Zuffa llc
「UFC152」
2012年9月22日(現地時間)カナダ・オンタリオ州トロント
エア・カナダ・センター
▼ライトヘビー級タイトルマッチ 5分5R
○ジョン・ジョーンズ(アメリカ/王者)
一本 4R54秒 ※V1アームロック
●ビクトー・ベウフォート(ブラジル/挑戦者)
本来は『UFC151』で行われる予定だったライトヘビー級タイトルマッチ。挑戦者がダン・ヘンダーソンからチェール・サネンに変わり、ジョーンズがサネン戦を拒否したことからタイトルマッチが延期。大会そのものが中止になるという事態を引き起こした。今回は元ライトヘビー級王者ビクトーが挑戦者となり、タイトルマッチが行われることになった。
1R、ジョーンズは四つんばいになりながら接近、ビクトーが蹴りを繰り出すとジョーンズは立ち上がる。すぐにタックルでテイクダウンを奪ったジョーンズだが、ビクトーがケージを蹴って身体を回転させ下からの腕十字! ジョーンズは持ち上げてビクトーをマットに叩きつけ、さらに揺すって強引に腕を引き抜く。ピンチをしのぎ上になったジョーンズはヒジ、これでビクトーは流血。
ビクトーはもう一度腕十字にいくが、これはジョーンズがかわす。さらにヒジを叩きつけていくジョーンズ。ビクトーの上半身が血に染まる。場内は「ビクトー」コール。しかし、ビクトーはジョンソンのヒジをもらい続ける。ジョンソンがマウントを奪ったところでラウンド終了。
2R、サウスポーのビクトーが左ストレート、右フック。ジョーンズは前蹴り、ヒザ関節への横蹴り、回転ヒジ。ビクトーも左ハイキックからの左フック2連発で反撃する。ジョーンズが前蹴り、左ミドル、左ハイキック、ヒザ関節への前蹴り。ビクトーをケージに追い詰めるとパンチの3連打。
ビクトーは組み付くとジョーンズを寝技に引き込む。ジョーンズは上からヒジを連発、ビクトーが下からの三角絞めを仕掛けると同時にこのラウンドが終了した。
3R、ジョーンズが前蹴り、ヒザ関節蹴り、左ハイキック。ビクトーが前へ出ようとすると必ず左の蹴りが飛んでくる。ジョーンズがボディへ左横蹴りを突き刺すと、ビクトーは自ら寝転がってジョーンズをグラウンドに誘う。その誘いに乗って上になるジョンソン。しかし、パンチを数発出しただけでジョーンズは立ち上がる。
ジョーンズはバックキック、前蹴り。ビクトーは組み付くとまたも寝技に引き込む。ジョーンズは左右のヒジとパンチ。ジョーンズの右ヒジが何度も顔面に叩き込まれる。
4R、ビクトーは左ハイキックからパンチにいくと、ジョーンズを寝技に引き込む。しかし、ジョーンズがサイドポジションを奪い、顔面へヒジを連打! そこから一気にV1アームロック! ビクトーはたまらずタップ。柔術黒帯のビクトーから関節技で一本を奪うという恐るべき強さを見せ、ジョーンズが4度目の防衛に成功した。
ジョーンズは1Rを振り返り、「あんな風に極められるとは思わなかった。きつかった。腕の感覚が麻痺してしばらく力が入らなかった」と、かなりのピンチであったことを告白。「相手の様子を見て有効なテクニックを選んだ。勝てていい気分です。(前回のキャンセルで)いろいろ言われたけれど感謝します。新しいチャンスをつかめばいいと思っていました」と語った。
敗れたビクトーは「彼の腕がもう少しで耐え切れなくなると思ったが……彼の蹴りがアバラに響いた。彼は動きが機敏で技が正確。だから彼がチャンピオンなのだろう。彼の方が一枚上手だったということ」と王者を称えた。
▼フライ級王座決定戦 5分5R
○デメトリアス・ジョンソン(アメリカ)
判定2−1
●ジョセフ・ベナビデス(アメリカ)
※ジョンソンが初代王座に就く。
UFCフライ級初代王者がついに決定する。王座決定戦に臨むのはUFC3連勝、日本の漆谷康宏をTKOに破っているベナビデスと、山本“KID”徳郁から勝利を収め、昨年10月にドミニク・クルーズの保持するバンタム級王座に挑戦したジョンソン。両者ともバンタム級からフライ級に転向した選手だ。
1R、両者とも速いパンチとローを繰り出し、ベナビデスはタックルも混ぜる。ジョンソンの前蹴りにベナビデスはバックブロー。果敢にタックルを仕掛けていくベナビデスだが、なかなかテイクダウンを奪えない。ジョンソンの右ストレートをもらうと、ベナビデスの顔色が変わり、パンチとタックルで突っ込んでいく。
2R、ジョンソンはサウスポーに構えるとベナビデスもサウスポーに。両者構えをスイッチしながらのパンチ、ベナビデスは右フック3連発。ジョンソンの右フックにベナビデスが右フックを返し、これがクリーンヒット。さらに左右フックでジョンソンを追い詰める。
3R、両者とも構えを左右にスイッチする。ベナビデスは前蹴り、横蹴り、パンチからタックルと多彩に攻める。ジョンソンはジャブ、べナビディスは飛び込みざまに右フック。両者のパンチが空を切る場面が多い。ようやくベナビデスがタックルでジョンソンに尻餅をつかせたが、ジョンソンはすぐに立ち上がる。べナビディスの左ミドルに右フックを合わせるジョンソン。
4R、ジョンソンの右ローにベナビデスが右フック! これでジョンソンが倒れる。すかさず寝技にいくベナビデスが上からフロントチョーク! これが外れるとジョンソンは下からのヒールホールド。すぐにベナビデスが上になってヒジ、サイドポジションを奪うが、ジョンソンが立ち上がる。ヒザ蹴りを見舞うジョンソンに、引き込むベナビデス。両者立ち上がるとヒザ蹴りの応酬からジョンソンがタックルでテイクダウンするが、ベナビデスもすぐに立ち上がる。しかし、ジョンソンが両足タックルでテイクダウンに成功し、サイドポジションを奪った。
5R、ジョンソンがタックルから高く持ち上げてテイクダウン、ベナビデスが立ち上がるとバックを奪って持ち上げ、マットに叩きつける。しかし、ベナビデスはすぐに立ち上がる。両者パンチを繰り出す中、ジョンソンがまたもタックルでベナビデスをテイクダウン。ジョンソンが立ち上がると離れる。両者のパンチが空を切る中、タックルでのテイクダウンも狙う両者。テイクダウンもクリーンヒットもなかなか決まらず、場内にブーイングが起こる中、試合終了となった。
判定は2−1と割れたが、初代王者はジョンソンに。UFCに新たなる歴史が刻まれた。
▼ミドル級 5分3R
○マイケル・ビスピン(イギリス)
判定3−0
●ブライアン・スタン(横田飛行場)
ヴァンダレイ・シウバ、ダン・ヘンダーソン、秋山成勲、デニス・カーンといったそうそうたる面子と戦ってきた歴戦の雄ビスピン。対するは元アメリカ海兵隊員という経歴を持つスタンだ。
1R、パンチで前に出るビスピンにスタンも右ストレートを返す。ビスピンはスタンをケージに押し込んでヒザ蹴り。離れるとスタンが綺麗なボクシングで攻めていく。ビスピンはジャブでけん制し、タックルでケージに押し込む。離れ際にはヒジ! 両者近い間合いでパンチとローの応酬。ビスピンが組み付き、首相撲からのヒザ蹴りを見舞って離れるところ、スタンの右フックがクリーンヒット! ビスピンが大きく後退する。
2R、パンチで前に出るスタンにビスピンがタックル、リフトアップしてスタンをマットに叩きつけ、テイクダウンに成功する。サイドポジションを奪ったビスピンだったが、スタンが引っくり返して上になる。パンチを落とすスタン。ビスピンは立ち上がってヒザ蹴り。パンチの応酬からビスピンが再びタックルからリフトアップしてテイクダウンに成功し、アームロックを狙う。
3R、ビスピンがすぐにタックルでスタンに尻餅をつかせるが、スタンは立ち上がってワンツー。ビスピンの右フック、スタンは右ロー。スタンは左目尻から血が流れ落ちる。タックルにいくビスピンだが、ケージに押し付けたところで逆にスタンのヒザをもらって離れた。左右フックを振り回して前へ出るスタンに、ビスピンはジャブとワンツーで距離を取る。最後にビスピンがタックルを2度仕掛け、判定勝ちを収めた。
▼ライトヘビー級 5分3R
○マット・ハミル(アメリカ)
判定3−0
●ロジャー・ホレット(カナダ)
地元カナダのホレットはここまで5連勝中、UFCには初出場となる。対するハミルは2011年8月の試合を最後に一度引退を表明したが、今回復帰戦を迎えた。
1R、ハミルは両手を広げるような構えで前へ出る。ハミルのジャブ&ローに対してホレットは右ストレート。前に出て挑発するハミルに対し、ホレットは防御に回る場面が多い。ハミルは片足タックルからの胴タックルでテイクダウンし、バックを奪って顔面へパンチを連打。ホレットは亀になって固まってしまう。立ち上がったホレットが飛びヒザ蹴りから左フックを見舞ったところでラウンド終了。
2R、ホレットが右ボディストレート、左フック、バックキック。左アッパーでボディも叩く。このラウンドはパンチで積極的に攻めるホレットだったが、ハミルにタックルでテイクダウンされて下になり、パンチをもらう。下から蹴って脱出したホレット。両者見合いになり、場内からはブーイングも起こる。両者ともバテ気味でスローモーな展開に。ハミルがホレットの左フックをかわしてバックに回り、持ち上げてマットに落とした。
3R、ホレットはボディパンチ、ハミルはジャブを単発で出す。ハミルがタックルでテイクダウンを奪い、バックを奪ってのパンチ。両者かなり疲労が激しい。立ち上がったホレットだが、すぐにハミルにタックルでテイクダウンを奪われてしまう。こう着状態にブレイクがかかり、両者スタンドに。しかし、すぐにハミルが両足タックルでテイクダウン。そこで試合終了となり、ハミルが判定勝ちした。
※この大会は「WOWOWライブ」にて9月27日(木)深夜0:00〜再放送あり。次回は10月14日(日)20:10〜WOWOWプライムにて「UFC153」を放送。
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