7月17日(火)都内ホテルにて、TBS主催『OLYMPIA HERO'S 2007 ミドル級世界王者決定トーナメント開幕戦』の一夜明け記者会見が行われ、前田日明HERO'Sスーパーバイザー(以下SV)、FEG谷川貞治代表、ベスト4に勝ち上がった宇野薫(和術慧舟會東京本部)が出席した。
「開幕戦はレベルが高かったと思います。日本の総合格闘技界を守るという部分で、PRIDEさんが活動休止の中、プロモーターとしては言葉が難しいんですが、今回はPRIDEっぽいカードを組んだんです。でもそうなると取り残されてしまうのが日本人選手で、日本人が負けたのが非常に残念です」と開幕戦を振り返った谷川代表。前田SVも「70kgはちょっと強敵が揃ってきている」とトーナメントのハイレベル化を認める。
その中で唯一日本人として勝ち残ったのが宇野だ。宇野は会見の冒頭で「昨日は体が固くて動きには納得してません。でも勝って次のステージに進めました。今回の反省点を洗い直して、決勝大会に挑みたいと思います」と決勝大会への意気込みを語った。
宇野以外に勝ち残ったメンバーはビトー“シャオリン”ヒベイロ(ブラジル)、ブラックマンバ(インド)の二人。
そして前王者J.Z.カルバン(ブラジル)もしくはアンドレ・ジダ(ブラジル)のどちらかが加わった計4名で、今年のミドル級世界王者が決定する。ここで重要になってくるのはトーナメントの組み合わせだ。
「今のところ誰と闘いたいという希望はありません。まずは昨日の反省点を練習で直して、決まった対戦相手に対しての対策を練っていきたいと思います」と、特に対戦相手を指名しなかった宇野。谷川代表は「選手たちの希望を聞いて、テレビ局さんや前田さんと相談して決めようと思います。ただ僕としては所君が勝つと思っていたんで、組み合わせを決めるのが難しいです(苦笑)」と頭を悩ましている。
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▲会見後には前田SVが宇野にテクニックを授ける場面も。 |
その中で前田SVが「格闘技界の語り草になるような試合になる」と形容したのが、宇野VSシャオリンの一戦だ。ファンや関係者からも優勝候補に挙げられ、前田SVにも「要マーク選手」と称されるシャオリン。
記者からシャオリンについての印象を聞かれた宇野も「まだちゃんとは見ていないんですけど、得意の肩固めで勝っていてやっぱり寝技になると強い。穴がない選手で、やはり寝技に持ち込まれたくはないですよね」と警戒心を強める。修斗時代から対戦が望まれていた両者の対決はあるのか?
「永田選手に勝って次からは厳しい戦いになるなと感じました。今年は去年とは違うプレッシャーがあって、(永田戦では)その分固くなってしまいました。
ただしそれでも勝ったというのはいい経験になりました。次の試合ではこのプレッシャーをいかにエネルギーに換えられるかだと思います」と宇野。外国人勢の脅威から日本の砦を守り、今年こそ悲願の初優勝を手にすることができるか?
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