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▲金コーチとガッツポーズを見せる曙 |
7月28日(水)都内ホテルにて曙の「K-1 WORLD GP2004 in LAS VEGAS」への参戦が発表された。
曙は17日に韓国で行われた「K-1 WORLD GP2004 inSOUL」でWORLD GP出場権を賭けたアジアGPにエントリーしたものの、一回戦で中国の張慶軍に判定負けを喫した。この試合は結果だけでなく、試合内容に関しても完全に消化不良に終わった。特に張の自分の頭を曙の腰に押し付けて足をかけるといった老獪なテクニックやいわゆる技の「掛け逃げ」の前に練習の成果を出す事ができなかったからだ。
不完全燃焼のまま、精神的にすっきりしない日々が続いたという曙はラスベガス大会への参戦を自ら直訴。それを谷川プロデューサーが受ける形で参戦が決定した。
対戦相手のリック・ルーファス(USA)はかつて「ミスター・アメリカ」と呼ばれたほどの実力者。豊富なキャリアを武器に、相手の攻撃を逃げることも、打ち合うことも出来るテクニシャンだ。97年の「K-1 WORLD GP開幕戦」ではジェロム・レ・バンナに敗れはしたものの、先にダウンを奪い、翌年の98年には「K-1 USA GP」の王者に輝いている。曙にとっては武蔵戦や張戦に引き続き、テクニックを全面に出して戦うタイプが相手ということになる。
またラスベガスではネバダ州のコミッションの影響で通常のK-1の判定とは基準が変わってくる。ダメージよりも手数が重視される傾向があり、ヒザ蹴りに関しても細かな規制が設けられるのだ。
さらにジャッジだけでなく、ラスベガスは気候そのものも大きな敵だ。平均気温は45〜47℃。明け方でも30℃を切ることはない。K-1ファイターの中でもラスベガスでの試合を避けるファイターは多いという。あらゆる面で曙は厳しい戦いを強いられることになる。
K-1デビュー以来勝ち星がないことについて、谷川プロデューサーは「曙選手は国技である相撲で頂点に立った人ですが、K-1は全く別のジャンルで、別の難しさがあります。それがこの10年間で積み重ねてきたハードルの高さです。極真王者のフィリオやボクシング王者のボタのように、K-1は他ジャンルでトップになった選手でも簡単に優勝することは難しいもの」と手厳しいコメント。しかしその上で「当初は『打ち合って、当たった方が勝ち』のような選手も考えてはいたんですが、曙選手は本気でK-1王者になることを目指して頑張っているので、勝たせるような試合は組みたくないし、誰が見ても納得できるような試合にしました」と、曙の気持ちを受け止めた上で、あえて厳しいマッチメークにしたことを明らかにした。
またスーパーファイトとしてレイ・セフォー(ニュージーランド) VSレオ・ザ・アサシン(USA)、 ゲーリーグッドリッジ(トリニダード・トバコ) VSデューウィー・クーパー(USA)の対戦が決定した。
<質疑応答>
――ルーファス選手の印象は?
曙 強い相手と戦いたいということで谷川Pに選んでもらいました。「ミスターアメリカ」と呼ばれるだけあって、技術・経験も全然上。挑戦者として前に出て戦うだけです。
――試合まではどんな練習をする予定ですか?
曙 1ヶ月に2試合するのは今回が初めて。前回の試合では体の調子が良かったのに、練習したものを出せなかった。今回はキチッとトレーナーの言うことを守って練習するつもりです。
――具体的にはいつ頃から練習を始めたのですか?
曙 日曜に韓国から帰って来て、火曜日には練習を始めました。大阪から金コーチとタケル選手に来てもらって東京で練習しています。
――2戦連続で判定が続いてますが
曙 自分は完全燃焼したいという理由でこの世界に入りました。だから次負けたからやめるというつもりはないです。何とかこのハードルを越えて、見ている人たちの期待に応えられるように、頑張ります。気分的には勝っても負けてもKOで決めたいです。
――開幕戦の出場に関しては?
谷川P 内容を見て考えようと思いますが、現時点ではないです。
FEG「K-1 WORLD GP 2004 in LAS VEGAS」
2004年8月7日(土) ラスベガス・ベラージオホテル
<対戦カード>
▼スーパーファイト
曙(日本)
VS
リック・ルーファス(USA)
▼スーパーファイト
レイ・セフォー(ニュージーランド)
VS
レオ・ザ・アサシン(USA)
▼スーパーファイト
ゲーリーグッドリッジ(トリニダード・トバコ)
VS
デューウィー・クーパー(USA)
▼トーナメント1回戦 第1試合 K-1ルール 3分3R延長1R
カーター・ウィリアムス(USA)
VS
ブレック・ウォリス(ベルギー) K-1スカンジナビア予選王者
▼トーナメント1回戦 第2試合 K-1ルール 3分3R延長1R
ユルゲン・クルト(スウェーデン)K-1イタリア予選優勝
VS
マービン・イーストマン(USA)
▼トーナメント1回戦 第3試合 K-1ルール 3分3R延長1R
ヤン・“ザ・ジャイアント”・ノルキヤ(南アフリカ)
VS
アレクサンダー・ウスティノフ(ロシア) K-1ロシア予選優勝
▼トーナメント1回戦 第4試合 K-1ルール 3分3R延長1R
マイティー・モー(アメリカ)
VS
セルゲイ・グール(ロシア) K-1フランス予選優勝
▼トーナメント準決勝 第1試合 K-1ルール 3分3R延長1R
トーナメント1回戦第1試合の勝者
VS
トーナメント1回戦第2試合の勝者
▼トーナメント準決勝 第2試合 K-1ルール 3分3R延長1R
トーナメント1回戦第3試合の勝者
VS
トーナメント1回戦第4試合の勝者
▼トーナメント決勝 K-1ルール 3分3R延長2R
トーナメント準決勝第1試合の勝者
VS
トーナメント準決勝第2試合の勝者
勝者が開幕戦への出場権を獲得。
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