEO)と古屋大将(渡辺ジム)の勝者となる。その藤本と古屋だが、ゴングが鳴ると同時に、バチバチの打ち合いがなされ、互いに手を止めず、足を止めての打ち合いをする場面が見られたほどで、乱打戦と呼ぶに相応しいものであった。古屋が1RKOで打ち合いを制して、シードの細貝と次期挑戦権を賭けて激突することとなった。
ローの蹴り合いから始まり、パンチの打ち合いへと変わっていく両者。後半になってもその展開はほとんど変わらず、パンチの打ち合いから今度は首相撲からヒザへ。ラスト5秒で足を止めてパンチの打ち合いとなってゴング。結果、細貝が判定で勝利し、二階級制覇へ向けて乗り出した。王座決定戦は夕方のプロ大会で行われ、中島大樹(リアルディール)と55kg級のベルトを賭けて激突することとなった。 (プロ大会はこちら)
▼60kg級タイトルマッチ
○山田敦士(ワイズ)
判定
●吉松篤矢(九州比山)
※山田が初防衛に成功。
ジュニアクラス随一のハードパンチャーの山田敦士(ワイズ)が、九州からの刺客・吉松篤矢(九州比山)を相手に防衛戦を行う。
一発一発のパンチ音が凄まじく、ガードをこじ開けるほどの威力を持つ山田のパンチが1Rから火を噴く。右ストレートや左フックを的確に打っていき、そこへ右ローを追撃。吉松はワンツー、首相撲からヒザ。
後半からはインファイトを仕掛け、積極的に前に出る吉松。右ローや右ミドルと打ち分け、山田のパンチをガードしながらジリジリと前に出て行く。山田はそれをお構いなしにと、ワンツーや左フックを放っていく。
結果、山田が判定で勝利し、防衛に成功した。
▽
ワンマッチ
一般の部では打ち合う試合が多く、これが影響したのかKOが続出。WINDYのリングで2大会連続出場、連続KO勝利中の大竹一八(仲FG)が三度参戦。3大会連続KO勝利に期待がかかる。インファイトを得意とする大竹は、右ローで効かせながらジリジリと前に出てプレッシャーをかけていき、1RKO勝利を収めた。これで3連続KO勝利となった。
また、K-1甲子園関東代表トーナメントをぶっちぎりで優勝した晴山翔栄(晴山塾)が参戦し、一般ワンマッチのトリを務めた。上下に打ち分け、打たれる前に打つ展開となる。1Rにダウンを奪い、その勢いに乗ってラッシュを仕掛け2RKO勝ちを収めている。
試合後、晴山は「20日のK-1甲子園まで日が開いてしまったので、試合感覚が鈍らないようにしたかった」と、出場した理由を語り、今後の意気込みについて、「WINDYの大会をステップに、K-1甲子園は絶対優勝します!」と力強いコメントを残した。
キッズワンマッチでは、井上直樹(白心会)がノンストップラッシュで2試合を消化、共に判定勝利を収めている。今大会のキッズワンマッチ最短KO勝利を飾った関口霧斗(祥龍館)は、母である関口朗子(祥龍館)と共に、親子で参戦。母が先陣を切ってリングへ上がるも、2RKO負けを喫している。 親子で明暗が分かれるという結末を迎えることとなった。
次回大会は、来年2月13日(日)に九州大会を開催し、その2週間後の27日に新木場1stRINGで開催されることが決定したと主催者から発表された。
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