8月12日(木)ムエタイの本場タイ・バンコクの王宮前広場にて『タイ王国王妃誕生記念興行 Queen's Cup 2010』に出場した選手、関係者、サポーターのインタビューが届いた。選手たちは8月14日(土)無事に帰国、タイ国での5日間、そして“史上最大のムエタイ世界大会”参戦を振り返り、各々が改めて感想を語っている。詳細は以下の通り。
佐々木仁子(チームドラゴン)
「観客の「ムエタイが好き」という気持ちがよく伝わりました。これは選手がリングの上に立つ上ですごく大事なことで、それを肌身で感じられたことはとても大きかったです。タイのリングでしたが一選手として認めてくれる暖かさもあってすごく感動しました!
今までJ-GIRLSルールのためにパンチ中心の練習ばかりしてきたのですが、今回ムエタイルールでやることで、蹴りからのパンチなど、全てにおいて違う観点から練習する事ができて良かったです。今後に繋がるような経験ができて本当に良かったです!」(話しているうちに試合時の感動が蘇り、インタビュー中に涙を流す)
ジェット・イズミ(M16ムエタイスタイル/J-GIRLSフライ級4位)
「リングの上にいる時が特に楽しかったです! 観客がすぐそばにいるので、熱さ・熱気が思いっきり伝わってきました。
日本の試合みたいに椅子に座ってジーっと見てる感じとは違って、タイ人の観客のノリはすごかったです。この感覚は日本では感じられないこと。やみつきになりそう! あと花火などの演出が派手で良かったです。特に選手も含め、観客も全員でキャンドルにあかりを灯して王妃の誕生日を祝って、王妃への愛がすごく感じられました。国民と王室が近い感じがしましたね。あとタイ料理がとてもおいしかったです!」
モニカ(DRAGON GYM)
「KO勝ちは初めてで何が何だか分からなくて、試合が終わって初めてKO勝ちをしたんだと分かって、子供のようにリングの上で泣いてしまいました。言葉では説明できない気持ちでした。
試合の途中なのに、どうして相手のタイ人選手は立たないの? なぜ佐藤会長と(J-GIRLSイベントプロデューサー)石垣さんがリングに入ってくるの? と、何が何だか分からなかったです。試合の前は、ムエタイはポイントゲームなので2ラウンド目まではゆっくり戦って、3ラウンド目から攻撃をたくさん出すように戦いたいと思っていました。反省は、ヒザをもっと出したかった。これからもっと練習したい! コンビネーションも出せるようになりたいです」
(※ベルトを巻いてもらった後にモニカが泣きじゃくっているのを見て、タイ人の実況の人が「モニカ選手は泣いてるのか笑ってるのか分かりません!」とコメントし、VIP席も大盛り上がりで皆感動で泣いていたという。全ての試合の中で一番盛り上がったといえる試合で、モニカだけがタイ人の観客から握手をたくさん求められる人気ぶりだった)
細野岳範(チームドラゴン)
「ムエタイは難しいと改めて思いました。特にポイントを取る駆け引きが難しかったです。観客もムエタイをよく知っていると思いました。だから歓声もすごく大きくて、雰囲気がとても良かったです。演出の面もすごく良かった。是非もう一度参加したい。他の人にも是非薦めたいと思います」
MITSUKI(DRAGON GYM/J-GIRLSフライ級5位)
「タイの場合は直前に色々変わるのは分かっていたのですが、試合直前に4ラウンドから3ラウンドになり、ワイクーもなくなったのが残念でした。
ムエタイルールで3ラウンドは難しかった。(補足:テレビ中継の関係で最後の2試合だったMITSUKIと村上の試合が短縮されました)ムエタイのサウスポーは距離感がつかめなくて難しかったです。あと観客の声援が日本と全然違ってすごくて、タイ人ばかりに声援がいって少し悲しかったです。でもあんなに大きいところで試合ができたのがとても嬉しかったです。タイの大きな試合とは聞いていましたが、実際に行ってみて本当に大きかったのでビックリしました!」
村上リエ(DRAGON GYM/J-GIRLSライト級王者・WPMO世界ライト級王者)
「観客の賭けの対象に自分がなっているのが分かって楽しかったです(笑)。
でもワイクーを華麗に踊ろうと思っていたのに、テレビ中継の関係でできなくなってしまってすごく残念でした。試合は下がりながら攻撃をしてしまったので、もっと前に出れば良かったです。でも首相撲ができて良かった。最近できなかったことができたので良かったです。あとタイの選手(「ムエタイ界の皇帝」ナムサックノーイ・ユッタガーンガムトーン)がセコンドに付いてくれて良かったです!」
J-GIRLSイベントプロデューサー・石垣
「まず各選手の印象から言いますと、佐々木選手、残念でした。(昨年12月の)ジョアンナ、そして(今年3月の)イム・スジョン、外国人続きですが敗因は一つだけ。それは本人が一番分かっていると思います。
次回、成長した佐々木選手に期待したいですね。ジェット選手はタイ人がビックリするほど首相撲がうまかった。“首相撲で試合を制した美少年”といいましょうか。現地アナウンサーにも「少年か?」と言われ続けていました。『(相手選手の)タトゥーが怖い!』なんて言っていましたが、いやいや、35才の女性には見えない立派な暴れぶりでした。
モニカ選手。実は彼女が一番心配でした。プロ4戦目で急遽タイトルマッチとなり、実際、相手選手の足の太さを見てヒヤッとしました。それが案の定、重たいローを何発も入れられましたがモニカ選手はセコンドの声をよく聞いていました。ビルの2階から振り下ろすようなパンチでKO。いや〜見事でした。細野選手も4Rの約束が試合直前に急遽5Rになり、でも冷静な試合運びで巧さが光りました。MITSUKI選手は実は相手選手と3〜4年前に一度タイで戦っていて、その時はMITSUKI選手が勝っていたんですね。だからというわけではないと思いますが、勝ちに急いでしまったのかな、と。ただJ-GIRLSでは見れない、ガツガツとした姿を見れましたね。
そして村上選手。相手のRene選手は後からの情報で知ったのですが、彼女はジョアンナと同門、アーネストホースト会長の弟子だったんです! ジョアンナはスピード感と巧さが印象的でしたが、Rene選手はプラス、パワーと破壊力がありました。途中、村上選手が押されていた場面もあったですが、距離をとってうまく合わせる事が出来ました。総評として、ヨーロッパ制が強かったですね。あと急遽参戦したフィリピンの選手が異常に強かった。フィリピンはちょっと注目してみようと思います。そしてJ-GIRLSの選手は実践を積んでいけば十分、ムエタイルールに対応出来ると思いました。タイ人との実力差はほとんどないです。
タイはお客さんが本当に熱狂的で、その上評価も厳しい。ですが、やりがいもその分あって、白黒はっきりした試合をすると、すごい声援が飛ぶ。日本では経験できない経験が出来て、会場でも、今回のツアー参加者は全員VIPw)席をご用意頂いて、主催のソンチャイプロモーションにも非常に感謝しています。また今後ともこのような企画を是非行いたいと思います」
サポーター・矢島(左)
「今までムエタイを見たことがなかったが、とても見やすい席だったし、式典もあったので感動しました。ワイクーなどの意味を知る事もできて面白かったです。タイの子供が小さいときからムエタイをやっていて、子供からお年寄りまで観客が応援しているのを見て、皆ムエタイが好きなんだなと思いました」
サポーター・松田(右)
「本場のムエタイを初めて見れて感激しました! しかもすごく近かったし。花火などの演出も素晴らしかったし、タイの特別な日に、式典という特別な環境で試合が見られて本当に良かったです!」
サポーター・蛭川
「まずは日本が4対2で勝つことができて良かったです! 会場は日本とまるで違うと思いました。観客の熱さ、試合を観る視線がすごくて、あまりの声援の大きさに、特に初戦の人は緊張して大変だったと思います。日本人選手に対する声援もすごかった。屋外なのに地鳴りのように響き渡って、すごく興奮しました! 自分たちもその中で応援できたことはとても光栄だったし、元大臣が座っているすぐ後ろで、VIP待遇で見ることができて本当に光栄に思う。その言葉に尽きる! ベルトを2つも取れて本当に良かった。本当に行って良かったと思います!」
写真:シンラパムエタイ
●2010年度 J-GIRLS大会スケジュール
9月20日(月・祝)東京・新宿FACE
10月17日(日)東京・新宿FACE
12月12日(日)東京・ディファ有明
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