6月30日(水)東京・伊原ジムで、連覇を目論む魔裟斗(シルバーウルフ)が公開練習を行った。練習前に行われた囲み取材で、魔裟斗は「今までで一番調子がいい。誰とやっても負ける気がしない」「ここ数ヶ月でどんどん自信が付いてきた」「倒す気がなくても、(パンチが当たれば)倒れるんじゃないですか」と、いつも以上に自信に満ち溢れた表情を見せた。
今回は前売り券もすべて完売し、当日券としてS席とA席を若干残すのみとこちらも順調。これについて魔裟斗は「正直うれしいですね。ただ今の目標はMAXで3万人集めること。最近はPRIDEが盛り上がっているみたいですけど、MAXが一番面白いって思われるような試合をしたい」と、チャンピオンとしてだけでなく、大会のエースとして自覚あるコメントを残した。
また魔裟斗のパーソナルトレーナーを務めるケビン山崎氏によれば、今回の試合に向けて動体視力トレーニングを取り入れたのこと。
動体視力トレーニングは大きく分けて、眼球コントロール・周辺視野・瞬間視野の3つ。具体的には瞬間的に画面に映った数字を覚えるものや、目の前の大きなパネルの光った箇所を触るといったものだ。 山崎氏は「このトレーニングにより基本的な集中力も上がった。動体視力が上がったことで、首のぶれもなくなり、体幹も強くなっている」と評価する。
王者でありながらストイックに強さを追求する魔裟斗。この日もヌアトラニーコーチと実戦さながらの激しいスパーリング、飯田トレーナーとは細かいボクシングテクニックの確認を続けた。磐石の王者に付け入る隙はないようだ。
<記事全文>
――今の体調はどうですか?
普通です。
――仕上がりの方はどうでしょう?
普通です。
――減量は順調ですか?
…普通です(笑)。まあ練習が終わって1kgオーバーくらいですね。
――今回の試合に向けての対策は?
あまりしてないです。
――それはなぜですか?
自信があるからです。ビデオを見るくらいのことはしましたけど、今は誰とやっても負ける気がしません。今年ほど自信があったことはないですね。
――技術的・精神的にはどこが成長したんでしょうか?
どっちもです。去年の自分と今の自分が戦ったら、間違いなく今の自分が勝ちます。それに4月の試合があまりに悪すぎましたから。周りの人から悪いといわれた部分はすべて直しました。
――充実した練習が出来ているということですか?
自分でも久しぶりに頑張ったな、と思います。今まで一番やったんじゃないですかね。今はミットも見たくないですよ(苦笑)。ただここ数ヶ月でどんどん自信に満ち溢れてきましたね。
――会見での「引退」発言がクローズアップされましたが
あんなに大きく扱われるとは思ってなかったんですよ、何か見出しになるようなことを言おうと思っていただけで。僕は深く考えない気分屋ですからね。自分としてはとりあえず今年も来年も優勝するって言いたかっただけなんですよ。だから実際にその時になってみないと、何を考えているか分からないです。あんまり大きく扱われるから、逆に本当に3連覇したら引退しないといけないのかなってプレッシャーを感じますよ(苦笑)。
――やはりKOを狙っていきますか?
今だったら倒そうと思ってなくても、倒れるんじゃないですかね。
――その自信の源はどこから来るんでしょうか?
やっぱり練習が一番上手くいったからですよ。練習自体はそんなに大きく変わってないですけど、強くなっているという実感はあります。トレーナーに聞いてもらえば分かると思います。
――4月の試合の後には香港で映画の撮影があったそうですね。
向こうの撮影は夜に始まるんで、夕方はシャドーやったり走り込みをしてましたよ。ただ体を動かせない分、直したい部分をのんびり考えてましたね。僕は体を動かせると動かしちゃうんで、考える練習が出来たのは本当に良かったですね。
――前売り券が完売したということですが
正直うれしいですね。ただ今の目標はMAXで3万人集めること。最近はPRIDEが盛り上がっているみたいですけど、MAXが一番面白いって思われるような試合をしたいですね。
――世界王者としてのプレッシャーはありませんか?
別に挑戦を受けるという気持ちもないし、今まで通りですよ。第1試合から全力で行きます。負けることなんて考えてないですし、早くこのミットを蹴る生活から抜け出したいです(笑)。ただベルトを渡す気はないです。
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