5月23日(金)都内にあるワールドビクトリーロード(以下、WVR)事務所にて、6月8日(日)さいたまスーパーアリーナで開催されるWVR主催『戦極〜第三陣〜』の記者会見が行われ、追加対戦カードが発表された。
新たに発表されたのはライトヘビー級(93Kg以下)の対戦カード、高橋和生(日本/フリー)VSファビオ・シウバ(ブラジル/シュート・ボクセ・アカデミー)。
高橋は高校入学と同時にレスリングを始め、インターハイ優勝、日本大学ではレスリング部主将を務め、国際大会入賞などの実績を残す。大学卒業後、プロフェッショナルレスリング藤原組に入団、プロレスラーとしてデビューし、パンクラスに移籍。1997年2月にはUFCに参戦し、ヴァリッジ・イズマイウを破る快挙を成し遂げた。
2001年にはパンクラスの初代ヘビー級王座決定トーナメントを制して初代チャンピオンの座に就いたが、2007年にパンクラスを退団してフリーに。リングネームを高橋義生から本名の高橋和生に戻し、2007年7月14日アメリカで開催された総合格闘技大会『Bodog
Fight』に出場、1RでKO負けを喫している。戦績は28勝22敗3分。身長180cm、体重93Kg、1969年3月11日生まれの39歳。
対するシウバは身長180cm、体重84Kg、1982年3月31日生まれの26歳。2004年4月にブラジルでプロデビュー。2007年5月、パンクラスに初来日を果たし、デビュー以来無敗の快進撃を続けていた川村亮をKOして初黒星をつける。2007年9月『HERO’S』に初参戦してメルヴィン・マヌーフに敗れ、連勝を「8」でストップされて戦績は9勝4敗。ヴァンダレイ・シウバを尊敬しており、“戦慄の膝小僧二世”の異名を持っている。
シウバは『戦極』初参戦に「久しぶりに日本で試合が出来るので、とても興奮しています。私はシュートボクセの選手として、とにかくアグレッシブに行く事を大事にしています。誰が相手であろうと、闘い方は変わりません。私のマスターに闘えと言われれば、誰が相手であろうと闘います。高橋選手の事は、詳しくは知らないのですが、思いっきり打ち合う選手だと聞いたので、楽しみにしています。日本のファンの皆さんには、よい試合をお見せしたいと思いますので、ぜひ応援よろしくお願いします」と主催者を通じてコメントを寄せている。
会見に出席した高橋は「まず日本での試合は久々ですし、『戦極』の旗揚げ戦を間近で見て魅力がある団体だったので、参戦できることを光栄に思っています。高橋和生という名前で日本で試合が出来ることが嬉しい。僕にしか出来ない闘い方があるので“明るく、楽しく、激しい総合格闘技”を目指していい試合をやりたいです」と挨拶。
戦極のリングを選んだ理由は「旗揚げ戦を見て、僕も上がりたいと思いました。旗揚げ戦に出られなかったのが残念なくらい」と、戦極に大きな魅力を感じたためで、「僕にしか出来ない闘い方がある。ベルトに興味を持っているわけじゃないので、明るく、楽しく、激しい総合格闘技をやっていきたい。最近、総合は競技化が進みすぎて、プロの興行なのかアマチュアの大会なのか…。僕はそれとは違う所で明るく、楽しく、激しい総合を見せられたらいいと思います」と、自分の役割を果たして違う色を持ち込むと語る。
シウバの印象は「あまりよく知らないです。これから映像を見たりしたい」とのことだが、「ストライカーのイメージがある。川村がやられているのでその敵討ちも含めて、絶対に下がらず僕の方が前へ出てキッチリ勝ちたい。打撃戦になるでしょうね」と、お互いに前へ出て打ち合う闘いを臨む。
今回はライトヘビー級で闘うが、「僕はヘビー級でもいいし、80Kgに落とせと言われても大丈夫」と幅広い階級で試合をするとし、闘いたい相手は「今はまだ考えてない。リングに上がって闘えるだけで今は幸せです」と具体名は挙げなかったが、「近藤に勝ったホジャー・グレイシーには魅力を感じる。まずはファビオ戦で結果を出したい」と、今回勝てばホジャーの相手に名乗りを挙げたいとの希望をちらつかせた。
また、レスリング時代からの後輩である藤田和之、パンクラスの後輩である川村や近藤や北岡、さらに三崎和雄など縁のある選手が多いことから「身近な選手が多くて心強い。不安はないですね。ライバルというよりも彼らとは仲間という意識が強いです」と言うが、「唯一、ジョシュはパンクラスのベルトを持っているので、それがちょっと引っ掛かってる」と、かつてタイトルに挑戦して敗れたことのあるジョシュの名前も挙げた。
会見後の囲み取材では「総合格闘家として和生の名前で試合をするのは日本では初めてなので、凄く嬉しいし、楽しみ。パンクラスを退社してbodogに出てるけど、今回が再デビュー戦という形で上がります」と心機一転、リングに上がるという。
「総合は難しい世界に入ってきた。僕は難しいのは分からない(笑)。戦極のリングが、一番そういうのを出しやすい感じがした。僕の試合に判定はない。もし、判定までもつれ込みそうになったら、相手に腕一本あげますよ。あげて一本取られた方がマシ。僕が大差で勝ってる内容ならあげませんけど(笑)。五分五分くらいでどっちが判定で勝つか分からないみたいな試合だったら、ノーガードになって先に当たった方が勝ちみたいな試合をする。僕にしか、僕にはそれしか出来ない」と、勝ち負けよりも試合の面白さを優先させたいという独特な美学も。
「パンクラスの時から、ベルトに興味があったわけじゃないし、勝った負けたの結果で判断されたことはない。負けても評価されたり、温かい目で見てもらえましたから。アマチュアのランク付けみたいな総合格闘技には出ません」
現在、練習は「寝技はTK(高阪剛)と、立ち技は吉野弘幸さんのジムでボクシングをやっています」という。吉野は元プロボクシング日本スーパーウェルター級&ウェルター級二階級制覇、OPBF東洋太平洋ウェルター級チャンピオンで、必殺の左フックを武器に1987〜1991年には当時日本歴代2位タイ記録の12連続KO勝利を収めた名ボクサー。現在は地元・葛飾区にエイチズスタイルボクシングジムの会長。
その吉野会長にボクシングを習い、自分の打撃が「変わった」と高橋は声を弾ませる。「凄く変わりました。会長は毎日、僕とスパーリングをしてくれて、精神的にも支えになってくれています。スタイルがどう変わったかは今は言えません。3年ぐらい前から教わっていて、ジムがオープンした時に通いたくて近所に引っ越したほど」だという。
吉野直伝のフックでシュートボクセからの刺客をKOするか? 高橋は「根本的には殴り合いになるのは確実。作戦的にはTKと話をして考えていきます。最近、タフ度がもらい弱くなっているので、そこを強化しています。でも、こればかりは実際に殴られてみないと何とも言えませんからね」と、真正面からの潰し合いを改めて宣言した。
ワールドビクトリーロード
「戦極〜第三陣〜」
2008年6月8日(日)さいたまスーパーアリーナ
開場16:00 開始17:00
<追加対戦カード>
▼ライトヘビー級 5分3R
高橋和生(日本/フリー)
VS
ファビオ・シウバ(ブラジル/シュート・ボクセ・アカデミー)
<決定対戦カード>
▼ヘビー級 5分3R
吉田秀彦(吉田道場)
VS
モーリス・スミス(アメリカ/モーリス・スミス・キックボクシングセンター/元WKA世界キックボクシング王者&UFC世界ヘビー級王者)
▼ミドル級 5分3R
三崎和雄(GRABAKA)
VS
ローガン・クラーク(アメリカ/ミネソタ・マーシャルアーツ・アカデミー)
▼ヘビー級 5分3R
藤田和之(藤田事務所)
VS
トラビス・ビュー(アメリカ/エリート・パフォーマンス)
▼ヘビー級 5分3R
チェ・ム・ベ(韓国/チーム・タックル)
VS
マーシオ・“ペジパーノ”・クルーズ(ブラジル/グレイシー・フュージョン)
▼ウェルター級 5分3R
ニック・トンプソン(アメリカ/フリースタイルアカデミー)
VS
マイケル・コスタ(ブラジル/シュート・ボクセ・アカデミー)
<出場予定選手>
ドゥエイン・ラドウィック(アメリカ/ハイ・アルティチュード)
ホドリゴ・ダム(ブラジル/アライアンスBJJ)
<チケット料金>
VIP席(専用入場ゲート・特典付き)100,000円
RRS席30,000円
戦極シート(S席・特典付き)17,000円
S席17,000円 A席7,000円
<お問い合わせ>
ワールドビクトリーロード=TEL:03−3369−2211
ワールドビクトリーロード
「戦極〜第四陣〜」
2008年8月24日(日)さいたまスーパーアリーナ
開場開始未定
<出場予定選手>
五味隆典(久我山ラスカルジム)
ワールドビクトリーロード
「戦極〜第五陣〜」
2008年9月28日(日)東京・国立代々木競技場 第一体育館
開場開始未定
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