12月21日(木)東京・興義館にて、曙(チームヨコヅナ)が公開練習を行った。曙は12月31日(日)大阪・京セラドームにて開催されるTBS/MBS/FEG主催『K-1
PREMIUM 2006 Dynamite!!』でジャイアントシルバ(フリー)と対戦する。
4年連続の大晦日参戦となり、もう負けられない曙が向かった先は、あの初代タイガーマスクこと佐山サトルが総監を務める『掣圏真陰流 本部道場 興義館』だった。
今年5月のHERO'Sドン・フライ戦の前に、一度、佐山から打撃の指導を受け、「自分の打撃が全然変わった」という曙は、12月に入り自ら佐山の道場に出向き、佐山と二人三脚で猛特訓を続けている。
練習の成果について多くを語らなかった曙だが、公開練習で行われたミット打ちでは、シルバ対策としてイスの上に立った佐山の持つミットに右ストレートを打ち込み、ミットを持っていた佐山が腕の痛みを訴えるほどの破壊力あるパンチを披露。
続く瓜田とのマススパーリングでは、これまでの動きが嘘のように、足を使って細かい連打を打ち込み、カウンターの右ストレートで瓜田からダウンを奪った。
曙には「打撃がどういうものか? 力で打つパンチではなく、リズムやタイミングで打つパンチを指導しています」という佐山。今日の練習だけでも充分に進化の跡を見せた曙だったが、佐山は「今日の動きはここ最近で一番悪かった。普段の練習ではもっとキレがあるパンチを打ちます」と話した。さらに佐山は曙が持つ格闘家としての潜在能力を高く評価する。
「打撃におけるリズムやタイミングを教えているんですが、普通の人は反応できないんです。ただ横綱はそれがすぐに出来た。やはり相撲の世界でトップに立った人間だなと感じました。
私もたくさんの格闘家を見てきましたけど、素材だけなら横綱が一番。もしボクシングをやっていた、間違いなく世界王者になっていたと思います。パンチのスピードはヘビー級クラス」(佐山)
スパーリング中に「インサイドからパンチを打て」とアドバイスを送っていた佐山。
「どうしても力が入るとアウトサイドからパンチを打とうとしてしまう。横綱の力が抜けているインサイドからの右ストレートはものすごい」と、曙の右ストレートは大きな武器になっていると語った。
また佐山は曙の指導にあたって、力を使わずに打つことも意識させている。「力だけでパンチを打って相手がダウンするものだから、今まではそればかりを狙うようになっていた」と、曙自身もその欠点には自覚があったからだ。佐山の指導を受けるようになり、曙はパンチ力の向上以外に、自らの戦い方にも変化を感じつつあるという。それはスタミナの使い方だ。
これまでの曙は序盤からフルパワーでパンチを振るい、すぐにスタミナ切れを起こして、後半失速するという場面が何度も見られた。
しかし「力を抜いてパンチを打つことを覚えてからは、全然ばてなくなった」という曙。今では普段の練習で5分10Rのスパーリングも軽くこなすほどにまでなった。
対戦相手のジャイアントシルバは230cmの超ビッグサイズのファイターだ。過去に曙が対戦したチェ・ホンマンよりもさらに12cmも身長が高い。
スパーリングパートナーを考えても、対策が立てにくい状況ではあるが、「大型選手対策はしっかりやっています。今練習でやっているパンチはすべてシルバ対策」と佐山。
曙も「練習相手が小さいから試すことは出来ないけど、やることをキチっとやって、試合で動きを調整する」と、問題視はしていない。
むしろ佐山が勝負の鍵を握ると語ったのは、今、曙が意識して練習しているリズムとタイミングで打つ打撃。「私自身はセコンドにつきませんが、セコンドに着く弟子の桜井裕司には“リズムとタイミング”についてアドバイスを送るようにいってあります。横綱がリズムを取りながら圧力をかけていけば、(勝つ)自信はある」(佐山)
また精神面についても独自の理論を持つ佐山は「横綱は本来やさしい性格の持ち主。そのことについて私が相談を受けたことがあります。そこで禅や精神術を利用して、横綱が自然とアグレッシブになっていくように持っていっているところです」と、曙のメンタル強化に取り組んでいることを明かした。
「大晦日の試合は10分間殴り合う」と殴り合いを宣言した曙。昨日の亀田興毅の世界戦をテレビで観戦し、刺激を受け、「亀田選手も周りからガタガタ言われただろうけど、土俵でもリングでも、そこで結果を出せば、誰も何も言えなくなる。自分も力士だったら頃の気持ちを思い出して、やりますよ」と、意気込みを語った。
また今年10月には最愛の母ジャニスさんが逝去。曙は「今は試合のことで頭がいっぱい。ただお母さんのことを思わないというのは嘘になると思うし、もうそれは考えなくても胸の中にしまってあること。
お父さんもお母さんも諦めるような子供を生んだつもりはないと思うから、勝ち負けは別にして絶対に諦めない試合をしたい。今やっている練習を信じてそれを試合で出せれば、100%お母さんに勝利を報告できると思う」と、今の心境を明かした。
佐山との指導で持っていた潜在能力を開花させつつある曙が、進化した拳でブラジルの大巨人をなぎ倒し、天国の母に勝利を捧げる。
●曙のDynamite!!全戦績
05.12.31 ×ボビー・オロゴン(判定0−3)
04.12.31 ×ホイス・グレイシー(1R1分23秒、リストロック)
03.12.31 ×ボブ・サップ(1R2分58秒、KO)
TBS/MBS/FEG
「K-1 PREMIUM 2006 Dynamite!!」
2006年12月31日(日)大阪・京セラドーム大阪(旧・阪ドーム)
開場13:00 開始15:00
<決定対戦カード>
▼HERO’Sルール 1R・10分、2R・5分、延長1R・5分
秋山成勲(フリー/初代ライトヘビー級王者)
VS
桜庭和志(フリー)
▼K-1ルール 3分5R
魔裟斗(シルバーウルフ)
VS
チェ・ヨンス(韓国/KAHN GYM/元プロボクシングWBA世界Sフェザー級王者)
▼HERO'Sルール 5分3R
所 英男(リバーサル)
VS
ホイラー・グレイシー(ブラジル/グレイシー・ウマイタ)
▼HERO'Sルール 5分3R
山本“KID”徳郁(KILLER BEE/初代ミドル級王者)
VS
イストバン・マヨロシュ(ハンガリー/レスリングアテネ五輪55kg優勝)
▼K-1ルール 3分5R
武蔵(正道会館)
VS
ランディ・キム(韓国/フリー/02年アジア大会砲丸投げ優勝)
▼HERO'Sルール 5分3R
金子 賢(日本/フリー)
VS
アンディ・オロゴン(ナイジェリア/チーム オロゴン)
▼HERO'Sルール 5分3R
永田克彦(新日本プロレス)
VS
勝村周一朗(勝村道場)
▼HERO'Sルール 5分3R
曙(チームヨコヅナ)
VS
ジャイアント・シルバ(ブラジル/フリー)
▼HERO’Sルール 5分3R
須藤元気(日本/ビバリーヒルズ柔術クラブ/UFC-JAPAN王者)
VS
ジャクソン・ページ(アメリカ/ジャクソンズ/WEF世界ウェルター級王者)
▼HERO’Sルール 5分3R
チェ・ホンマン(韓国/フリー)
VS
ボビー・オロゴン(ナイジェリア/チームオロゴン)
<出場予定選手>
宇野薫(和術慧舟會東京本部)
<チケット料金>
SRS席32,000円 RS席22,000円 SS席18,000円
桜庭和志応援シート18,000円(SS席・特典付き)
秋山成勲応援シート18,000円(SS席・特典付き)
S席12,000円 A席6,000円
<チケット販売所>
K-1オフィシャルサイト=http://www.k-1.co.jp
FEGオフィシャルサイト=http://www.feg-jp.com
HERO'Sオフィシャルサイト=http://www.hero-s.com
i-mode K-1オフィシャルサイト
i-mode HERO'Sオフィシャルサイト
Yahoo!ケータイK-1オフィシャルサイト
Yahoo!ケータイHERO'Sオフィシャルサイト
EZ web K-1オフィシャルサイト
EZ web HERO'Sオフィシャルサイト
チケットぴあ=0570-02-9999(Pコード:594-720)
ローソンチケット=0570-084-686(Lコード:54321)
CNプレイガイド=0570-08-9999
e+(イープラス)=http://eee.eplus.co.jp
※0570から始まる番号は一部の携帯電話、PHS、CATVからの電話接続は不可
<放送スケジュール>
12月31日(日)、TBS系列28局ネット(放送時間調整中)
<お問い合わせ>
・大会に関するお問い合わせ
皆EG=03-3796-5060
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