12月6日(土)神奈川・横浜アリーナで開催された『K-1 WORLD GP2008 FINAL』は、決勝戦でダウンを奪われたバダ・ハリ(モロッコ/ショータイム)がレフェリーの制止を無視して、転倒したレミー・ボンヤスキー(オランダ/チームボンヤスキー)の顔面を踏みつけるという暴挙を働き、K-1GP史上初のレッドカードによる失格負けという前代未聞の裁定が下った。
試合後、インタビュースペースに現れたバダ・ハリは「レミーに対して少しイラつく感情が生まれ、ぶっ倒してやろうと興奮してしまい、感情的になってしまった。レミーが前に出てこないし、過去にイライラする発言もあって(※昨年のGP準々決勝での対戦前、バダ・ハリの挑発に対してボンヤスキーが「テロリストみたいだ。
中近東にでも行ったほうがいいんじゃないのか?」と挑発したことだと思われる)、倒れた場面で思わずストリートファイターの本能が目覚めてしまって反則技をやってしまった」と、反則大暴走した理由を語った。
「あんなことになってしまい、ファンにはお詫びしたい。結果はああいうことになってしまったので、レフェリーが下した判断を真摯に受け止めて、これからも頑張っていきたい。今はとりあえずファンに謝りたい」と、期待を裏切ってしまったファンへ謝罪したバダ・ハリだったが、“レミーは試合が続けられないほどのダメージがあったと思うか?”との質問を受けると、今度は言葉の暴走を始める。
「ダメージはなかったんじゃないかと思う。彼は倒れてもがき苦しんでいたが、裁定が下ったらスッと立ち上がって彼の素晴らしいスピーチがあった。本当にダメージがあったら、あんなことは出来ないはず。それに、彼のセコンドからも“立ち上がるな!”という指示があったのが聞こえた。彼は闘いの中の勝者ではなく、アクター(俳優)として勝利を得た。主演男優賞のようなものだ」と悪態をついた。
セコンドからの「立ち上がるな!」という指示は無理して立ち上がらず回復を待てという意味にも捉えられ、流れの中の攻撃ではなくレフェリーの制止を無視して顔面を踏みつけたのはその場で反則負けになってもおかしくない違法行為。しかし、消化不良に終わってしまったファンへの謝罪はあっても、ボンヤスキーへの謝罪は悪童の口からはなかった。
また、バダ・ハリは「チェンジは十分に行われたと思う。ああいう形で終わったが、中身は誰が見ても自分が優勢だった。アーツを破ったし、変革は果たせたと思う。それを周りが認めないなら、それはその人自身の問題だろう」と、変革を果たせたことには満足げだった。
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