9月8日(土・現地時間)アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルスのノルマンディーカジノ・アウトドアアリーナで開催されるWBC(世界ボクシング評議会)ムエタイ本部(ジェネラル・ゴーウィット会長)が開催する世界三大タイトルマッチに、WBCムエタイ世界スーパーフェザー級15位・全日本キックボクシング連盟フェザー級1位の山本元気(DEION)の出場が正式決定した。
7月20日(金)東京・大久保にある全日本キックボクシング連盟事務局で記者会見が行われ、山本、DEION
GYM佐賀勝人代表、宮田充興行本部長が出席、山本がWBCムエタイ世界スーパーフェザー級チャンピオンのゲーオ・フェアテックス(タイ)に挑戦することが発表されたのである。
山本の所属するDEION GYMの佐賀会長は、「今回、かねてから本人の強い希望があってゲーオともう一度やりたいということでずっと練習してきました。この話をもらって本人と話したところ、もう、すぐ顔色も変わって久しぶりに気を出しているというか、目の色がハッキリ変わりました。今まで積み重ねてきたものを全部ぶつけられるような相手だと思うので、本人には試合までに出来るだけベストなコンディションで、出来るだけの能力で基本的なスタイルは変わりませんが、出来るだけのレベルアップをして試合に臨んで欲しいなと思っています」と挨拶。
続いて山本は「夢がかなって嬉しいです。精一杯頑張って勝ちたいと思います」と意気込みを語った。
会見では所用のため欠席した小林聡GMからのメッセージが読み上げられた。「左の拳に根性を、右の拳には夢を」。宮田本部長は「この間も同じことを言ってたんですが、右と左が入れ替わってますね。右だけじゃなく、元気は左も強いよって、多分そういう意味だと思います」と説明した。
●記者との質疑応答
ーーこのオファーを受けてどんな気持ちになったんですか?
「嬉しかったですね。本当はWBCのランカーを一人倒してからやりたかったんだけど、日本人から選んでくれるって話だったので、日本人だったら俺が一番資格があると思ってる」
ーーWBCムエタイの世界王座に拘りはありますか?
「そんなタイトルもくっついてたんだって。ゲーオとやりたかったんで、そのタイトルは関係ないけど取れば凄いことだし、必ず後に続いてくれる人も出てきてくれるだろうし、ぜひ取りたいですね」
ーー周囲の反応は?
「頑張ってね(笑)。みんな応援してくれてます」
ーーこの試合の重さはどういうものですか?
「一番勝ちたいですね。どの試合よりも。2年前にボコボコにやられて凄い悔しかったし、ずっとあいつのことを見てたし、勝ちたいです」
ーーこれまでタイ人とは何度かやってますが、ゲーオは別格なんですか?
「全然違いますね。一番強い」
ーーゲーオ対策は2年前に対戦した後から、ずっと継続してやってきたんですか?
「対策というか、サウスポーとはけっこうやってるから。前からサウスポーの強いのとやってるからそういう面で自分も成長していると思う。対策はいっぱい偉大なる先輩とかが授けてくれているんで、その中で自分に合ったものを選んで試合で出したいと思います」
ーータイでのゲーオの試合VTRを取り寄せたりとかは?
「それはもう、いっぱい見てます(笑)。シンダム、トライジャック、サラウットとやった試合も見ました。あいつも強くなってますね。パンチャーになってます。前よりもさらに強くなってます。パンチで打ち合うようになっていたので、俺にもちょっとチャンスがあるかなって思ってます」
ーー以前よりもパンチで打ち合うスタイルになっている?
「パンチでダメージを与えるスタイルになってます。あと、パンチのキレもさらに上がってますね」
ーー練習の時もゲーオを想定してやってきたんですか?
「ゲーオ戦が決まってからはしてます。それ以外の部分ではそんな余裕は無かったですね。カノンスックとかワンロップとかコムパヤックとか強い相手ばかりだったので。相手のことしか考えられなかったですね」
ーーでも、常にゲーオのことが頭の中にあった?
「ありましたね。もう一度やりたいって。これに勝ったらもう一度ゲーオとやれるかなって思ってましたね。ゲーオとやる資格を得るための闘いでした」
ーー佐賀会長にお聞きしたいのですが、ゲーオ戦が決まってからの元気選手が今までと違うと感じたのはどんなところですか?
佐賀「ジムに入ってくる時の雰囲気から何から違いますね。今は本当に口数も少なくなって、本当に久しぶりに集中してるなって感じです。本人はいつも集中してるって言いますけど、それよりも強い相手に挑戦するんだっていうのが練習に出てます。本人は変わらないっていうかもしれないけど、ひとつひとつの間とか全部気持ちが向いているというか、次から次に行ってやろうという感じで練習しています」
ーー今までも強豪とやってきましたが、それくらい気合がノってるのはいつ以来ですか?
「ワンロップ戦の時以来ですかね」
ーー自分でも気合が入っていると思います?
「気合っていうより、強いから。怖いっすね。だから練習しないと。あれもやってこれもやって。今度は倒しにくると思うから、スタミナをつけなきゃというよりもつけたい、やらなきゃじゃなくてやりたいって。とにかく勝ちたいから。そういう意味で気持ちのノリが違うんです」
ーーアメリカでの試合って部分はどうですか?
「それがちょっと心配なんです。時差があるし。アメリカに行ったことはないです」※試合4日前に現地入り
ーーこの2年間いろんな相手とやってますが、自分の成長は自分でも感じていますか?
「あれからいっぱい強いヤツとやりましたからね。悔しい思いもしたし。ゲーオとやった時は、こんなに強いヤツとやったのは初めてだったし、絶対に勝てないと思っていた。でも、絶対に勝てないじゃダメなんだなって。今度は絶対に勝つつもりで行きます」
ーー以前の公開練習の時に「K-1よりもWBCムエタイのベルトに興味がある」と言われてましたよね。そのベルトに挑戦するチャンスが来て、さらにその相手がゲーオということに運の巡り合わせとかツキを感じましたか?
「ツイてると思いましたね。あいつとはやっぱり縁があったんだなって。嬉しいですよ。連盟の方がマッチメイクしてくれたのもあるし」
ーー元気選手はボクシングも好きですが、WBCムエタイというものにはどういう思いがありますか?
「国内のWBCムエタイのランキングを見ていて、あれが日本の統一ランキングのような気がして。だからあれで、そこのベルトが権威があるものというのが自分の中にあった。その中で僕はフェザー級の1位だし。だからあれを軸に、これから動いていけばいいのかなって。WBCのベルトを誰か作ってくれれば、その日本チャンピオンがタイのチャンピオンに挑戦する形が出来たらなって思います」
ーー試合まではどんな追い込みをするつもりですか?
「いえないです(笑)。そんなに変わらないですよ。スパーリングやってミットやって、サンドバッグ蹴ってです」
ーー打ち合って向こうがヤバイと感じたらタイスタイルで逃げに入る可能性もあると思うんですが?
「逃げさせないようにします。僕が勝つには倒すしかない。逃げる相手を来させて倒す。動きだけで……これは言えません(笑)。当然、それも考えています。でも、あいつもムエタイの誇りみたいなものを持っているから、打ち合うんじゃないかと思ってます」
ーー一昨日、ボクシングでポンサックレックが負けたんですが、ボクシングでは絶対王者と思われているようなタイの選手が負けることもあるじゃないですか。だったら俺もゲーオを倒す、というのは?
「勝ちたいです」
ーー海外での試合というと、タイでの苦い経験がありますが、それはもう克服できている?
「はい。あの時はやる前からダメで、だらしない試合でした。今回はノリノリですから。頑張ります」
ーー必ず勝って、WBCのベルトを日本に持ち帰るという宣言はないですか?
「いやぁ…(苦笑)頑張ります。精一杯、頑張ります。取りたいですよね」
ーー日本から応援に来てくれる予定は?
「弟と親戚の子くらいですかね(笑)」
ーーアメリカのファンにこういうところを見せたいというのは?
「客のことをいつも意識して試合をやらないので、特に無いですね」
ーー佐賀会長は例えばキャンプを張るとか、誰かスパーリングパートナーを招くとか、特別なことは考えていませんか?
佐賀「いや、特に無いですね。一緒に練習するようになってから、常に今の倒しに行くスタイルの中で、もらわないで倒すとか技術のレベルアップはずっとしてきているので、別にいま変えることもないし、レベルアップもしているので。次の試合もそういう試合になると思うので、倒しに行かないと勝機は少ないので倒すための技術をどんどん溜めて、今までもやってきているのでこれからも特に変わらずやっていくつもりです」
ーー前回の後楽園を終えて、山本真弘選手がタイ遠征のメンバーに選ばれたじゃないですか。あれはどう思われたんですか?
「いや、別に。怪我もしていたし、顔も切られたので間に合わないと思いました」
ーー結果を見てどう思われましたか?
「ビデオで見ました。日曜日のラジャなんてそんなに行きたくなかったです。強いヤツなんてグーピーくらいで、あとはみんな弱いんだろうなって思ってたので」
ーー60kgのトーナメントが発表されましたが、元気選手はそちらの方は?
「現時点で60kgは重いです。59kgでやりたいなって。次も59kgでお願いしますって連盟の方にも頼んであります。桜井洋平とかとやらせてくれるなら60kgに合わせますけど、他のヤツらとは合わせたくない(笑)。ライトの人とかいろんな人と練習してるので、60kgはベストじゃないなって思います」
ーー今の通常体重は?
「66kgくらいです」
ーー気の早い話ですが、タイトルを取った後で気になる選手はいますか?
「トライジャック(・シット・ジョムトリ=ルンピニースタジアム認定フェザー級7位)。強いっすよ。今度アヌワットとやる選手です」
ーータイトルを取ってから日本で防衛戦をやる予定は?
宮田「それはWBCに聞かないと分かりません。10月25日の代々木大会がありますので、一番望ましいのはWBCムエタイの世界チャンピオンとして帰ってきてもらって、スーパーファイトで出来たら一番いいなと思います。まずは9・8ガッチリ期待したいです」
ーー小林GMのメッセージの感想は?
「……ちょっと意味がよく分かりません(笑)」
ーー今後は59kgのスーパーフェザー級を主な階級にするんですか?
「そうですね。相手次第です。フェザーも落ちないことは無いので、やりたい相手なら57kgでもやります。ベストは59kgですね」
WBC(世界ボクシング評議会)ムエタイ
「WBCムエタイ世界三大タイトルマッチ」
2007年9月8日(土・現地時間)アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルス
ノルマンディーカジノ・アウトドアアリーナ
▼WBCムエタイ世界スーパー・フェザー級タイトルマッチ 3分5R
ゲーオ・フェアテックス(タイ/王者)
VS
山本元気(日本/DEION/挑戦者・同級15位)
▼WBCムエタイ世界ミドル級タイトルマッチ 3分5R
ラムソンクラーム・チューワッタナ(タイ/王者)
VS
ヨハン・リンドン(フランス/挑戦者)
[ゲーオ・フェアテックス プロフィール]
WBCムエタイ世界スーパー・フェザー級王者ルンピニースタジアム・フェザー級王者
1984.5.9生/タイ出身/23歳/身長170cm/得意技:左ストレート、ミドルキック
戦績:141戦98勝(36KO)38敗5分=2005年・VS山本戦終了時
ムエタイの名門フェアテックスのエースに君臨するゲーオは、強烈な左ストレートとしなやかな蹴りを併せ持つ、掛け値なしの超一流ファイター。現在はルンピニー王座と併せ2冠を保持している。
[山本元気 プロフィール]
全日本フェザー級1位 前全日本フェザー級王者
DEION GYM所属/1977.8.2生/京都府出身/29歳/身長166cm
得意技:右ストレート、ローキック/戦績:26戦15勝(10KO)6敗5分
VSムエタイ戦績:8戦3勝(3KO)3敗2分
国内フェザー級No.1の強打で、過去3人のタイ選手をKOに葬っている“右の殺し屋”。常にKOを狙うアグレッシブなファイトで人気を集める。現WBCムエタイ日本フェザー級1位。
ALL JAPAN KICKBOXING
2007
「Kick Return」Kickboxer of the best 60 トーナメント〜開幕戦〜
2007年8月25日(土)東京・後楽園ホール
開場17:00 開始18:00
<対戦カード>
▼全日本バンタム級選手権試合 3分5R
藤原あらし(SVG/王者)
VS
寺戸伸近(BOOCH BEAT/挑戦者・同級1位)
▼「Kick Return」Kickboxer of the best 60
トーナメント1回戦4試合
大月晴明(WPKC世界ムエタイ・ライト級王者/AJKF)、石川直生(全日本スーパー・フェザー級王者/青春塾)、梶原龍児(WFCA世界ライト級王者/チームドラゴン)、大宮司進(M-1スーパー・フェザー級王者/シルバーウルフ)
ほか
<チケット料金>
SRS席15,000円/RS席10,000円/S席7,000円/A席5,000円
※全席指定・当日は1,000円増し。
<チケット発売日>
7月21日(土)〜
<チケット発売場所>
チケットぴあ
イープラス
後楽園ホール
全日本キック
<お問い合わせ>
全日本キック=03-3365-1171
ATHLETIC ENTERPRISE & ALL JAPAN KICKBOXING PRESENTS 浪漫
「Kick Return」Kickboxer of the best 60 トーナメント〜決勝戦〜
2007年10月25日(木)東京・代々木第二体育館
開場17:00 開始18:00
<主要カード>
▼「Kick Return」Kickboxer of the best 60 トーナメントの準決勝・決勝戦
▼国内外強豪選手の「スーパーファイト」ワンマッチ3〜4試合
<チケット料金>
SRS席20,000円/RS席12,000円/S席8,000円/A席5,000円
※全席指定・当日は1,000円増し。
<チケット先行発売>
8月25日(土)後楽園ホール大会・グッズ売場にて発売
<チケット一般発売日(予定)>
9月1日(土)〜
<チケット発売場所>
チケットぴあ
イープラス
後楽園ホール
全日本キック
<お問い合わせ>
全日本キック=03-3365-1171
●全日本キックボクシング連盟 2007年度・大会スケジュール
7月29日(日)後楽園ホール
8月5日(日)横浜赤レンガ倉庫(はまっこムエタイ主催大会)
8月25日(土)後楽園ホール
9月29日(土)後楽園ホール
10月25日(木) 代々木第二体育館
11月18日(日)後楽園ホール
12月7日(金)後楽園ホール
※新宿FACE大会、横浜赤レンガ倉庫大会(はまっこムエタイジム)、その他追加大会予定
|