11月20日(日)都内ホテルにて、前日・東京ドームで開催された『K-1 WORLD GP 2005 in
TOKYO 決勝戦』の一夜明け会見が行われた。シュルトの次に登場したのは、最もリクエストが多かったという初来日のバダ・ハリ。レコをバックスピンキック一発でKOした噂の悪童は、とんでもない裏の顔を持っていた!
谷川プロデューサーはバダ・ハリを「昨日、最もインパクトのあった試合をやり、来年に私が最も期待する選手の一人。ルスランやレミー、そしてこのバダ・ハリと20代の選手が活躍する事が、K-1にとって大切な事です」と紹介した。
1984年12月8日、オランダ出身のモロッコ人であるバド・ハリは、まだ20歳という若さ。身長197cm、体重94.0kgとまだ線は細いが、オランダではすでに60戦を闘い、56勝(47KO)3敗1分という驚異的な戦績を挙げている。
「勝てて嬉しいよ。レコは特別な選手じゃないので、消化試合みたいなもん。自分の闘い方で勝てたので、満足している」と、20歳とは思えない堂々としたというか、ふてぶてしいハリ。
「K-1は素晴らしい大会。今まで見た事がない、壮大なイベントだと思う。そこで勝てて嬉しく思うよ」と全体の感想を語り、「決勝に出ていた8人全員と闘いたい。彼らがラッキーだったのは、俺があのトーナメントに出ていなかった事だ。もし、あいつら8人がいっぺんに俺にかかってきても、勝てる自信があるよ」とビッグマウスぶりを発揮する。
さらに、元チャクリキの先輩である(現在はハリも移籍)アーツに対して、「彼は素晴らしい選手だった。実績は素晴らしいし、13年間毎年GPに出ている事は尊敬する。しかし、別に彼が理想の選手じゃないし、今の俺と比べたら俺の方が数段上。見栄えはするし、いろんな事が出来るよ。ピーターには“俺に気をつけろ”と言いたいね」と毒を吐く。
得意技は「特にどうというのはない。蹴りでもパンチでもバックスピンキックでも、試合の流れで決めるのさ。どんな技で決めるかよりも、勝つ事が一番大事なんだ。勝つためには、俺は頭突きを使ってでも勝つ!」と言い、「来年のGPで俺はチャンピオンになる!」といきなりの優勝宣言。
ここまでの発言を聞いていても、かなりの悪童ぶりだが、話が私生活に及ぶととんでもない素顔が明らかになった。
「車はBMWを乗り回している。学生かって? いや、違う。14歳まで学校にいて、その後はずっとストリートで生きてきた。仕事はオランダの飾り窓地帯でマネージャーをやっている」と、裏の世界の顔役である事を明かしたのである。
オランダの飾り窓と言えば、世界的に有名な風俗地帯。リングスに来たクリス・ドールマンが顔役をやっていた事が有名だが、ハリは18歳の時すでにボスとして君臨していたという。
「どうだい、凄いだろう。これ以上にいい人生はないよ」とうそぶくハリは、「夢はもちろんK-1でチャンピオンになる事だ。そして、1回優勝すれば1店舗増やす。何度も優勝して、どんどん店舗を広げてシマを大きくしていきたい」と、表と裏の世界での野望を語った。
「ずっとストリートで闘ってきたから、ずっと前からファイターだ。サイモン・ルッツ(イッツ・ショータイム代表)と契約したのは1年半前」とハリ。実力はまだ未知数の部分が多いが、まだ20歳という若さであり、ホーストやアーツの後継者としてオランダの格闘技界のボスとなる日も近いだろう。
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