7月17日(火)都内ホテルにて、TBS主催『OLYMPIA HERO'S 2007 ミドル級世界王者決定トーナメント開幕戦』の一夜明け記者会見が行われ、前田日明HERO'Sスーパーバイザー(以下SV)が昨日の大会を総括した。
1試合ずつ丁寧に試合を総括していった前田SV。その中で意外にも高い評価を得ていたのが“闘う芸人”ベルナール・アッカ(コートジボアール)!
前田SVは「練習ではどうなの?と思っていたけど、試合では無意識にやる動きがあって、センスや生まれ持ったものがあると思う。(アッカには)秘めた才能がある」とアッカを絶賛。年齢的な不安があるとしたものの、「闘いの呼吸が分かっている。これからに期待です」とアッカの可能性について語っている。前田SVの総括は以下の通り。
TBS
「OLYMPIA HERO’S2007
ミドル級世界王者決定トーナメント開幕戦」
2007年7月16日(月・祝)神奈川・横浜アリーナ
開場15:00 開始16:00
観衆=11,310人(主催者発表)
▼メインイベント 第8試合 スーパーファイト HERO'Sルール1R10分・2R5分 85kg契約
○金 泰泳(日本/正道会館)
延長判定 3−0 ※10−9、10−9、10−9
●田村潔司(日本/U-FILE CAMP)
「HERO'S旗揚げの時に金選手は挨拶に来て、一時は引退したと言って110kgくらい太っていたんですけど、もう今までの体格に戻っていた。彼は打撃にプライドを持っていて、用意周到に総合格闘技の戦い方を身に付けてやった試合ですよね。
金選手はアッカと同じで試合の呼吸が分かるんです。相手が何を考えているのか、そのセンサーを持っている。試合が進むに連れて上手く試合を引っ張っていたし、田村は上手くそれに乗せられましたね。田村は打撃が見えていても体が反応してないというか、タックルに行ってもパスガードできない。あれは準備不足ですね」
▼セミファイナル 第7試合 スーパーファイト HERO'Sルール 1R10分・2R5分 87kg契約
○メルヴィン・マヌーフ(オランダ/ショータイム)
KO 1R2分13秒
●ベルナール・アッカ(コートジボアール/フリー)
「結果はマヌーフがポンポンとパンチを入れて終わったんですけど、アッカには秘めた素質があると思いますね。グラウンドでも打撃でも練習ではどうなの?と思っていたけど、試合では無意識にやる動きがあって、センスや生まれ持ったものがあると思う。年齢を聞いて驚いたんだけど、あの年齢としては動けるし、反応もいい。試合の呼吸というか、攻め時や守り時を分かっているんですよ。アッカには期待しています」
▼第6試合 HERO'S2007 ミドル級世界王者決定トーナメント1回戦 5分3R
○宇野 薫(日本/和術慧舟會東京本部)
判定 3−0 ※30−28、30−29、30−28
●永田克彦(日本/新日本プロレス)
「宇野君は永田君のパワーの違いを警戒して固くなっちゃったのかなと。宇野君はいつもの判断力・瞬間のダッシュ力がなかったです。永田君は一戦ずつアマレスの技術を出せるようになっていると思います」
▼第5試合 HERO'S2007 ミドル級世界王者決定トーナメント1回戦 5分3R
○ブラックマンバ(インド/フリー)
TKO 1R4分47秒
●所 英男(日本/チームゼスト/ZST GT-F王者)
「所は苦手意識が出ましたね。ボディにヒジ打ちをもらって心が折れました。マンバはルールの中で自分の打撃をどう使うのかをよく練習してますね。あれは1枚も2枚も上手、所は完敗でした」
▼第4試合 HERO'S2007 ミドル級世界王者決定トーナメント1回戦 5分3R
○ビトー“シャオリン”ヒベイロ(ブラジル/ノヴァウニオン)
一本 2R1分54秒
●宮田和幸(日本/フリー)
「宮田君はグラウンドを警戒して、打撃のポイントで逃げ切る作戦だったと思うんですけど、セコンドを含めて寝技を警戒しすぎたのをヒベイロに読まれましたね。1Rには宮田君が投げる場面もあって、自分のレスリングを活かした上でサブミッションのコンビネーションを身につけるといい。宮田君は単発的に関節技を狙うのが多いんですよ。打撃のタイミングやスピードはさすがだなと感じますし、もったいないと思います。
ヒベイロは相手が何を嫌がっているのかを察知して、宮田君がグラウンドを嫌がっているというのが分かったんでしょう。それで宮田君のリズムを読んで組み付いて肩固めを極めた。あれは下になる危険性があるんだけど、上手く宮田君の体を押しつぶしてバランスを取って極めた。あれはすごいですね。
70kgはちょっと強敵が揃ってきてますね。そういう意味で宇野君の双肩にかかっているんだけど、ヒベイロは要チェック、優勝候補でしょう。宇野君も判断力がいい選手なんで、もしシャオリンとやったら詰め将棋のような試合になるんじゃないですか。語り草になるような試合になると思います」
▼第3試合 スーパーファイト HERO'Sルール 1R10分・2R5分 90kg契約
○ハレック・グレイシー(ブラジル/グレイシー柔術アカデミー)
一本 1R3分05秒 ※腕ひしぎ十字固め
●柴田勝頼(日本/ARMS)
「柴田君は一発パンチが当たってから行き過ぎて組まれてしまった。もしキャリアがある選手なら、一発当たったら、何発か当てて様子を見るんですよ。もしそうやっていたら勝ってたと思います。ハレックはそんなに凄いと思わなかったですね。パンチも蹴りも出来ると思っていたんですが、ヒクソンそのままって感じで。良い所も悪い所もヒクソンを引き継いでいる。柴田君としては惜しかったなと」
▼第2試合 スーパーファイト HERO'Sルール 5分3R 70kg契約
○アンドレ・ジダ(ブラジル/シュートボクセ・アカデミー)
TKO 1R1分20秒
●アルトゥール・ウマハノフ(ロシア/SKアブソリュート・ロシア)
「ジダは打撃の重さもあるんだけど、当て勘も良かった。そして割りと冷静なんですよ。爆発的な打撃でイケイケに見えるけど、一発が当たってからバシバシ当てるっていうね。トーナメントだったら優勝狙える選手です」
▼第1試合 スーパーファイト HERO'Sルール 5分3R 70kg契約
○アレッシャンドリ・フランカ・ノゲイラ(ブラジル/ワールド・ファイト・センター)
KO 2R1分55秒
●勝村周一朗(日本/勝村道場)
「勝村君は相手を見すぎちゃって、一歩出れなかったですね。そのまま踏み込めなくて、畳み込まれちゃうっていう。リズムを読まれて打たれちゃいました。もっとタックルとか下から攻めていけば良かったと思います」
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