「思い描いていた通りのボクシングができました」(西岡)
10月24日(日)東京・両国国技館で行われたWBC世界スーパー・バンタム級タイトルマッチで、王者・西岡利晃(帝拳)が1位レンドール・ムンロー(英)を大差3-0判定で退け、5度目の王座防衛に成功した。
連続KO防衛こそ4でストップしたが、最強の刺客といわれた挑戦者相手に内容の濃い圧勝は見事だった。
ムンローは予想通り初回から前に出てプレッシャーをかけてきた。しかし、西岡は試合を通じて右ジャブを多用し、ムンローに得意の接近戦を許さず、機をみて左ストレートをボディー、顔面へ、右フックをわき腹へと、絶妙の角度で打ち込み、着々とポイントをリードした。
7回には西岡の右フックがボディーにめり込むと、ムンロー一瞬動きが止まる。西岡ここぞと追撃の連打。結局ダウンには繋がらなかったが、その後も西岡がかわしては打つを繰り返し、キャリアの差をみせつけて挑戦者を翻弄し続けた。終盤に強いはずのムンローはこの日も最後まで手を出して前に出たが、決定打は打てず、西岡のパンチで切り裂かれた右ほほから出血し凄惨な形相に。
西岡は最終回、セコンドに叱咤されてKOを狙って出た。またしてもボディーに効果的なブローを決めた後、挑戦者をロープに釘付けにしたまま、左右にダース単位の連打を浴びせた。タフなムンローはこのピンチも耐え、ストップに持ち込めなかった。西岡は「KOしたかったのに……」と悔しがったが、同時に「ムンローはタフでプレッシャーがきつく、最後まで気を抜けなかった」と相手の実力を認めた。固い相手の頭部にパンチを打ち過ぎて、両拳を傷つけていた。
スコアは3人のジャッジが119−109と、終わってみれば西岡の圧勝だった。 |