6月8日(日)さいたまスーパーアリーナで開催される『戦極〜第三陣〜』の主要対戦カードが、5月20日(火)都内ホテルで行われた記者会見で発表された。
旗揚げ戦のメインイベントでジョシュ・バーネットに3R3分23秒、ヒールホールドで敗れて勝利を逃した吉田秀彦(吉田道場)は、戦極初勝利を目指してモーリス・スミス(アメリカ/モーリス・スミス・キックボクシングセンター)と対戦する。
スミスは格闘技ファンにはレジェンド的存在として広く知られている。キックボクシングでデビューし、22歳の頃にWKCフルコンタクト空手ヘビー級王座、WKA世界ヘビー級王座を獲得。その後、WKA世界ムエタイヘビー級王座、ISKA世界ヘビー級王座なども獲得、実に8年間も無敗を誇り“キックボクシングの帝王”と呼ばれた。
K-1や全日本キックで活躍した後、1993年11月に総合格闘技へ転向。パンクラスでケン・シャムロックやバス・ルッテンらと闘う。1996年10月にマーカス・コナン・シウヴェイラをKOしてエクストリーム・ファイティング・チャンピオンシップ3でヘビー級チャンピオンを奪取、総合格闘技初のベルトを巻き、1997年7月から参戦したUFCでは無敗のヘビー級チャンピオンとして君臨していたマーク・コールマンに初黒星をつけ、UFC世界ヘビー級チャンピオンとなる。
2000年11月の『UFC28』以降、総合のリングからは遠ざかっていたが2007年5月にアメリカの総合格闘技イベント『IFL』で復活、藤田和之のコーチとして知られるマルコ・ファスとレジェンド対決を行い、TKOで勝利した。身長188cm、体重107Kgで、1961年12月13日生まれの46歳。総合での戦績は12勝12敗だ。
また、スミスは鈴木みのる、船木誠勝、前田日明らと試合をしたこともあり、プロレスファンにもよく知られている。
スミスは主催者を通じて「戦極ファンの皆さん、こんにちは。戦極に参戦できることを考えると光栄の極みです。しかし、対戦相手が吉田選手ということで二重の喜び。吉田選手は強い精神を持っていると思います。いまロシアで練習をしています。日本のファンに勇姿を見てもらいたく、練習に励んでいます。6月8日は歴史に残る試合をしたいと思います。ロシアより愛を込めて」と、メッセージを送ってきた。
ロシアでの練習内容や詳細は戦極サイドでも把握できず、「吉田戦が決まる前からロシアで練習していたという話は聞いている」(國保広報)とのこと。
このレジェンド戦士を迎え撃つ吉田は「ここのところ勝ちがないので、ぜひ勝負に拘ってやりたい。キックボクシングのチャンピオンなので打撃に注意する。胸を借りるつもりで頑張りたい」と、2006年5月5日『PRIDE無差別級GP開幕戦』での西島洋介戦以来となる約2年ぶりの勝利を誓った。
長年の格闘キャリアを誇るスミスだが、吉田は試合を「全然見たことがない」と言い、「おやじ対決になると思いますけど、気持ちでは負けないように頑張りたいと思います。自分より上の歳なんで負けられない」と、39歳VS46歳の“熟年対決”に意気込む。
しかし、侮ってはいない。「どこまでやるのかが未知数だし、経歴を見たらキックボクシングでも総合でもそれなりに成績を残している。どういう相手か全然分からないので、これから研究します」とした。
スミスは吉田とも練習している高阪剛と親しく、吉田が高阪にスミス戦が決まったことを告げると「あのおやじはなかなかやるよ」と言われたという。スミスをよく知る高阪を参謀につけてみてはどうかという質問には、「あいつはそういう部分がちゃんとしているので、教えてくれるわけじゃない。練習に行っても、そういう話にはならないでしょう」と笑った。
道衣を着るか着ないかとの質問には、いつもは直前まで考えると答えるのが常の吉田だが、今回は「着ますね」と即答。柔道VSキックボクシングの異種格闘技戦的な雰囲気が漂う試合となりそうだ。
ジョシュとの試合で怪我を負ったことが伝えられていたが、「大した怪我じゃなくて4月に入ってすぐに練習を再開していました。仲間の試合があったので、ずっと練習はしていましたよ」と身体的な問題はないと語る。『第二陣』のメインでも勝利したジョシュについては「やっぱり強いなって思いました。近い内の再戦はないですが、ヘビー級のトーナメントがあればやりたいというのはある」と、リベンジも視野に入れているようだ。
『第二陣』で戦極初参戦を果たしたホジャー・グレイシーとの対戦も期待されており、「面白いですね。タイプ的にはノゲイラタイプ。ホジャーとやるなら道衣は着ないですよ。やってみたい気持ちはある。機会が与えられればやりたい。自分があとどれくらい出来るか分からないから、乗っている内にやりたいと思います。僕も来年40歳なので、なるべく早くやりたいですね」と、早期実現へ向けて前向きなコメント。
「今日もボクシングの練習をやってきた」という吉田は、現在、近藤有己のボクシングトレーナーとして知られている田代トレーナーからボクシングを学んでいるという。「ミットで息をあげてくれる練習をしてくれて、練習がいい環境になってきました」と手応えを感じているようだ。
「パンチはミットを叩くと音がデカイから効くと思うが、試合では当たらない(笑)。スパーリングをやっててもミット打ちみたいに上手くいかないんだよな」と苦笑い、「打撃で行ったらやられる可能性が高い。しばらく勝ちに見放されているので、自分の型に持って行きたい」と今回は打撃戦は回避する模様。
スミスにはパンチ以外にもハイキックを始めとする強力な蹴り技がある。かつてミルコ・クロコップのローキックで痛い目にあっている吉田は「練習だとカット出来るんですが…我慢します」と“根性”で耐えると宣言。「とにかく勝ちたい」と勝ちに飢えている。
また、第二陣でジョシュが披露した“戦極ポーズ”を、ジョシュが今回誰かにやってもらいたいと言っていることを伝え聞くと、「藤田君にやってもらいます(笑)。自分はそういうキャラじゃないでしょう」と拒否したが、会見後の写真撮影ではエド・はるみの「ぐぅ〜!」を連発して笑いをとった。
ワールドビクトリーロード
「戦極〜第三陣〜」
2008年6月8日(日)さいたまスーパーアリーナ
開場16:00 開始17:00
<決定対戦カード>
▼ヘビー級 5分3R
吉田秀彦(吉田道場)
VS
モーリス・スミス(アメリカ/モーリス・スミス・キックボクシングセンター/元WKA世界キックボクシング王者&UFC世界ヘビー級王者)
▼ミドル級 5分3R
三崎和雄(GRABAKA)
VS
ローガン・クラーク(アメリカ/ミネソタ・マーシャルアーツ・アカデミー)
▼ヘビー級 5分3R
藤田和之(藤田事務所)
VS
トラビス・ビュー(アメリカ/エリート・パフォーマンス)
▼ヘビー級 5分3R
チェ・ム・ベ(韓国/チーム・タックル)
VS
マーシオ・“ペジパーノ”・クルーズ(ブラジル/グレイシー・フュージョン)
ニック・トンプソン(アメリカ/フリースタイルアカデミー)
VS
マイケル・コスタ(ブラジル/シュート・ボクセ・アカデミー)
<出場予定選手>
ドゥエイン・ラドウィック(アメリカ/ハイ・アルティチュード)
ファビオ・シウバ(ブラジル/シュート・ボクセ・アカデミー)
ホドリゴ・ダム(ブラジル/アライアンスBJJ)
<チケット料金>
VIP席(専用入場ゲート・特典付き)100,000円
RRS席30,000円
戦極シート(S席・特典付き)17,000円
S席17,000円 A席7,000円
<お問い合わせ>
ワールドビクトリーロード=TEL:03−3369−2211
ワールドビクトリーロード
「戦極〜第四陣〜」
2008年8月24日(日)さいたまスーパーアリーナ
開場開始未定
<出場予定選手>
五味隆典(久我山ラスカルジム)
ワールドビクトリーロード
「戦極〜第五陣〜」
2008年9月28日(日)東京・国立代々木競技場 第一体育館
開場開始未定
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