6月24日(水)都内ホテルにて記者会見が行われ、8月2日(日)さいたまスーパーアリーナで開催される『戦極〜第九陣〜』の追加対戦カードが発表された。 今年1月4日の『戦極の乱』アントニオ・シウバ戦で左膝を負傷していた中尾“KISS”芳広(TEAM
TACKLER)の約7カ月ぶりとなる復帰戦が決定! 中尾と同じくレスリングをバックボーンに持つチェ・ムベ(韓国)とのヘビー級ワンマッチが発表された。 会見に出席した國保尊弘WVR代表取締役はこのカードについて「ムベ選手はこれまで戦極で2回戦っていて1勝1敗の成績を残しています。前回のパンクラスでは藤井選手を判定ながらも圧倒して勝利しました。対する中尾選手も戦極では1勝1敗。しかし前回のシウバ戦は不完全燃焼の試合になってしまいました。中尾選手にはタフなムベ選手を完全な一本で勝利し、ヘビー級戦線、チャンピオンシップに絡む立ち位置を取って欲しいと思います」と期待を寄せた。 これを受けて中尾が挨拶、「ずっとアントニオ・シウバとの対戦を待っていました。1月の試合後に手術・リハビリをして、大変な時期を迎えましたが、KOで勝って次につなげたいと思います。ムベ選手の所属はチーム・タックルでTEAM
TACKERと似ていますが、自分たちは一味違うというところを見せて勝ちたいと思います」と試合への意気込みを語った。 自らの挨拶にあったように中尾はシウバ戦で左膝を負傷。その後、約3〜4カ月間のリハビリ期間を経て、今回の復帰戦へ向けてトレーニングを積んできた。中尾は「長かったですね。悔しい思いで過ごしていました。でもそれだけ精神的には強くなったと思います」と苦しいリハビリ期間を振り返る。 その一方で「リハビリ期間中にも出来る練習はやっていましたし、チームのメンバーの練習を見て自分の悪いところを修正することが出来て、いい期間だったんじゃないかなと思います。トレーナーの高阪(剛)さんに『今は練習を見ているだけでいいから』と言われて、最初はその意味が分からなかったんです。でも徐々にそれが分かるようになって。 具体的に言うと人のスパーリングを見ていると無駄な動きが多いということが分かったんです。自分たちのようなヘビー級は無駄な動きが多いとすぐにフラフラになってしまう。特に自分の場合はヘビー級でもスピードを意識してますからね。それで人のスパーリングを見ているうちに、無駄な動きをしない、余計な力を使わないということを勉強しました」と自分の戦い方を見つめなおすことが出来たという。 「今日も朝10:00から練習してきたんですが、今までなかなか出来なかった技が今日初めて出来ました。これからはその技を100%出来るようにしていきたいですね」と笑顔を見せる中尾。「まだ進化している? 僕は遅咲きですからね(笑)。明日で僕は37歳になるのですが、37〜39歳までが選手としていい時期に入るのかなと思っています。なのでこの3,4年間で自分の全てを出したいですね」とMMAファイターとして進化の途中にあることを口にした。 対戦相手のムベとは「2年くらいまえに突然うちに練習に来たことがあって、この時に直感的に自分と試合をするだろうなという思ったんです」というエピソードがあったことを明かす中尾。
→会見後の写真撮影では同席していた光岡映二にお約束のキスを迫るパフォーマンスを見せた中尾
「僕は韓国語を話せるわけではないですが、明るくていい人だなと感じます。心が折れないファイターで、戦い方を間違えると危険な相手。ちゃんと戦略を練って戦います」とムベの実力を評価する。 しかし中尾は「素晴らしいファイターでレスリングの実績もある。MMAでもなかなかKOされにくい選手だと思います。ただ今回はポテンシャルの違いを見せつけたいと思います。同じレスラーとしてのライバル心? 全くないですね。ただチームの名前が似ていて、ムベ選手はグレコローマンの選手なのになんでタックルなんだろうとは思います(苦笑)」と完全勝利を宣言した。 そして中尾がその先に見据えているのは戦極で初となるヘビー級グランプリシリーズの開催だ。中尾はヘビー級GPへの熱い想いを語る。 「やっぱり格闘技で最強を決めるのはヘビー級じゃないですか。石井(慧)君もいるし、戦極にもヘビー級の選手が増えています。そろそろヘビー級のトーナメントを開催して欲しいですね。僕もそのために努力するし、関係者の力も借りなきゃいけないと思います。 僕はこの数年間でアントニオ・シウバ、そしてエメリヤーエンコ・ヒョードルを追って行きたい。選手として自分はそのくらい熟しているのかなと思います。藤田選手? もちろんやりたいですけど、なかなかやってくれないですし、僕は世界を見ています。 そこで世界のヘビー級で強い選手と言えばシウバとヒョードルじゃないですか。ヘビー級は今UFCでも(強い選手が)バラけている状態で、その中でヘビー級の強い選手が集まる戦極で戦えることにはやりがいがあると思っています。僕はまずオファーが来た選手としっかり試合をして、KOして結果を出したいと思います」 そして最後は「ヘビー級GPはいずれやらなければいけないと思いますし、やっぱり格闘技はヘビー級ですよ。僕はその中で常に主役であり続けたいと思います」と締めくくった中尾。宣言通りにムベをKOで倒し、戦極ヘビー級の主役に近づくことは出来るか?
ワールドビクトリーロード 「戦極〜第九陣〜」
2009年8月2日(日)さいたまスーパーアリーナ 開場14:00 開始16:00 <追加対戦カード>
▼戦極ヘビー級ワンマッチ 5分3R 中尾“KISS”芳広(TEAM TACKLER) VS チェ・ムベ(韓国/チーム・タックル)
▼戦極ライト級ワンマッチ 5分3R 光岡映二(フリー) VS クレイ・フレンチ(アメリカ/HIT Squad)
<決定対戦カード> ▼戦極ライト級チャンピオンシップ 5分5R
北岡 悟(パンクラスism/戦極初代ライト級王者) VS 廣田瑞人(GUTSMAN・修斗道場) ▼戦極フェザー級グランプリ2009 準決勝 5分3R
日沖 発(ALIVE/修斗世界ライト級3位・TKO世界フェザー級王者) VS 金原正徳(パラエストラ八王子/チームZST) ▼戦極フェザー級グランプリ2009 準決勝 5分3R
小見川道大(吉田道場/日本国際柔道大会66kg級優勝) VS マルロン・サンドロ(ブラジル/ノヴァウニオン/第2代フェザー級キング・オブ・パンクラシスト) ▼戦極フェザー級グランプリ2009 決勝
日沖×金原の勝者 VS 小見川×サンドロの勝者 ▼戦極ミドル級チャンピオンシップ挑戦者決定戦 5分3R
三崎和雄(GRABAKA) VS 中村和裕(吉田道場) ▼戦極ヘビー級ワンマッチ 5分3R 藤田和之(藤田事務所)
VS ブラゴイ・アレクサンドル・イワノフ(ブルガリア/SKアブソリュートブルガリア/韓国サンボ連盟)
▼戦極ヘビー級ワンマッチ 5分3R 中尾“KISS”芳広(TEAM TACKLER) VS チェ・ムベ(韓国/チーム・タックル)
▼戦極ライト級ワンマッチ 5分3R 光岡映二(フリー) VS クレイ・フレンチ(アメリカ/HIT Squad)
<出場予定選手> 郷野聡寛(GRABAKA) <チケット料金>
VIP席100,000円(専用入場ゲート・特典付き) RRS席30,000円 戦極シート(SS席)17,000円(特典付き) SS席17,000円 S席12,000円 A席7,000円 <お問い合わせ>
ワールドビクトリーロード=TEL:03−5381−7108 ●戦極2009年度スケジュール
8月2日(日)『戦極〜第九陣〜』(さいたまスーパーアリーナ):フェザー級GP準決勝、決勝 9月23日(水・祝)『戦極〜第十陣〜』(さいたまコミュニティアリーナ)
11月7日(土)『戦極〜第十一陣〜』(両国国技館) |