昨日12月6日(土)神奈川・横浜アリーナで開催された『K-1
WORLD GP2008 FINAL』の一夜明け会見が、優勝者レミー・ボンヤスキー(オランダ/チームボンヤスキー)と谷川貞治FEG代表出席の元、7日(日)都内ホテルにて行われた。
決勝戦ではバダ・ハリの顔面踏み付けという反則攻撃をもらい、相手の失格による優勝というスッキリしない結末で4年ぶり3度目の優勝を飾ったボンヤスキー。大会直後は悔し涙を流したが、この日は笑顔を見せて元気そうな姿で現れた。
「昨日は勝てて嬉しく思っていますし、やはりこの数年間タイトルから遠ざかっていた分、昨日の優勝の喜びはひとしおのものがありました。試合の後は3試合闘ってダメージや疲れが溜まっていたので、出かけることなくすぐに寝ました。休みを取りながら自分のダメージはどこにあるのか、痛いところはないかと確認しながらゆっくりしていました」と挨拶したボンヤスキー。その後の質疑応答では、やはりバダ・ハリに関する質問が集中した。
バダ・ハリの顔面踏み付けによるダメージについては「昨日は頭痛やダブルビジョン(物が二重に見える状態)が酷かったが、一夜明けてだいぶ症状は軽くなりました。しかし、起きた時は若干の頭の痛みと視界のぼやけがあったけれども、今はだいぶよくなったので問題はない。
スポーツをやる以上、予期せぬアクシデントはあるものなので、十分に今回は自分自身で学んだと思っているよ」と、回復した様子。特に精密検査を受けたということはなく、帰国後、検査に行く予定だと言う。
反則をされたことへの怒りはあるかとの質問には、「バダ・ハリは素晴らしい選手だし、技術もある。いつもエキサイティングな試合をする選手なので、自分自身も好きな選手の一人ではあるが、ああいう形で試合が終わったことは残念に思う。やはり自分自身も含めてファンやK-1関係者も1年間待って決勝大会を迎えて、その一番最後の試合がああいう形で終わってしまったのは非常に残念だし、不名誉なことだと思っている。だからバダ・ハリは自分がやったことをもう一度反省して、出直してきてもらいたいと思っているよ」と、ハリ本人への怒りよりも試合が不完全燃焼に終わってしまったことを残念に思っている気持ちの方が強い。
どんな処分を求めたいかと聞かれると、「もうこういうことが起きないように厳しい処罰を与えて欲しいと思います。その中でも考えられるのはファイトマネーの没収とかだと思うが、それを最終的に決めるのはFEGなので最終的な判断がどうなるかは分からない」との答え。
なぜバダ・ハリが反則行為に及んだと思うかとの問いには、「自分には彼がなぜやったのかは分からないが、もしかしたら精神的な弱さが出てしまったのかなと思う。振り返ってみれば同じような状況がボブ・サップ戦でもあったんですが、その時も私がダウンを取った後でサップに倒されて後頭部に打撃を受けたことがある。あれと同じような状況が今回も起きたと思う。
自分の中で理由付けをしなければいけないとすれば、もしかしたらバダ・ハリは闘っていく中でレミー・ボンヤスキーにはとうてい勝てないから何とかチャンスを見出そうとし、反則でも何でもしてダメージを与え、その後で自分が立ち上がって試合を続けたとしたら、ダメージが残ったままの自分にKO勝ち出来る可能性があるのではないかと思ってああいうことをしたのではないか。リングの上ではルールに則って正々堂々と闘うことが絶対に必要だと思うし、ルールと対戦相手に対してのリスペクトがなくなってしまったら、選手として価値がないと思っている。だからああいう行為を選手がすることはK-1にとってもよくないと思うし、一所懸命にやっている選手に対してもよくないことだ」と糾弾。
バダ・ハリの“主演男優賞発言”については「そういうことを言われるのは不本意だ。もしそういうことを言ったのなら、今度は自分が逆にバダ・ハリの顔を踏みつけてどういう状況になるのかを彼自身に身をもって感じてもらわないといけなくなる。ただ、やはり正々堂々と闘い、その結果が尊重されるべきだと私は思う」と不快そうに答えた。
また、優勝できなかった過去3年間と今年は何が違ったのかを聞かれると「数年前とはいろんな意味で状況は変わっている。皆さんもご存知の通り離婚の経験があったし、いろいろ大変な状況がありました。でも、新しい彼女が出来たり、素晴らしいマネージャーにも恵まれ、イワン・ヒポリットトレーナーを始めとするチームとしてみんなが協力して自分をサポートしてくれた結果、試合に集中できる環境になったことが一番大きかったと思う」と勝因を語る。
そして、「少しでも長くこのベルトを持ち続けたいと思っている。1回優勝するのも大変な努力と忍耐力が必要なのは分かっているし、それを3回成し遂げたことを非常に嬉しく思う。今後はホーストが成し遂げた4タイムスチャンピオンという記録を塗り替えていくために4回、5回と重ねていきたい。まず来年も優勝させていただいてホーストと並び、さらに記録を伸ばしていきたい」と、大記録に挑戦することを表明。
大晦日『Dynamite!!』出場へも「1年を締め括る大きなイベントなので自分としては興味がある。それを最終的に決めるのは谷川さんだから、顔色を伺いながら判断していきたい(笑)」と意欲を燃やしていた。
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