11月6日(土)東京・後楽園ホールで行われたダブル東洋太平洋タイトルマッチは、フェザー級の松田直樹、スーパー・ライト級の佐々木基樹、帝拳ジムのチャンピオン・コンビが明暗を分けた。
松田は、同級11位ジョネル・アリビオ(比国)とダウン応酬の末、6Rに右をカウンターされて痛烈ダウン。タオル投入のTKO負けで王座転落となった。一方スーパー・ライト級戦は、佐々木が同級12位ゲイスラーAP(インドネシア)の挑戦を7R1分7秒KOで撃退し、7月にランディ・スイコから獲得したタイトルの初防衛に成功した。
松田は初回偶然のバッティングで左眉をザックリ割られ出血し、以後流血に苦しめられた。2Rにアリビオの右強打を打ちおろされてダウン。3Rには逆に右を決めてカウントのお返し。その後も流血に苦しみながらの試合が続く。ペースを掴みかけたのも束の間、6Rに右をカウンターされて痛烈なダウン。カウント途中でタオルが入り、この回55秒TKOで松田の腰からベルトが失われた。「自分が弱かっただけ。粟生とか世界戦を控えているのに、俺が(帝拳ジムの)勢いを止めちゃって申し訳ない」と、松田は自らの敗北がジムの同僚に影響しないかと気遣っていた。
佐々木はインドネシア王者を読むのに少し手間取った。時折思い切りのいい右ストレートを放って対抗するゲイスラーは、近年この国から来日して日本選手の引き立て役を務める不甲斐ない選手と比べるとはるかにましだった。しかし7R佐々木の左フック一発でもろくもダウンすると、そのまま10カウントを聞いた。
この日の前座8回戦では元日本フライ級暫定王者五十嵐俊幸(帝拳)がメキシコの新鋭アルマンド・サンチェスと接戦を展開し、フルに戦って3−0判定勝ちを飾った。最近好調の五十嵐も、この日はKOならずとも油断のできない相手をしっかりアウトボックスし、日本タイトル前哨戦を飾った。 |