9月18日(金)東京・町田にある龍道場にて、第2代K-1ヘビー級王者・京太郎(チームドラゴン)が公開練習を行った。京太郎は9月26日(土)韓国・ソウル オリンピック第1体育館で開催されるFEG『K-1
WORLD GP 2009 IN SEOUL FINAL16』でルスラン・カラエフ(ロシア)と対戦する。
自身初となる開幕戦出場に向けて、高萩ツトムを相手に2Rのミット打ちを行った京太郎。最初のラウンドからヘビー級らしいパワフルなミドルキックを連発。しかもそれはただ重いだけの蹴りではなく、非常にスピード感溢れて切れのあるものだ。
続いてのラウンドでは高萩が通常のキックミットからビッグミットに持ち変えて、そこに京太郎がローキックを蹴りこんでいく。ここでも京太郎はスピード&パワーを感じさせるローキックをバシバシと蹴り込み、調子の良さをうかがわせた。 ミットを打ち終えた直後には「出し切った!」と話していた京太郎。試合まで約1週間、前回の試合から約1カ月のインターバルでの試合ということもあり、疲労の心配もあるが「3月と8月に試合があって、その時にものすごく練習できました。その練習の残りがあるし、疲れてはいますけど調子はいいですね」と語る。 体調面での心配はない一方で京太郎は「8月の試合は気持ちを持っていくために4カ月あったんですが、今回は1カ月。まだ試合に向けての気持ちは備わってない部分があります」と精神面ではまだ試合モードには入っていない様子。
しかし「自分の場合は寝る時以外は何にも考えてないんですよ。でも布団に入ると試合のことを色々と考えるんですね。だから昼間は何も考えずにひたすら練習するだけ。そしてこの1週間で気持ちを持っていきます」と不安視はしてない。 初の開幕戦出場についても京太郎は「8月の試合は試合間隔が開いていて、チャンピオンとして、そして改名して最初の試合。だから気持ち的にはそっちの方に持っていったんですよ。だから今回はそこまで色々と考えてないし、ワンマッチのつもりでやります。そしてそこで勝ったら次の試合があってベスト8になる。そういう気持ちですね」と平常心で試合に臨めると話している。 開幕戦の対戦相手であるカラエフの印象を「僕がK-1で試合をやる前、試合を見ていた時は“こんな怪物がいるんだ”と思って見ていました」という京太郎。 しかし「それでも試合をやるとなった以上、対戦相手に対して何も思わない。いつも通りに試合をして勝ちます」とキッパリ。
「正直、怖い部分はあります。でもそれが面白いところで、試合が終わればそれから開放されるわけじゃないですか。しかも勝って開放されればそれほどいいことはないですよね。今はそういう気持ちの方が強いです」と続ける。 さらにカラエフの技術的な部分に質問をしても「そんなだと思いますね。僕はヘビー級の選手でスピードとスタミナがあるのは凄いと思うんですけど、それがカラエフだと思うんですよ。実際にカラエフ選手は会って話してもすごく陽気でいい人です。でも僕は尊敬の念を持ってカラエフ選手に勝ちたいと思います。 (お互いのスピードが持ち味だが)僕は自分が一番スピードがあるとは思っていないし、そこはカラエフ選手の方が上だと思うんですよ。でも僕はそれ以外の部分で勝っているものがある。
スピードやパワーで勝てなくても戦略や冷静さ。負けている部分はあっても、僕がカラエフ選手よりも勝っているものがあるんで、そこで試合に勝ちたいですね」と自信をみなぎらせる。 これまで試合前には「マヌーフとはやりたくない」「(マイティ・モーとの対戦が決まって)もう毎日が憂鬱で憂鬱で……寝ても起きても死にたい気分なんです」とどこか弱気な言葉を吐くこともあった京太郎だったが、ここまでの発言を見ても分かる通り、この日の京太郎から弱気な空気は全く感じられない。 それどころか「カラエフ選手が試合をしていない間に僕はマヌーフ選手やサキ選手に勝ってチャンピオンになった。日本代表として日本を背負っている気持ちもあるし、それで負けるわけにはいかない。僕には日本人として勝ちたいし、K-1を救いたいという気持ちもあります。今までにない自信や気持ちを持つことが出来て、不安は克服できています」と、力強い言葉で日本代表としてGPに挑むと宣言する。 さらに今大会では長きに渡りK-1ヘビー級を引っ張ってきた武蔵(正道会館)が引退をかけてジェロム・レ・バンナ(フランス)と対戦するが、京太郎は「僕がベルトを持っていて武蔵選手が引退する。僕は武蔵選手のことを尊敬しているし、武蔵選手が今年で引退するのであれば、僕はそれを引き継ぎたい。 このGPで僕は武蔵選手やファンのみなさんが見ていて安心できる安定感のあるファイターになりたいですし、そういう意味ではこの大会が本当のスタート。
8月までの試合は自分が有名になるための試合だったかもしれないけど、本当のスタートは9・26K-1WORLD
GP開幕戦です」と武蔵引退後のK-1を自分が引っ張っていくと語る。 またもし京太郎と武蔵がそれぞれ勝ち上がれば、ベスト8以降で日本人対決が実現する可能性もある。 京太郎も「2人が開幕戦を勝ってベスト8で対戦すればそれが面白いですよね。K-1のドラマとしても盛り上がると思うし。これまで日本人選手がベスト8に残ったことはほとんどないと思いますから、開幕戦を勝って僕と武蔵選手が戦えるのであれば是非やりたいです」と武蔵との日本人対決を強く希望。 「去年のK-1
JAPAN GPで武蔵選手と対戦した時には勝ちに行った部分もありましたが(※京太郎が判定勝利)、もしベスト8で対戦できるのであれば、ガッツリと武蔵選手の想いを感じて、僕の想いをぶつけられるような試合をしたい。そして僕がK-1を引っ張っていくという気持ちを表せるような男と男の試合を見せたいです」と“エース伝承”を誓っている。 公開練習が終わり「発言内容が変わったね」とK-1スタッフに声をかけられると「人間は成長するものですよ」と笑って答えた京太郎。K-1ヘビー級王者として、そして日本の新エースとして、生まれ変わった京太郎が開幕戦に挑む!
FEG 「K-1 WORLD GP 2009 IN SEOUL FINAL16」
2009年9月26日(土)韓国・ソウル オリンピック第1体育館 開場14:30 開始15:30 <全対戦カード>
▼メインイベント(第9試合) FINAL16 K-1ルール 3分3R延長2R
バダ・ハリ(モロッコ/ショータイム) VS ザビッド・サメドフ(ベラルーシ/チヌックジム) ▼セミファイナル(第8試合) FINAL16 K-1ルール 3分3R延長2R
ピーター・アーツ(オランダ/チーム・アーツ) VS アリスター・オーフレイム(オランダ/ゴールデン・グローリー) ▼第7試合 FINAL16 K-1ルール 3分3R延長2R
ジェロム・レ・バンナ(フランス/Le Banner X tream Team) VS 武蔵(日本/正道会館) ▼第6試合 FINAL16 K-1ルール 3分3R延長2R
セーム・シュルト(オランダ/正道会館) VS ダニエル・ギタ(ルーマニア/カマクラ) ▼第5試合 FINAL16 K-1ルール 3分3R延長2R
エヴェルトン・テイシェイラ(ブラジル/極真会館) VS シング・心・ジャディブ(インド/TOWIN) ▼第4試合 FINAL16 K-1ルール 3分3R延長2R
京太郎(チームドラゴン) VS ルスラン・カラエフ(ロシア/フリー) ▼第3試合 FINAL16 K-1ルール 3分3R延長2R
エロール・ジマーマン(キュラソー島/ゴールデン・グローリー) VS グラウベ・フェイトーザ(ブラジル/極真会館) ▼第2試合 FINAL16 K-1ルール 3分3R延長2R
レミー・ボンヤスキー(オランダ/チーム・ボンヤスキー) VS メルヴィン・マヌーフ(オランダ/マイクスジム) ▼第1試合 スーパーファイト K-1ルール 3分3R延長1R
金 泰泳(日本/正道会館) VS カタリン・モロサヌ(ルーマニア/ローカルコンバットチーム) ▼スペシャルファイト第2試合 スーパーファイト K-1ルール 3分3R延長1R
イム・チビン(韓国/KHAN) VS タヒール・メンチチ(コソボ共和国/チーム・スーパーブロ) ▼スペシャルファイト第1試合 スーパーファイト K-1ルール 3分3R延長1R
イム・スジョン(韓国/T エンターテインメント/サムサンイーグル) VS チョン・チン(中国) ▼オープニングファイト第2試合 K-1ルール 3分3R
ソン・ミンホ(韓国/KHAN GYM) VS キム・ネチョル(韓国/安城ソルボン・チームハンス) ▼オープニングファイト第1試合 K-1ルール 3分3R
洪太星(極真会館) VS ミョン・ヒョンマン(韓国/テウン会館・M-1クレジット) ●K-1
WORLD GP2009日程 ・9月26日(土)韓国・ソウル オリンピック体操競技場) 「K-1 WORLD GP FINAL
16」 ・12月5日(土)神奈川・横浜アリーナ 「K-1 WORLD GP FINAL」 |