12月12日(月)東京・御茶ノ水のガーデンパレスにて、1月4日(水)東京・後楽園ホールで開催される全日本キックボクシング連盟『NEW
YEAR KICK FESTIVAL 2006』の記者会見が行われた。
会見には金田敏男代表、全日本フェザー級タイトルマッチを闘う山本元気(王者)と山本真弘(挑戦者)、全日本スーパーフェザー級王座決定戦を闘う前田尚紀と石川直生、全日本ライト級王座決定戦を闘うサトルヴァシコバと吉本光志が出席。
3試合とも過去に一度の対戦経験があり、勝負論の高いマッチメイクとなった。金田代表は「3試合とも内容の濃い試合になると思っていますし、期待もしています」と挨拶した。
山本元気と山本真弘は2004年12月5日、元気が2003年12月に前田尚紀を破って獲得したフェザー級王座の初防衛戦として対戦しているが、この時はドローに終わっている。王者の元気は「タイトルマッチなんですけど、もちろんベルトはあげたくないけど、ベルトを守るような闘い方はしたくない。それよりも自分らしい試合をして、悔いを残さず頑張る事が大事。自分らしい試合をして悔いを残さないように頑張りたい」とコメント。
真弘は「2度目の挑戦なんで、出来るなら倒して勝ちたい。気持ちのいい試合がしたいので、よろしくお願いします」と語った。
元気は真弘のIKUSAGP制覇について、「まぁ、真弘くんも力をつけたと思うし、僕も去年の12月にやってから一生懸命に練習して力をつけたと思う。どちらがどれだけ成長したかを1月4日に確かめたい」とあまり意に介さず、真弘は「選手である以上、ベルトを一度は巻きたい。ただ、全日本のベルトを巻くのは最低ラインの目標なので、それを獲って次に進むためのものだと思ってます」と“通過点に過ぎない”と言ってのけた。
VSムエタイ・トップランカー2連敗を喫している元気は、前回の試合後に「真弘を沈めて来年はタイとやりまくる」と宣言したが、「とりあえずこの試合を片付けてから先の事は考えます。そんなに簡単な相手じゃないので」とこの日は慎重なコメント。しかし、「ただ自分は、試合は命を捨てているんで、ベルトが欲しかったら命がけでブン獲りに来て下さい」と強気な挑発、真弘はこれに「命がけで獲りに行きます」と応えた。
2002年9月7日のフェザー級王座決定トーナメント準決勝で対戦して以来3年4ヵ月ぶりの再戦となる、前田尚紀VS石川直生。前回は前田がKOで勝利し、同トーナメントでも優勝を飾っている。前田は「今までなかった階級なのに挑戦のチャンスをもらったので、チャンスを活かせるように頑張りたいと思います」と控えめなコメント。
それに対して石川は、「前田選手はいなかったけれど、3月の大会を任された全員がタイトルマッチに絡んでいる。昔、新日本プロレスで長州や藤波が“俺たちの時代”を主張して闘ったように、俺たちの時代を全日本キックにも感じています。この6人のメンバーの中で、一番凄い試合をしたヤツが来年の全日本キックを引っ張っていくと思うので、自分がエースになれるように頑張ります」と、大胆な“エース獲り宣言”を行った。
お互いの印象は、前田が「ラスカル選手との試合を見たんですが、危な気なく何でも出来るという印象。3年前にやった時とは自分もそうですが、石川選手は別人と思っています。全然違う人とやるつもりでやろうと思っています」を石川を評し、石川は「この間のTURBO戦はファンになって楽しんじゃいました。凄く楽しんで、次の日にビデオをもらってじっくり見たんですが、TURBO選手は木刀で殴ってる感じがしましたが、前田選手は真剣を振るっている感じがしました。僕がTURBO選手とやった時よりも気を引き締めないと、本当に斬られる。それくらいの気持ちでやります。IKUSAGPでも最後の最後で気を抜いてぶった切られたので、今回はそこを軸に練習しているので心は折られないと思います」と気を引き締める。
ベルトへの想いは、前田が「デビュー戦から自分は全日本キックで試合をしているので、全日本のベルトが自分の中では日本のキックのベルトです」と説明、石川は「僕は凄く単純な人間なので、チャンピオンになった事が人間としてどう自分を変えてくれるのか、それを早く知りたい。こんだけ凄い選手が揃っていて、僕は全員を尊敬している。その一人である前田選手を倒して手に入るベルトは価値がある。手に入れてみなければどうなるか分からないけど、早く欲しいと思っている」と熱を帯びた口調で語った。
サトルヴァシコバと吉本光志は2004年11月19日に対戦し、この時はヴァシコバが2RKOで勝利を収めている。ヴァシコバは「相手がどんなやり方をしても必ずベルトはもらいます。試合の見所は吉本選手がパンチを狙ってくれたら、僕がそれにカウンターを狙って倒す自信がある。1Rも目を離さないで下さい」と挑発。
吉本は「彼と去年の11月にやってから、自分のキック人生が間違った方向に行ってるのが分かる。それ以降、不本意な内容と戦績が続いているので、自分がこの中では精神的に一番不安定なのは自分でも分かっています。ヴァシコバ選手が倒しに来るなら、自分も倒しにいく。この試合で完全復活を狙っています。ヴァシコバ選手、よろしくお願いします」と返した。
それぞれの1回戦の印象は、「気合いが入っていて増田選手と気持ちいい試合をしたという印象。僕は気合いがなかったので、吉本さんの気合いに負けないように絶対に倒したいと思います」(ヴァシコバ)、「正直言って、ヴァシコバ選手は自分と正反対のスタイルを持っていると思う。構えも展開も。尊敬も持っているけど、自分の人生の前に立ちはだかる敵を倒す。同じヘマはしない。自分に集中したい」(吉本)と、これもライバル心剥き出しの答え。
ベルトに対する想いは、ヴァシコバが「全日本ライト級のベルトは藤原(敏男)先生から歴史のある素晴らしいベルト。1月に獲れなかったので、これは絶対に欲しいベルトなので、最高のベルトだと思います」と熱く語れば、吉本も「全日本のベルトは日本のキック界の中でも、一番伝統と価値のあるベルトだと思っています」とモチベーションが高い。
吉本は「左ストレートをマークしないといけない。左ストレートでは絶対に倒れないと思っていたけど、前回はその自信が過信に繋がったから、あのような結果になったと思います。彼はスタミナもあるけど自分もある。それよりも、ヴァシコバ選手が前に立った時に自分が動揺するのが怖い。マークするのは分かっているので自分の事が大事だと思います」と“自分との闘い”に比重を置いているのに対し、ヴァシコバは「まずは蹴りが巧い。増田戦でミドルキックを掴むようにしてハイキックを蹴ってたので、自分は捕まれないようにしようと。あと、カウンターは相当練習しているので、狙えるんじゃないかと思っています」と、余裕なのか自分の手の内をさらすようなコメントを残した。
1・4は三大タイトルマッチ以外にも、JAPAN
VS THAIの2試合を含む全日本キックVSウィラサクレック・フェアテックスの3対3マッチもあり、新春早々から見逃せないラインナップとなっている。
「NEW YEAR KICK FESTIVAL 2006」
全日本キックボクシング連盟
2006年1月4日(水)東京・後楽園ホール
開場17:00 本戦開始18:30
※17:30よりオープニングファイトあり
<全対戦カード>
▼第7試合 全日本フェザー級タイトルマッチ 3分5R
山本元気(DEION/王者)※今回よりREX JAPANから姉妹ジムのDEIONに移籍
VS
山本真弘(藤原/同級2位)
▼第6試合 全日本スーパーフェザー級王座決定戦 3分5R
石川直生(青春塾/同級3位)
VS
前田尚紀(藤原/同級1位)
※ドローの場合は1Rの延長あり
▼第5試合 全日本ライト級王座決定戦 3分5R
サトルヴァシコバ(勇心館/同級1位)
VS
吉本光志(AJジム/同級2位)
※ドローの場合は1Rの延長あり
▼第4試合 JAPAN VS THAI ウェルター級 サドンデスマッチ3分3R延長1R
湟川満正(AJ/同級3位)
VS
ウィラチャート・ウィラサクレック(タイ)
▼第3試合 JAPAN VS THAI 70kg契約 サドンデスマッチ3分3R延長1R
江口真吾(AJ/ミドル級2位)
VS
ゲンナロン・ウィラサクレック(タイ/プロボクシング元WBF豪州ウェルター級王者)
▼第2試合 CROSS BOUT フェザー級
サドンデスマッチ3分3R延長1R
正巳(勇心館/同級5位)
VS
赤羽秀一(ウィラサクレック・フェアテックス/J-NETWORK同級3位)
▼第1試合 ウェルター級 サドンデスマッチ3分3R延長1R
大輝(JMC横浜GYM/同級9位)
VS
水野章二(湘南格闘クラブ)
▼オープニングファイト第3試合 ライト級3分3R
村山トモキ(AJ)
VS
堀口貴博(ウィラサクレック・フェアテックス)
▼オープニングファイト第2試合 ミドル級3分3R
佐藤皓彦(JMC横浜GYM)
VS
稲村直人(TEAM-1)
▼オープニングファイト第1試合 ウェルター級3分3R
小樽基能(はまっこムエタイ)
VS
日菜太(湘南格闘クラブ)
<チケット料金>
RS席10,000円、S席7,000円、A席5,000円
※当日料金は1,000円増し。
<チケット発売所>
イープラス=http://eee.eplus.co.jp
チケットぴあ=0570−02−9999
後楽園ホール=03−3817−6092
チケット&トラベルT-1=03−5275−2778
全日本キックボクシング連盟 03−3365−1171
<お問い合わせ>
全日本キックボクシング連盟 03−3365−1171
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