▲左右のパンチを繰り出してどんどん前へ出て行く菊野（右）

FEG/リアルエンターテインメント
FIGHT FOR JAPAN
「DREAM JAPAN GP〜2011 バンタム級日本トーナメント」
2011年5月29日（日）さいたまスーパーアリーナ
開場15：00　開始16：00

▼第8試合　ライト級ワンマッチ　1R10分・2R5分
○菊野克紀（ALLIANCE-SQUARE/DEEPライト級王者）
判定3-0
●中村大介（U-FILE CAMP）

　青木真也、川尻達也に続くDREAMライト級ナンバー3の男と目されている菊野に、変化自在な寝技を得意とする中村が挑む。中村は「打ち合っても負けるつもりはありません」と言い放ち、菊野は「1秒でも早く切り落としたい。一方的に、一瞬で終わらせたい」と瞬殺を狙う。緊張感のある試合が期待される。

「自分がやっているのはMMA（総合格闘技）ではなくUWFプロフェッショナルレスリング」だと言い放つ中村は「UWFのメインテーマ」で入場した。

　1R、菊野はガードを下げて普通に歩くように前へ出て、左右のパンチを放って行く。連打に押された中村だが、タックルでテイクダウン。引っくり返した菊野だが、中村はヒールホールド！　菊野は足を抜いて立ち上がる。

　菊野が右ストレートから左フック、右アッパー。右のカウンターを当て、ヒザ蹴りにもm右を合わせる。組み付いた中村がアームロックを取りながらテイクダウンすると、菊野がすぐに上を奪い返して上になる。

　菊野が右ストレート、右フック、中村のジャブをもらう。逆に入り際に中村のパンチをもらう菊野。ノーガードで中村と打ち合う。中村が組み付くと菊野がバックを奪い、テイクダウン。菊野はパスガードを仕掛けつつ、顔面にパンチを入れて行く。

　ブレイク後、左右のフックで打ち合う両者。菊野は打たれながらも前に出る。中村は組み付くと引き込み、菊野が上に。一度は引っくり返した中村だが、すぐに菊野が上を奪い返す。これもブレイクに。

　パンチを出しながら前に出る菊野だが、逆に中村のパンチをもらう。ここでようやく菊野が中村のヒザへ前蹴りを出すと、中村の動きが鈍くなる。さらにパンチで攻め込む菊野はコーナーでタックルへ行き、中村は下からの腕十字を仕掛けたが菊野がかわす。そして、抑え込みながらのパンチ。

　2R、やはりパンチを出しながら前へ出る菊野。中村も打ち返し、飛び付き腕十字を狙う。上になった菊野は抑え込み。中村は潜り込むようにしてタックルへ行き、上になるが菊野はすぐに上を奪い返す。またもブレイク。

　パンチで前に出る菊野とそれをパンチで迎え撃つ中村。タックルに来た中村を菊野は上から潰し、四点ポジションからのヒザを放つ。下で暴れる中村だが、菊野はしっかりと抑え込んで上のポジションを渡さない。最後に菊野がパンチを入れ、判定3−0で菊野が完封勝利を収めた。

▲寝技で西浦を完封した宇野（後ろから絞めている人物）

▼第7試合　フェザー級ワンマッチ　1R10分・2R5分
○宇野　薫（UCS/元・修斗世界ウェルター級王者）
判定3-0
●西浦“ウィッキー”聡生（STGY/2006年修斗ライト級新人王）

“総合格闘技のパイオニア”と呼ばれる宇野だが、2008年5月の石田光洋戦を最後に3年間も勝ち星から遠ざかっており、今回が正念場。

　西浦は「宇野選手はいつかはぶっ潰したい選手でしたので、スッキリ終わらせます。悪いけど、もう宇野選手たちの時代じゃない」と世代交代宣言をしている。お互いの意地がぶつかり合う試合となるだろう。

　1R、サウスポー同士の対戦。宇野は左右に動きながらジャブを突き、インローで西浦のバランスを崩して行く。宇野がパンチで入って行くと、西浦はしゃがむと同時の右フックというトリッキーな動きを見せる。宇野はバックキック。さらに左右へ動き、滑り込むような低いタックルで組み付くと、堪える西浦のバックを奪う。

　引き倒す宇野と何度も立ち上がる西浦。宇野はリング中央へ倒すが、西浦はやはり立ち上がる。宇野は背中に飛び乗り、チョークを狙う。寝技になり、西浦が上になるが、すぐに宇野がバックを奪う。西浦が前に落とそうとすると、宇野は自分から離れた。

　宇野がタックルからテイクダウンを狙うが、西浦が堪える。すると宇野はまたもバックを奪い、スリーパー狙い。西浦が上を奪い返してパンチを見舞うと、またも宇野がすぐにバックへ回る。

　ブレイク後、西浦が飛びヒザ蹴り。宇野は蹴り足をつかんでバックへ回る。スリーパーホールドの形を作って行く宇野だが、これは決まらない。残り時間が少ないため、宇野は殴りに行く。

　2R、西浦が右ハイキック、宇野はジャブのフェイントからタックルに入り、コーナーへ押し込むが自分から離れて行く。宇野はインロー、西浦が右ヒザ蹴り。宇野のタックルを潰した西浦が上になるが、宇野が下から腕十字を仕掛けたため西浦が離れる。

　西浦は左右フックで宇野をコーナーへ追い詰めると、宇野はバックへ回る。足を引っ掛けてテイクダウンした宇野はスリーパーを狙いに行き、西浦は必死のディフェンス。脱出すると上になった西浦がパンチを放つが空振りに終わり、宇野がバックを奪いに行く。立ち上がる西浦は左右フックで前に出るが、ここでゴング。

　完全に試合を支配した宇野が判定3−0で勝利！　世代交代を阻止した。

　宇野はマイクを持つと「こんな日本の状況の中で見に来てくれて感謝しています。世代交代的な戦い方は川尻選手との試合から始まっていろいろ経験しているので、その差が出たと思います。もう36歳ですが、もうちょっと世代交代は待って下さい。石田選手と試合をしてから3年間勝てなくて、引退も考えたんですが、3年間あきらめなくて……」と声を詰まらせて号泣する。

「あきらめなくてよかったです。自分を応援してくれてありがとうございます。被災している方と僕くらいの年齢の方に少しでも勇気を与えたいと思います」と、宇野は涙ながらに語った。

▲リオン（右）の右フックがカウンターで炸裂！

▼第6試合　フェザー級ワンマッチ　1R10分・2R5分
○リオン武（シューティングジム横浜/元・修斗世界ライト級王者）
TKO　1R6分51秒　※レフェリーストップ
●松本晃市郎（今田道場/DEEPフェザー級王者）

　元・修斗世界ライト級チャンピオンのリオンと、現DEEPフェザー級チャンピオンの松本が対戦する。

　リオンは「DEEPの王者には絶対に負けたくない」と対抗意識をメラメラと燃やし、松本も「DREAMフェザー級は日本人がどんどん集まっていてレベルが高いけど、自分はそこでも勝てると思っています」と自信満々。お互いに打撃系ファイターであり、噛み合う試合が見られそうだ。

　1R、リオンが前に出たところで松本の左フックがヒットし、リオンが尻餅をつく。一気にパンチで攻める松本だが、リオンも打ち返して松本は一旦距離を取る。リオンは右ロー、松本は左インロー。リオンは組み付くとボディへ重いパンチを入れて行く。

　ブレイク後、松本は飛び込んでの左右フック。リオンは腕で松本の大きなパンチをブロックして行く。

　細かくフェイントして近付いて行くリオンは右ローを連発、松本は飛び込んでのアッパー。松本の左フックに対し、リオンはその内側から右フックを合わせ、松本がダウン！　リオンがパウンドを一気に叩き込むと松本は頭を抱え込み、レフェリーが試合をストップ。リオンがKOで快勝を収めた。

　マイクを持ったリオンは「修斗から来ましたリオン武です。去年はやっちゃいましたから、今年の俺は強いです。修斗を見に来て下さい。フェザー級は俺がかき回します」と、笑顔でアピールした。

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