4月1日(木)都内ホテルにて、4月3日(土)神奈川・横浜アリーナで開催される『K-1 WORLD GP 2010 IN YOKOHAMA』出場選手の個別インタビューが行われた。昨年は引退発言もあったジェロム・レ・バンナ(フランス/Le Banner X tream Team)が、K-1新世代の旗手の一人であるタイロン・スポーン(スリナム/ブラックレーベルファイトクラブF.F.C.)の挑戦を受ける。世代交代マッチを闘う両者のインタビューは以下の通り。
■バンナ「最後は自分の満足行くように終わらせたい」
ーー今回はピーター・アーツ選手と一緒にチャクリキジムで練習しているそうですが、その理由は?
「ピーターの人柄が好きなのもあるけれど、彼のテクニックやファイトスタイルからいろいろ学べるものがあると感じたので、一緒に練習することを決めたんだ」
ーーチャクリキでの練習はどうですか?
「ベリーハードだよ(笑)。とても大変だが、それは自分の好きなことだからね。練習を始めたばかりの時は慣れるまで時間がかかったが、今はもうだいぶ慣れてきて充実した練習が出来ているよ」
ーーこの年齢になって、まだ激しいトレーニングをするのはなぜですか?
「昔のようなコンディションに戻りたいというのもあるし、いま37歳でもう格闘技人生は終盤に差し掛かっている。最後は自分の満足行くように終わらせたいので、またハードなトレーニングを始めたんだ」
ーーアーツもチャクリキに戻って昔の強さを取り戻しましたが、バンナ選手もそういう実感がありますか?
「トム・ハーリック会長はトレーナーとしてもそうだが、何かパワーを与えてくれる人物であることは間違いない。それはアーツにも起こっているし、同じようなことを自分でも感じている」
ーーハーリックさんのアドバイスで一番重要だと思ったことは何ですか?
「具体的にこれというものではなく、気持ち的なもので伝わってくるものがある。言葉で表すのは難しいけれども、気持ちで伝えてくるものがいろいろあったね」
ーーアーツ選手とは今回の試合前に話はしましたか?
「そんな話をしている時間はなく、ずっとトレーニングしていたよ」
ーーそれは話をしなくても通じ合うものがある、ということ?
「もちろん多少のアドバイスはあるけれども、ジムに行くのは遊びに行くのではなくトレーニングをするために行くので、特に話をしたということはない」
ーーお互いに、セコンドに着いたりすることもあるのでしょうか?
「トム会長がそうしろと言えばそうする。今はもうファミリーなので、その可能性はあるね」
ーー対戦するタイロン・スポーン選手はどのように評価していますか?
「若くてとてもいい選手だと思う」
ーーどういう試合になると思いますか?
「KOで終わらせるだけだ」
ーーチャクリキでの練習で新たな発見はありましたか?
「今回、チャクリキでトレーニングを始めたことで、今までとは環境が違うし、いろんな部分が変わったよ。普段のコミュニケーションひとつにしても、母国語ではなく英語に変わったことも今までとは違うところだったしね」
トム・ハーリック会長「ジェロムは疲れているので、今日はこの辺にして欲しい。最後に言わせていただきたいのは、前回の試合の時、彼は映画の仕事など他のことで忙しくて練習が全然出来ない状態だったんだよ。でも今回はそういった他の仕事をシャットアウトして、チャクリキへ来てハードなトレーニングを積んでいるので、以前とは全く違うジェロムに仕上がっている。今週の土曜日に全く違うジェロムを見せられると思うので、楽しみにしていてください」
■スポーン「ジェロムは自分の時代が終わることを考えなければいけなくなる」
ーーアーネスト・ホーストさんの元でトレーニングをしていますが、その成果は?
「2人のトレーナーとトレーニングをさせてもらって、徐々にトレーニングの仕方にも慣れてきてパーフェクトになりつつある」
ーーどんなことを学んでいるんですか?
「2人とも経験豊富なトレーナーなので、どう戦うかも含めて技術の知識も豊富だし、学ぶべきところはたくさんある。それと自分がヘビー級で自分がどう闘えばいいかを示してくれる、とてもいいトレーナーだよ。特にホースト先生はジェロムとの試合経験があるので、そういう試合運びをしたらいいのかを学べた。今回の試合に向けても、今後ヘビー級で闘っていく上でも勉強になることはたくさんあるね」
ーー80Kgくらいから上げてきたことで、ヘビー級では厳しいんじゃないかとの意見もありますが、自分ではどう思っていますか?
「確かに体重は重くなってきたが、調整もついてきてヘビー級に転向して1年以上経つし、どういうトレーニングをするか、どう戦うかが分かってきたのでもう何の問題もない」
ーー去年、京太郎選手と対戦していて、彼は今回タイトルマッチをやりますが、自分がタイトルマッチやりたかったという気持ちは?
「もちろんです。去年、自分は京太郎選手を倒しているので、もしあれがタイトルマッチだったら今は自分がチャンピオンだというのもあるし、この試合の勝者と闘えればいいかなと思っています」
ーーグーカン・サキ選手もタイトルマッチをアピールしていますが、挑戦するのは自分の方が先だという気持ちはありますか?
「それももちろんだ。自分は京太郎に勝っているからね。自分はサキに負けているけれども、もし闘いたければ俺の後ろに並んで順番を待てと言いたい」
ーーヘビー級のタイトルとワールドGPで優勝するのは、自分の中で同じ価値があるんですか?
「ヘビー級のベルトもワールドGPのベルトもK-1のベルトには違いないので、どちらも欲しい。ただ、ヘビー級タイトルはワンマッチで、ワールドGPは1日に3試合勝ち上がっていくトーナメントなので重みは違うかもしれないけれど、K-1のベルトという意味では自分の中では同じくらいの価値がある」
ーー今回対戦するバンナ選手にはどんな感情がありますか?
「ジェロムって誰だい?(笑)ピーターもジェロムもK-1を昔から支えてきた伝説的な選手であることに違いはないが、今は世代交代の時期にある。新しい選手として自分たちが次の世代を背負っていくんだという気持ちを持っている選手がいっぱいいるので、そういった意味でも今回の試合は楽しみだね」
ーーバンナ選手に勝ったら何が変わると思いますか?
「自分にとってはこの試合に勝っても特に変わることはない。それよりもジェロムにとって、この試合に負けたら新しい世代がついにやってきたか、自分の時代が終わることを考えなければいけなくなるだろうね。それよりも、エキサイティングなファイトを見せることが、自分の中で重点を置いているところだよ」
ーー骨折したという右拳の状態はいかがでしょうか?
「順調に回復していて問題ない。今はこの拳でジェロムを思い切り殴るのを楽しみにしているよ」
ーープレートはまだ入ったままですか?
「まだ中に入っている」
ーー16歳でデビューした時の体重は何Kgでしたか?
「たしか69Kgだったと思います」
ーーその頃は何が目標だったんですか?
「最初の目標はオランダのチャンピオンになることだったけれど、それは16歳の時にかなえてしまった。次がヨーロッパのチャンピオンになることだったけれど、それも17歳でかなえてしまった。その後、やりたいことを全てクリアしてしまって、69〜95Kgのウエイトの間で全て制覇してきたんだ。だから残っているのは、K-1を制覇することだけだね」
ーーバンナが14年もK-1のトップクラスに君臨していることをどう思いますか?
「バンナはK-1のリングで14年間も闘っていて、実際はその前から別のリングで闘っていた。その頃の自分はと言えば、おはじきで遊んでいるような小さな少年だったよ。その頃から闘ってきていて、K-1の歴史を支えてきた伝説的なファイターであることを考えると、とても凄いと思う。しかし、現時点では対戦相手だとしか見れないので、ビッグネームであるジェロムとこうして闘えることは誇りに思うよ」
ーーホーストさんからはどんなバンナ対策を授かっているんですか?
「それは土曜日の試合を見れば分かるよ。過去に闘ってきた経験からの戦略を授かった。その戦略がどういうものかは土曜日の試合を見てくれ」
FEG
「K-1 WORLD GP 2010 IN YOKOHAMA」
2010年4月3日(土)神奈川・横浜アリーナ
開場16:00 開始17:00
※オープニングファイトは16:20〜
<全対戦カード>
▼メインイベント(第7試合) 3分3R延長2R
バダ・ハリ(モロッコ/ショータイム/K-1 WORLD GP 2009準優勝)
VS
アレクセイ・イグナショフ(ベラルーシ/フリー/K-1 WORLD GP 2003 in Paris優勝)
▼セミファイナル(第6試合) K-1スーパーヘビー級タイトルマッチ 3分3R延長2R
セーム・シュルト(オランダ/正道会館/王者)
VS
エロール・ジマーマン(キュラソー島/ゴールデングローリージム/挑戦者)
▼武蔵引退式
▼第5試合 K-1ヘビー級タイトルマッチ 100kg以下契約 3分3R延長2R
京太郎(チームドラゴン/王者)
VS
ピーター・アーツ(オランダ/チーム・アーツ/挑戦者)
▼第4試合 3分3R延長2R
アリスター・オーフレイム(オランダ/ゴールデングローリージム)
VS
ジャバット・ポトラック(ボスニア・ヘルツェゴビナ/チーム ポトラック/K-1ファイティングネットワーク・プラハ大会2007優勝)
▼第3試合 3分3R延長2R
ジェロム・レ・バンナ(フランス/Le Banner X tream Team)
VS
タイロン・スポーン(スリナム/ブラックレーベルファイトクラブF.F.C./WFCAクルーザー級2008世界王者)
▼第2試合 3分3R延長2R
グーカン・サキ(トルコ/チーム・レベル/K-1 WORLD GP 2008第3位)
VS
シング“心”ジャディブ(インド/パワーオブドリーム/K-1 WORLD GP 2009 ASIA GP優勝)
▼第1試合 3分3R延長2R
セルゲイ・ラシェンコ(ウクライナ/キャプテン/K-1 WGP 2009 FINAL16 QUALFYING
GP準優勝)
VS
佐藤 匠(極真会館/極真第36回全日本選手権ベスト16)
▼オープニングファイト第2試合 3分3R
野田 貢(シルバーアックス/正道会館ウエイト制重量級3位)
VS
プリンス・アリ(イラン/イラン大誠塾)
▼オープニングファイト第1試合 3分3R
上原 誠(士魂村上塾)
VS
高萩ツトム(チームドラゴン)
<チケット料金>
SRS席25,000円 RS席15,000円 S席10,000円 A席5,000円 <チケット発売場所> チケットぴあ=TEL:0570-02-9999
ローソンチケット=TEL:0570-084-003(Lコード33300) CNプレイガイド=TEL:0570-08-9999 キョードー東京=TEL:03-3498-9999
イープラス=http://eplus.jp ※0570から始まる番号は一部の携帯電話、PHS、CATVからの電話接続は不可 <チケットに関するお問い合わせ>
キョードー東京=TEL:03-3498-9999 <大会に関するお問い合わせ> FEG=TEL:03-3796-5060
●2010年K-1ワールドGPスケジュール 4月10日 リトアニア・ヴィリニュス「ヨーロッパ予選」
4月17日 アゼルバイジャン・バク「ヨーロッパ予選」 5月21日 ルーマニア「東ヨーロッパGP」※ヨーロッパ予選の各大会上位2名+推薦選手2名
6月5日 ドイツ・ドルトムント「西ヨーロッパGP」 6〜8月 オーストラリアでオセアニアGP、中国でアジアGP ※8月に世界最終予選をヨーロッパか日本で開催
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