4月3日(日)都内ホテルにて、前日2日(土)横浜アリーナにて開催された『K-1 WORLD GP 2010 IN YOKOHAMA』の一夜明け会見が行われた。会見にはピーター・アーツを見事KOしてK-1ヘビー級タイトルの初防衛に成功した京太郎(チームドラゴン)と、谷川貞治K-1イベントプロデューサー(以下EP)が出席。
3・22『DREAM.13』を皮切りに、3・27『K-1 WORLD MAX 2010 〜-70kg Japan Tournament〜』、そして今回の『K-1 WORLD GP 2010 IN YOKOHAMA』と3週間という短いスパンでのFEG主催興行三連戦を終えた谷川EPは、「共通して言えるのは若い、新しい力が芽生えてきたということ。今後10年を見据えた選手を試合、マネージメントを含めて、ヘビー級はヘビー級、ミドル級はミドル級、MMA(ミックスド・マーシャル・アーツ=総合格闘技)はMMAでいいステージを育てていかないといけない」と総括した。
日曜日のため気になるテレビ中継の視聴率はまだ出ていないが、谷川EPは「いい大会だった」と以下のように評する。
「一番いい試合だったのは京太郎選手のタイトルマッチ。武蔵選手の感動的なセレモニーがあり、その次に京太郎選手がいい形でバトンタッチしてくれました。京太郎選手の印象は、大事なところで結果を残す力と運を持っている。K-1トライアウトでトーナメントをやった時に優勝し、初めてヘビー級の世界の強豪であるマイティ・モーと闘った時も、ジャパン・トーナメントでは武蔵選手に勝ち、ヘビー級王座決定トーナメントではメルヴィン・マヌーフとグーカン・サキという世界の強豪に勝ってチャンピオンになった。
今回のアーツ戦もそうですが、必ず大事なところで勝利を収めて結果を残している。これからK-1を引っ張っていくにはいろんなものが必要で、努力、実力、体力とか強運も必要。そういう星の下に生まれていなければいけないが、京太郎選手にはそれがあるとつくづく思います。強くなろうという姿勢があるので、凄く頑張って欲しい。佐竹(雅昭)選手の時代から数多くの日本人がピーター・アーツに立ち向かっていきましたが、KO勝ちするのは凄いことだと思います。ピーターの年齢や初めての減量を加味しても凄いですね。世界に通用するような力を持っています。強運の持ち主なので、ヘビー級GPは日本人のチャンピオンが出ていないから目指して欲しい。
100kg以下ではタイロン・スポーン、ルスラン・カラエフ、グーカン・サキ、メルヴィン・マヌーフ……選手がたくさんいます。その中でセーム・シュルトのような誰も勝てないチャンピオンになってこそ、チャンピオンの価値を高められると思うのでそういう選手になって欲しいと思います。
スポーンとポトラックは負けてもいい選手だと思いました。イグナショフはKO負けはしなかったが、全盛期の力には程遠い。K-1は進化しているので、今のスタイルであるバダ・ハリやスポーンやサキのようなスタイルに対応が出来ていない。イグナショフはもう少し様子を見る意味でルーマニアかドイツのトーナメントに出て、優勝しなければ次はないと思っています。
ルーアニアの予選にはセルゲイ・ラシェンコ、ザビット・サメドフ、韓国でサキに勝ったパベル・ズラフリオフ、それとリトアニアで予選をやっているのでそのチャンピオンなどが出る予定です。スーパーファイトではレイ・セフォーVSカタリン・モロサヌ、カート・ウィリアムスVS誰かとなっています。西ヨーロッパGPにはサキ、ステファン・レコが出てきます。シュルトもスーパーファイトで試合をする予定。しばらく海外に出てK-1のシリーズを行っていきます。その中で出来るだけ、京太郎君、バダ・ハリ、スポーンのような若い新しい血をどんどん投入していきたいですね」
また、スポーンが1Rで拳を骨折し、セコンドのアーネスト・ホーストが試合を止めようとしたが、本人は「まだやれる」と試合を続行していたという裏話も。「その後、ビデオを見たら左しか打ってなかったので、あれで右があったらジェロム(・レ・バンナ)はヤバかった。そういった意味で気持ちのある選手にどんどんチャンスを作っていきたいと思っています」(谷川EP)
ピーター・アーツをKOしてヘビー級タイトルを防衛した京太郎については、「あんなに上手い日本人は見たことがない」と絶賛し、「日本人なのに不器用じゃない。佐竹雅昭や武蔵は不器用で努力したけれど、彼は器用。やれと言ったことがすぐに出来る。ミドル級には多いが、ヘビー級には珍しい」と、その素質を高く評価した。
●2010年K-1ワールドGPスケジュール
4月10日 リトアニア・ヴィリニュス「ヨーロッパ予選」
4月17日 アゼルバイジャン・バク「ヨーロッパ予選」
5月21日 ルーマニア「東ヨーロッパGP」※ヨーロッパ予選の各大会上位2名+推薦選手2名
6月5日 ドイツ・ドルトムント「西ヨーロッパGP」
6〜8月 オーストラリアでオセアニアGP、中国でアジアGP
※8月に世界最終予選をヨーロッパか日本で開催
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