▲チャリティのため約1年半ぶりにグローブを着けてリングに上がる魔裟斗(左)と、岩手県在住の格闘家とエキシビションマッチで戦いたいというKID
4月25日(月)東京・三軒茶屋のシルバーウルフジムにて記者会見が行われ、魔裟斗と山本“KID”徳郁が発起人となり、5月7日(土)東京・六本木ヒルズアリーナにて『東日本大震災復興支援チャリティ・ファイトイベント〜立ち上がろう ニッポン〜』を開催することが発表された。
2004年12月31日の『Dynamite!!』で激闘を繰り広げた両雄が、東日本大震災の被災者のためにタッグを組んで立ち上がった。会見には魔裟斗とKIDが参加。
最初に魔裟斗がイベント概要を説明した。今回行われるチャリティマッチでは、イベントの趣旨に賛同した格闘家(元プロ格闘家も含む)たちによるエキシビションマッチ(スパーリング)が行われる。ルールは2分3R、16オンスのグローブとヘッドギア&スネあてを着用。魔裟斗は「けっこうガチのスパーをやろうと思っている」と言い、本気モードでのエキシビションマッチとなるようだ。
入場・観戦は無料。スパーリング後には募金収集握手会が行われ、集まった義援金は全額、日本赤十字社を通して東日本大震災の復興支援金として寄付される。また、エキシビションマッチで使用したグローブなどを義援金募集のためにチャリティオークションにも出品する予定だという。
KIDは今回参加する趣旨を次のように説明した。
「共通の知人を通じて魔裟斗君がチャリティイベントをやると聞いて、その時に自分も同じことを考えていました。同じ時期に共感できてよかった。2人が手を組めば多くの人を助けられると信じています。自分のジムに練習に来ていた岩手の子も被災して困っていると聞いて、助けたいなと。
ここまでに自分がなれたのはいろんな人が応援してくれたおかげ。東北の人も絶対に見てくれていたからここまで来られたと思う。ぜひ自分が持っている力で恩返しがしたい」
続いて魔裟斗は、「僕も同じです。僕が今あるのは格闘技があったおかげ。格闘技に助けられた。だから格闘技に恩返しする意味で、格闘技で1人でも助けられたらいいなと思って、やろうと思いました。もう2度とリングに上がることはないと思っていましたが、恩返しでやろうと思いました」と、イベントを企画した趣旨を説明した。
それぞれのエキシビションマッチでの対戦相手については、次のように語る。
「正式には決まっていませんが、岩手の選手とやろうかな、と思っています。自分のジムに練習に来てくれたことがあるので。被災地にいる格闘家が、試合をやれるくらい元気だぞ、というのを見せてあげたい」(KID)
「僕もまだ決まっていませんが、この中(賛同者リスト)でやりたいと思っているのは、S-cup(シュートボクシング世界トーナメント)王者の緒形健一さん。ずっとやってみたいと思っていました」(魔裟斗)
KIDが候補に挙げたのは今回のイベント賛同者に名を連ねている平野仁で、岩手県上閉伊郡大槌町にある平野道場の代表。岩手県釜石市在住で今回被災に遭ってしまった。KIDのジムKRAZY BEEと交流を持ち、すでにKIDから被災者代表として対戦の要請を受けているという。
魔裟斗が名前を挙げた緒形は、シュートボクシング(以下SB)のシーザージム所属。初代SB日本スーパーウェルター級王者であり、アンディ・サワーからダウンを奪って日本人初勝利を奪い、SBワールドトーナメント『S-cup2006』を制覇した。昨年11月23日に引退式を行い、現在は後進の指導にあたっている。
また、魔裟斗とKIDの再戦はないのかとの質問に、魔裟斗は苦笑しながら「向こうは現役じゃないですか。僕はもう引退しているので」と答えた。
2009年12月31日のアンディ・サワー戦で引退した魔裟斗だが、現在も週6日(ジムワーク4日、ウェイトトレーニング2日)のトレーニングを続けているという。先週からエキシビションマッチに備えてボクシングジムへスパーリングに行き、「どれくらいパンチが見えるか不安だったけれど避けられました。3R動くことが出来たのでイケるかなと思いました」と、手応えを感じたようだ。
このイベントで何を伝えたいかとの質問には、2人は次のように答えている。
「単純に被災地の人たちを助けたいという気持ちです。こういうことをやっているのを知って、心強いと思ってくれればいいな、と思います。元気もあげたいですね」(KID)
「今すぐ出来ることをやって欲しい。それを自分たちがまずやるのが一番だと思いました。一番早く出来るのはこれしかないと思ったんです」(魔裟斗)
魔裟斗は配布されたプレスリリースにて「5月7日は気持ちの伝わるものをお見せしますので、ぜひ会場に見に来て下さい」とメッセージを送っている。
「東日本大震災復興支援チャリティ・ファイトイベント
〜立ち上がろう ニッポン〜」
2011年5月7日(土)東京・六本木ヒルズアリーナ
開始14:00(予定) 終了17:00(予定)
<内容>
・元K-1 WORLD MAX世界王者・魔裟斗、総合格闘家・山本“KID”徳郁らによるエキシビションマッチ
・魔裟斗、山本“KID”徳郁ほか参加格闘家による募金収集握手会
<賛同者>
魔裟斗(元K-1 WORLD MAX世界王者)
山本“KID”徳郁(HERO’S初代ミドル級世界王者)
緒形健一(シュートボクシングS-cup2006世界王者)
小比類巻太信(K-1 WORLD MAX2009日本代表決定トーナメント優勝)
HAYATO(K-1 WORLD MAX2008日本代表決定トーナメント準優勝)
新田明臣(K-1 WORLD MAX2005日本代表決定トーナメント準優勝)
安廣一哉(K-1 WORLD MAX2005日本代表決定トーナメント3位)
武田幸三(K-1 WORLD MAX2003日本代表決定トーナメント準優勝)
平野 仁(岩手県釜石市 平野道場)
<備考>
参加・観戦無料 ※イベント会場にて募金収集活動あり |