FEG
「FieLDS Dynamite!!〜勇気のチカラ2009〜」
2009年12月31日(木)さいたまスーパーアリーナ
開場13:00 開始15:00
観衆=45,606人
入場者数45,606人(主催者発表)を集め、今年の格闘技イベントでは世界一の集客数となった今年のDynamite!!。今大会ではK-1MAXを牽引してきた魔裟斗の引退試合、北京五輪柔道金メダリスト石井慧のプロデビュー戦、そしてDREAM×SRC(戦極)の対抗戦と、格闘技界注目の対戦カードがずらりと並んだ。
メインイベントに宿敵アンディ・サワーとのラストファイトに挑んだ魔裟斗は、試合前の宣言通り、1Rからバチバチの殴り合い。互いに譲らない展開が続いたが、4Rに魔裟斗がサワーから右ストレートでダウンを奪い、サワーに判定勝利。魔裟斗がラストファイトを勝利で飾り、現役生活にピリオドを打った。
同じ柔道金メダリストである吉田秀彦を相手にデビュー戦を行った石井だったが、1Rにいきなり吉田の右フックをもらい大苦戦。2Rにはローブロー(金的)の反則で減点1が与えられて判定負け。終盤に盛り返した石井だったが、プロ初戦は黒星発進となった。
そしてDREAM×SRC対抗戦は4勝4敗のまま、青木真也VS廣田瑞人のライト級王者対決へ。この大将戦で青木は廣田のアームロックで廣田の右腕を完全に破壊。会場も凍りつく一本勝ちでDREAMの勝利を決めた。
▼メインイベント(第17試合) 魔裟斗引退試合 K-1ルール 3分5R延長1R
○魔裟斗(シルバーウルフ/K-1 WORLD MAX世界トーナメント2003&2008優勝)
判定3−0 ※50−48、50−47、50−48
●アンディ・サワー(オランダ/シュートボクシングオランダ/K-1 WORLD MAX世界トーナメント2005&2007優勝)
2009年大みそか、魔裟斗が最後のリングに上がる。対戦相手はK-1MAXで一度も勝つことが出来なかったサワー。宿敵サワーを下し、魔裟斗は現役最後の闘いを終えることが出来るか?
サワーは特別ルールで認められてたシュートボクシングの象徴ロングスパッツを履いてリングイン。魔裟斗は白のガウンに身を包み、真っ赤なキックパンツでこの一戦に挑む。
1R、右ロー、右ミドルを蹴っていく魔裟斗。サワーは下がりながらそれを捌いて、インローを蹴る。サワーをコーナーに詰めて魔裟斗は右ロー、そしてワンツー。
サワーはそこにインローを蹴り返す。再びサワーをコーナーにまで魔裟斗はワンツーを打つ。距離を取るサワーに右ストレートで飛び込み、ワンツーから左フック、左ボディを打つ魔裟斗。サワーは魔裟斗のパンチをブロックして魔裟斗の前足に確実にローを当てて行く。終盤、サワーは左フックから右ロー、さらにワンツーからロー。魔裟斗の左フックに左ハイキックを合わせる。このラウンドのジャッジは10−10、10−9×2で魔裟斗がポイントを取る。
2R、魔裟斗の左ミドルをキャッチしてローを蹴るサワー。魔裟斗はジャブ、ワンツーから右ストレート。サワーはそこに左ミドルを返し、ジャブ&右ローを繰り返す。魔裟斗はジャブから右アッパー、ジャブと右ロー。距離が近くなり、組みの攻防になるとサワーは魔裟斗をロープに詰めてバランスを崩す。
ワンツーから右ストレート、そして右フックを打つ魔裟斗。サワーはそれをブロックしてインロー。さらに魔裟斗の右ストレートに空振りさせて左フック! さらに右ストレート!
これが魔裟斗の顔面を捉えると、魔裟斗はサワーに組み付く。魔裟斗はジャブ、ワンツー、左のテンカオ。右フックから左アッパーを打つ。魔裟斗はサワーの体をプッシュして右ロー。サワーも右フックから左ボディを返す。サワーは魔裟斗のパンチをブロックして奥足ロー、右ローを当てる。このジャッジは3者とも10−10でイーブンとなる。
3R、ジャブ、ワンツーで前に出ていく魔裟斗。サワーはインローを蹴りながら、魔裟斗の左フックに左ミドルを蹴る。高くガードを上げてローを蹴っていくサワー。
魔裟斗はそれを受けてもジャブから右フック、パンチから右ローまでつなげる。サワーは固い両腕ブロックから左ミドル、右ロー、右ハイキックを蹴る。ここから魔裟斗は左のテンカオ、ジャブから右フック、左アッパー、右ミドル。サワーは右ロー、左フックから右ローとローを中心とした攻めを見せる。このラウンドもジャッジは3者とも10−10のイーブン。
4R、ジャブから右ローを蹴る魔裟斗。サワーはインロー。魔裟斗はサワーのロー二ワンツー、奥足ローに右フックを返す。
魔裟斗が右ストレートから飛び込むと、サワーはワンツーから右ロー、インローを蹴る。ジャブ、左フックから右ローを蹴る魔裟斗。サワーはコツコツと左右のローを蹴り続ける。
そのローに魔裟斗が右フック、そして左ボディ。サワーも左フックを合わせて飛びヒザ蹴り。魔裟斗はサワーの体を押して右ロー。
そしてサワーが右ローを蹴ろうとしたところに魔裟斗が右ストレート! これがタイミングよくサワーの顔面を捉え、サワーが尻餅! スリップ気味だったものの、魔裟斗がサワーからダウンを奪う!
再開後、ジャブからパンチで前に出て行く魔裟斗! しかしサワーもここから反撃! 左フック、左アッパーから右ロー! そしてサワーがジャブから右ロー! これで魔裟斗の動きが止まる!
そこにサワーは右ストレート、さらに左のヒザ蹴り! 魔裟斗がダウンを奪ったものの、サワーが盛り返すラウンドとなり、ジャッジは10−8×2、10−9で魔裟斗となる。
5R、左アッパーから右ハイキックを蹴る魔裟斗。サワーはローを起点にパンチで前に出て行くと、魔裟斗はサワーに組んで追撃を阻止する。
サワーは左フックからインロー、右フックから右ロー、手数を増やして前に出る。魔裟斗はジャブを突いてから首相撲。サワーはそれを突き放して左フックから左のヒザ蹴り。首相撲の展開が長く続くが、魔裟斗が右アッパー! サワーも左アッパーを突き上げる!
左アッパーから右ストレートで飛び込むサワー。魔裟斗も右アッパー、ジャブから右ロー! サワーも左フックを当てて、右ローを返す。最後は魔裟斗がサワーの右ローを受けて、サワーに組み付いたところで試合終了となった。
試合は4Rにダウンを奪った魔裟斗がサワーを振り切り、判定3−0で勝利! 魔裟斗が宿敵サワーから勝利を奪い、ラストファイトを締め括った。
試合後、マイクを握った魔裟斗は「今日はありがとうございました。今までずっと僕を支えてくれたトレーナーに感謝しています。ありがとうございました。
K-1スタッフのみなさん、ありがとうございました。そして応援してくれたファンのみなさん、ありがとうございました。
今日で僕はファイターとして引退しますが、まだ30歳で、僕の人生は50年残っています。明日から新しいことを見つけるために挑戦していきたいと思います。ありがとうございました」とファンに最後のメッセージを送る。
リング上では魔裟斗の妻である矢沢心、そして両親もリングに上がり、引退セレモニーが行われる。そして魔裟斗はファンの暖かい拍手に包まれて、リングを降りた。
▼セミファイナル(第16試合) DREAM×SRC対抗戦 Round.9 ライト級 5分3R
○青木真也(パラエストラ東京/DREAMライト級王者)
一本 1R2分17秒 ※アームロック
●廣田瑞人(フリー/SRCライト級王者)
ここまで8試合が行われ、4勝4敗とイーブンの結果になったDREAM×SRC対抗戦。現役王者同士の対戦である青木VS廣田の大将戦で、対抗戦の雌雄が決することとなった。
対戦カード発表会見では横田一則に「黙れよ!」と声を荒げ、対戦相手の廣田には「刺しに行けば刺しに行く」と物騒な言葉を並べていた青木。この言葉通り、試合は衝撃的な結末を迎えることになる。
1R、サウスポーの青木は右手を軽く出して距離を取りつつ、片足タックルに入る。廣田はコーナーを背にして、それを切ろうとするが、青木は廣田の両足を束ねるようにしてテイクダウンを奪う。
ここで青木は自分の右手で廣田の右手を背中越しにキャッチ! そのままアームロックの形で廣田の右腕を極めつつ、がら空きになった廣田の顔面にパンチを落とす。
青木は一気に廣田の右腕を絞り上げていくが、廣田はタップしない。すると青木は廣田の体をまたぐようにして、さらにえげつない角度で廣田の右腕を絞り上げる!
ここで廣田の右腕はありえない方向に折れ曲がり、レフェリーが試合をストップ!
興奮した青木は廣田に中指を立て、右腕を差し出すパフォーマンス。場内が凍りつく戦慄の一本勝ちで、DREAM×SRCの王者対決・対抗戦の勝ち越しを決めた。
試合後、青木は「(廣田の右腕は)バリバリ鳴っていたけど(廣田は)タップしなかった。それが彼の意地だったんじゃないですか。だから躊躇なく折りに行きました。
前にも折ったことがあるんですけど、その時はアクシデントでした。でも今回は折りに行きました」とキラーコメントを連発。
なお青木VS川尻のDREAMライト級タイトルマッチは来年3月に予定されているDREAMの大会にて行われることが濃厚だと発表された。
▼第15試合 DREAMヘビー級ワンマッチ 5分3R
○ゲガール・ムサシ(オランダ/team Mousasi/Red Devil International)
TKO 1R1分34秒 ※レフェリーストップ
●ゲーリー・グッドリッジ(トリニダード・トバゴ/フリー)
初代DREAMミドル級王者でもあるムサシが昨年に引き続き大みそかに参戦。グッドリッジとDREAMルールで対戦した。
1R、ジャブからインローにつなげるムサシ。ここからムサシは両足タックルでグッドリッジをテイクダウンし、一気にパウンドで攻め込む。
グッドリッジの両足を担ぐようにしてパスガードしたムサシはグッドリッジの体を起こしてパンチを連打! グッドリッジがガード一辺倒になったところで、レフェリーが試合を止めた。
▼第14試合 DREAM×SRC対抗戦 Round.8 ヘビー級 5分3R
○アリスター・オーフレイム(オランダ/ゴールデン・グローリー/初代ストライクフォース世界ヘビー級王者/DREAM)
KO 1R1分15秒 ※左ヒザ蹴り
●藤田和之(藤田事務所/SRC)
DREAM×SRCで実現した日本VSオランダのモンスター対決。“野獣”藤田は規格外のパワーでDREAM・K-1で暴れまわるアリスターを攻略することが出来るか?
1R、アリスターの周りをぐるぐると回る藤田。組み付くタイミングを計るが、アリスターはジャブ、インローを蹴る。そして藤田をコーナーに追い詰めたアリスターは首相撲からヒザ蹴り! 藤田はアリスターの体を突き放して、何とかここから脱出する。
しかしアリスターは藤田をロープ伝いに追いかけ、歩くように左のヒザ蹴り! これが藤田の即頭部をモロに捉え、藤田の体がロープの外まで吹っ飛ぶようにして、藤田がダウン! レフェリーはすぐに試合をストップし、アリスターが戦慄のKO勝利を収めた。
試合後、藤田はエプロンサイドから立ち上がることが出来ず。担架でリングを後にすることとなった。
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