4月1日(木)都内ホテルにて、4月3日(土)神奈川・横浜アリーナで開催される『K-1 WORLD GP 2010 IN YOKOHAMA』出場選手の個別インタビューが行われた。第1試合で対戦する佐藤匠(極真会館)VSセルゲイ・ラシェンコ(ウクライナ/キャプテン)のインタビューは以下の通り。
■ラシェンコ「僕はハトに心を奪われている」
ーーK-1に再び参戦する今の気持ちは?
「とても嬉しいです。こうやってもう一度招待していただいたので、明後日はとてもいい試合をするつもりです。ファンに気に入られる試合をしたいと思います」
ーーK-1への憧れはいつ頃からあったんですか?
「初めてK-1に出たいと思ったのは20歳の時ですが、K-1のことを知ったのは13〜14歳の時です。ですから、参戦することが出来てとても満足しています。僕がK-1のどこが気に入ったかというと、手も足も何でもありの攻撃が出来る自由さを気に入っています」
ーー格闘技を始めたのはいつですか、またそのきっかけは?
「14歳で始めました。2歳年上の幼い頃からの友だちがボクシングを始めたので、僕も一緒に始めたんです」
ーームエタイを始めたのは?
「15歳です。ボクシングは手だけでしか闘えませんが、ムエタイは手も足もヒザも何でも使えるのでフルコンタクトという感じが好きでした」
ーーご両親がいないということですが……。
「父は僕が20歳の時に電車に轢かれて亡くなりました。その1年後、僕がムエタイ世界選手権に出場するためソウルへ行っていた時に、以前から病んでいた胃の病気で今度は母が亡くなったんです。そのトーナメントでは準決勝まで行ったんですが、母の訃報を聞いてすぐに帰国したので、決勝には出られませんでした。ちょうど今から1年前のことです」
ーーそれからの生活は大変だったのでは?
「だからK-1に出て、勝ってお金を稼ごうと思ったんです」
ーー試合以外に仕事はありますか?
「他の仕事はしていません」
ーー弟さんがいますよね?
「まだ18歳で学生です。今年、高校を卒業して大学に進学します」
ーー金銭面も含めてその弟さんの面倒を見ているんですか?
「そうです。彼は私の唯一の家族ですから」
ーーハトを飼いたい、というお話をお聞きしました。
「子供の時は郊外に住んでいたんですが、友だちたちがハトを飼っていたので馴染みがありました。それと隣人のおじいさんがハトをたくさん飼っていて、そこによく遊びにいっていたものですから、僕も大きくなったらハトを飼いたいと夢見ていたんです。でも、ハトを飼うにはとてもお金が必要なので、そのためにも頑張って働いています」
ーー他にも高価なペットがいるのでは?
「もっと高価なペットと言われても、僕は小さい頃からハトが好きだったし、ハトに心を奪われているんです。僕はカッコつけるためにペットを飼うのではなく、好きな動物がハトなんです」
ーーハトのどこがそんなに好きなんですか?
「まず飛ぶところ。それとハト同士の間の関係性。それは見ていて和むものがあります」
ーーハト同士の関係と言うと?
「ハトはつがいで生活していて、巣にいるのは雄ハトと雌ハトです。その一組のつがいが自分たちの言語で喋っている姿は、見ていて和むものなんです」
ーーワールドGPで優勝すればいっぱい飼えますよ。どれくらい欲しいですか?
「それはまだ具体的には考えていませんが、300羽、400羽、500羽! 多ければ多いほどいいです。子供の時、よく遊びに行ったおじいさんの家には10羽しかいなくて少なかったんですが、そのおじいさんの友だちは700羽もハトを飼っていて、その家に行くと家中がハトだらけで本当に壮観でした。
※「ハトは凄くいいビジネスになる。笑い事じゃないんです!」とマネージャーからツッコミが入る。
ーー失礼しました。今回は佐藤選手と闘いますが、どんな試合をしたいですか?
「もちろん、3R終了前に終わらせたいです。どの選手もそれを望んでいると思いますが、僕もそうです。その上で美しく、見応えのある、みんなの心に残るような試合をしたいと思います」
ーー同じウクライナのアルトゥール・キシェンコ選手からはどんな刺激を受けていますか?
「トレーニングしろよ、ボクシングして来いよ、とだけ言われました」
ーー彼の日本での活躍やから、何か影響を受けたことは?
「とにかく嬉しいですね。自分の知っている人が日本で成功して、いい試合を見せていることは。そういうポジティブな影響があります」
ーーラシェンコ選手の得意なスタイルは?
「パンチですかね? 左のレバーフックです」
ーーこの試合に向けてどの点を強化してきましたか?
「パンチとヒザにアクセントを置いてやってきました」
※「日本人には内緒だよ」とマネージャー
■佐藤匠「3R粘って闘っていきます」
ーー昨年、成長したところはどこだと思いますか?
「去年までは試合になると闘争心ばかりに偏っていたんですけれど、最近はいろんなことを考えて、ゲームだって考えられるようになってこれたのがよかったと思います」
ーーゲームとはどういう意味ですか?
「闘争心ばかりだと倒そうという気持ちばかりになってしまいますが、ゲームだと考えると相手のガードの空いているところを狙うとか、冷静に試合が出来ると思うのでそこが成長できたと思います」
ーー簡単に言うとカーッとしないということですか?
「そうです」
ーー相手の印象は?
「凄い攻撃的で、凄いタフという印象です
ーーどんな試合になりそうですか?
「とりあえず自分は3R粘って闘っていきます」
ーー今に始まったことではありませんが、特にヘビー級は世界と日本の差が開いています。佐藤選手はどう考えていますか?
「日本人は爆発的な力は劣ると思うので、とにかく粘っこくやっていこうと思っています」
ーー京太郎選手が一撃アカデミーへ出稽古に来たそうですね。スパーリングもされたのですか?
「週3回やりました。やっぱり京太郎選手はチャンピオンだけあって、上手いところもありますし、お互い学ぶことが多いのでとてもいい練習が出来ると思います」
ーー具体的に盗めると思った技術はありますか?
「カウンターを取るところと、ラウンドの最後にポイントを取るためにまとめてくるところが勉強になりました」
ーーヘビー級の日本人選手は少ないので、一緒に練習することは大きいですか?
「京太郎選手は技術がしっかりしているので、勉強することが多いのでとてもいいと思います」
ーー今年はどんな年にしたいですか?
「自分は今まで前座で試合をしていましたが、今回本戦で闘えるチャンスをいただいたので、自分が本戦でもやっていける選手だというのを見せていければいいと思います」
ーー基本的なことをお聞きしたいのですが、空手を始めたのはいつですか?
「17歳です。極真の世界チャンピオンの八巻建志さん(第6回全世界大会優勝)の自伝を読んで始めようと思いました。組手のシーンで、ローキックは足を折り、ミドルキックは内臓を破裂させ、ハイキックは首の骨を折るというシーンがあるんですけれど、それを読んで憧れました」
ーーどちらの道場に入門されたんですか?
「桜木町の道場です」
ーー佐藤選手が考える“極真魂”とはどんなものですか?
「人によって違うと思いますが、自分は最後まで諦めないでやっていくことだと思います」
ーー入門してから最も影響を受けた空手家は?
「技術的なことは分かりませんが、(松井章圭)館長の言葉を聞いて空手以外の面、生活面で影響を受けることは多かったと思います」
ーーTVのインタビューでは「地味な感じでやっていけたら」と言われていましたが、試合に勝って主張したいことはありませんか?
「とりあえず主張したいことはないですが、自分自身が成長する、内面も成長できるようにというのがあり、そのために自分は空手やキックボクシングをやっています」
ーー目標としている選手のタイプは?
「自分は爆発力があるとは思わないので、最後まで諦めず粘って闘える選手になれたらいいと思います」
ーー得意な攻撃は何ですか?
「ジャブとミドルキックですか」
ーー地元での試合になりますね。
「そんなに大勢ではありませんが、地元の先輩が応援に来てくれます。自分は普段ボーッとしているので、いいところを見せられればいいなと思います」
FEG
「K-1 WORLD GP 2010 IN YOKOHAMA」
2010年4月3日(土)神奈川・横浜アリーナ
開場16:00 開始17:00
※オープニングファイトは16:20〜
<全対戦カード>
▼メインイベント(第7試合) 3分3R延長2R
バダ・ハリ(モロッコ/ショータイム/K-1 WORLD GP 2009準優勝)
VS
アレクセイ・イグナショフ(ベラルーシ/フリー/K-1 WORLD GP 2003 in Paris優勝)
▼セミファイナル(第6試合) K-1スーパーヘビー級タイトルマッチ 3分3R延長2R
セーム・シュルト(オランダ/正道会館/王者)
VS
エロール・ジマーマン(キュラソー島/ゴールデングローリージム/挑戦者)
▼武蔵引退式
▼第5試合 K-1ヘビー級タイトルマッチ 100kg以下契約 3分3R延長2R
京太郎(チームドラゴン/王者)
VS
ピーター・アーツ(オランダ/チーム・アーツ/挑戦者)
▼第4試合 3分3R延長2R
アリスター・オーフレイム(オランダ/ゴールデングローリージム)
VS
ジャバット・ポトラック(ボスニア・ヘルツェゴビナ/チーム ポトラック/K-1ファイティングネットワーク・プラハ大会2007優勝)
▼第3試合 3分3R延長2R
ジェロム・レ・バンナ(フランス/Le Banner X tream Team)
VS
タイロン・スポーン(スリナム/ブラックレーベルファイトクラブF.F.C./WFCAクルーザー級2008世界王者)
▼第2試合 3分3R延長2R
グーカン・サキ(トルコ/チーム・レベル/K-1 WORLD GP 2008第3位)
VS
シング“心”ジャディブ(インド/パワーオブドリーム/K-1 WORLD GP 2009 ASIA GP優勝)
▼第1試合 3分3R延長2R
セルゲイ・ラシェンコ(ウクライナ/キャプテン/K-1 WGP 2009 FINAL16 QUALFYING
GP準優勝)
VS
佐藤 匠(極真会館/極真第36回全日本選手権ベスト16)
▼オープニングファイト第2試合 3分3R
野田 貢(シルバーアックス/正道会館ウエイト制重量級3位)
VS
プリンス・アリ(イラン/イラン大誠塾)
▼オープニングファイト第1試合 3分3R
上原 誠(士魂村上塾)
VS
高萩ツトム(チームドラゴン)
<チケット料金>
SRS席25,000円 RS席15,000円 S席10,000円 A席5,000円 <チケット発売場所> チケットぴあ=TEL:0570-02-9999
ローソンチケット=TEL:0570-084-003(Lコード33300) CNプレイガイド=TEL:0570-08-9999 キョードー東京=TEL:03-3498-9999
イープラス=http://eplus.jp ※0570から始まる番号は一部の携帯電話、PHS、CATVからの電話接続は不可 <チケットに関するお問い合わせ>
キョードー東京=TEL:03-3498-9999 <大会に関するお問い合わせ> FEG=TEL:03-3796-5060
●2010年K-1ワールドGPスケジュール 4月10日 リトアニア・ヴィリニュス「ヨーロッパ予選」
4月17日 アゼルバイジャン・バク「ヨーロッパ予選」 5月21日 ルーマニア「東ヨーロッパGP」※ヨーロッパ予選の各大会上位2名+推薦選手2名
6月5日 ドイツ・ドルトムント「西ヨーロッパGP」 6〜8月 オーストラリアでオセアニアGP、中国でアジアGP ※8月に世界最終予選をヨーロッパか日本で開催
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