Zuffa llc
「UFC153 Silva vs Bonnar」
2012年10月13日(土・現地時間)ブラジル・リオデジャネイロ・HSBCアリーナ
▼メインイベント(第12試合) ライトヘビー級 5分3R
○アンデウソン・シウバ(ブラジル)
KO 1R4分40秒
●ステファン・ボナー(アメリカ)
本来ジョゼ・アルドのフェザー級王座防衛戦がメインとなるはずの今大会だったが、アルドが負傷により欠場。愛するブラジルでの大会の危機にミドル級王者アンデウソン・シウバが緊急出場を決意し、ライトヘビー級戦でステファン・ボナーと対戦することとなった。
1R、やる気を見せるボナーがダッシュで駆け寄るが、アンデウソンはこれを横へのステップで逃れる。しかしここでアンデウソンが足を詰まらせたようになり、そこを逃さずボナーが組みつきテイクダウンを狙う。
ボナーはヒジ打ち、クリンチアッパーを打ち込みテイクダウンに繋げんとするが、アンデウソンは倒れずにこらえ、逆にボナーを金網側に回したりもする。しかしここは再びボナーがアンデウソンを金網に押し込み、ボナーがパンチを浴びせて2人の体が離れる。
金網を背にして立つアンデウソンはノーガードでボナーに打って来いと挑発する。ボナーが左右ストレートを見舞っても、瞬時に顔を捻ってダメージを負わないアンデウソン。
組み合いから腕を取り、さらに外掛けでボナーのバランスを崩したアンデウソンはダッシュで追い掛け、左ヒザを突き上げ腹部を痛打。これでうずくまったボナーにパウンドを送り、ここでレフェリーが試合をストップした。
メインを勝利で飾ったアンデウソンは「私はナンバー1ではありません。できうる限りのことをやっているだけです。チーム・ノゲイラのおかげです」と話し、今回はライトヘビー級契約での一戦となったが「まだまだミドル級でやっていくことがあります。今回はこの大会を救うためにやったことです」とライトヘビー級への転向については否定していた。
▼セミファイナル(第11試合) ヘビー級 5分3R
○アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ(ブラジル)
一本 2R4分31秒 ※腕ひしぎ十字固め
●デイブ・ハーマン(アメリカ)
1R、10ヵ月ぶりとなる復帰戦に臨むノゲイラはハーマンの左ミドルを浴びてもひるまず前に出る。組みついてテイクダウンを狙うが、ここは逆にハーマンが投げてグラウンドへ。ノゲイラはもぐりスイープを狙うが、ハーマンはこれを察知して立ち上がる。
やる気を見せるノゲイラは、右ストレートを伸ばして組みに行く。そしてハーマンが放ってきた左ミドルをキャッチし、そのまま金網に押し込む。しかしここはテイクダウンに至らず、ハーマンが金網際から逃れる。
ノゲイラは左フックを当て再び右ストレートを伸ばす。しかしハーマンはバックステップして距離をあける。ノゲイラはこれに対し、パンチを放ちながら組みついてハーマンを金網に押し込む。だがハーマンはここもテイクダウンまで持って行かせず、ノゲイラから離れて距離を取る。
左ミドルを打ち込むハーマンだが、ノゲイラはそこへストレートを放って密着。しかしレスリングの下地を持つハーマンは腰が強く、ノゲイラに逆に投げを打ち、テイクダウンを奪われることなく初回を終える。
2R、両者手が触れ合うぐらいの位置から連打で入ったノゲイラは左フックでとらえ、ハーマンがダウン。すぐさまパスしてサイドポジションにつく。そしてハーマンの右腕をアームロックで絞り上げながらマウントポジションに。ハーマンは体を動かし逃れんとするのだが、ノゲイラはまずバックポジション、そしてそこから腕十字の体勢に入りフィニッシュを狙う。
動いて腕十字を逃れたハーマンにオモプラッタを狙ったノゲイラだが、ハーマンが腕を引き抜き立ち上がる。
両者組み合いからハーマンが内股でテークダウン。しかしグラウンドではノゲイラを警戒して深追いせず立ち上がってスタンドへ戻る。
やや疲れが見えてきたハーマンをとらえたノゲイラは腰をクラッチし小外掛けでテークダウン。そして腕十字に入り、ハーマンはクラッチしてこらえるのだが、最後は腕を伸ばし切りハーマンがタップ。母国での復活勝利を観客はテンション高めの大歓声で称えた。
勝利後ノゲイラは、「ハーマンはずっと柔術は効かないと言っていたので、そんな彼にサブミッションで勝つことができてすごく嬉しいです」と話し、母国のファンと喜びを共有した。
▼第10試合 ライトヘビー級 5分3R
○グローバー・テイシェイラ(ブラジル)
TKO 2R終了
●ファビオ・マルドナド(ブラジル)
1R、テイシェイラが自信を持った様子で前に出て左フック、右クロスと浴びせるとマルドナドは頭を抱えるように前方へ倒れる。
テイシェイラはグラウンドでバック→マウントとポジションを変え、パンチとヒジを容赦なく振るう。マウントを崩して逃れんとするマルドナドだが、テイシェイラはバランスがよくマウントをキープする。
強烈なヒジでマルドナドを襲ったテイシェイラはそこから肩固め。これが極まらないと見るやテイシェイラは再びマウントに戻り、パウンドを集める。ヒジも振るわれ絶体絶命に思われたマルドナドだがここから逃れて立ち上がるのに成功。
しかしマルドナドは足がフラついており、、やはりテイシェイラの右ストレートと左フックにさらされる。だが、ここでマルドナドの左フックががヒットしテイシェイラがフラつく。やや驚いた風のテイシェイラだったが追撃は許さず、ハイキックを見舞って1Rを終える。
2R、テイシェイラはタックルに入り難なくテイクダウン。マルドナドが立ち上がろうとするが、テイシェイラはここで背後につく。しかしマルドナドは振りほどいてスタンドに戻る。
マルドナドのジャブがテイシェイラをとらえるが、テイシェイラは直後にタックルへ入りテイクダウン。そして1Rと同様にマウントポジションを奪う。しかし下からマルドナドが崩してハーフガードに。テイシェイラはサイドにポジションを進めるものの決めあぐね、試合をフィニッシュするに至らない。粘りと意地を見せるマルドナド。ここでレフェリーがブレークを掛け両者を立たせる。
このタイミングでマルドナドにドクターチェックが行われるものの再開。マルドナドは足がフラついており、テイシェイラの左フック、右ストレートを受けてしまう。
3Rの開始が待たれるが、ここでレフェリーとドクターは協議の上で試合をストップ。テイシェイラのTKO勝利となった。
▼第9試合 ウェルター級 5分3R
○ジョン・フィッチ(アメリカ)
判定3-0 ※30-27、29-28、29-28
●エリック・シウバ(ブラジル)
1R、ともにオーソドックス。シウバはしかし時にサウスポーにも変わってフィッチをかく乱する。
フィッチが組みに行ったところでシウバはヒザを合わせるが、ここはフィッチが勝ってシウバを押し倒してテイクダウン。シウバが立ち上がろうとしたところでフィッチは背後につき、そこからスリーパーを狙う。だがシウバが左脇の下でフィッチの左手を掴んでおり、ならばとフィッチは自由になっている右手でシウバの顔を殴る(2人は立った体勢のまま)。
フィッチはシウバの背後から離れない。そこから少しズレてサイドにつく体勢となったのでフィッチはスタンディングの肩固めを極めにいくが、ここでシウバが振りほどいて2人は中央に戻る。
シウバは蹴り上げるような前蹴りから右スイングフック。そこからフィッチを金網に押し込む。しかし体を離そうとしたところで逆にフィッチが前へ出てきて、そこから背後に回り込む。しかしここはシウバがフィッチと正対し、フィッチを逆に金網に押し込む。だが、やはりシウバはここでの展開は望んでなく、フィッチにヒジを放ちながら自ら体を離す。
首相撲にとらえヒザを突き上げるシウバだが、フィッチはそこへタックルを合わせ金網まで押し込む。そしてコントロールして背後に回ると、やはりシウバをグラウンドへと運ぶもここで終了のブザー。
2R、シウバがバックブローを放ち、フィッチはその直後にタックルで出る。しかしシウバはこれを切り、逆に足払いでフィッチを前方にコカす。腹固めのような体勢でフィッチをとらえたシウバはそこから速い動きでフィッチの背後につき、スープレックスを狙うもしかしこれは投げられず。フィッチが体を離す。
フィッチの戦法は変わらず、シウバを金網に押し込む。金網を背にテイクダウンをこらえるシウバ。フィッチが投げを打つもののすっぽ抜けてしまい、逆にシウバがフィッチのバックにつく。そしてグラウンドに持ち込みスリーパー。シウバの腕がのど元にしっかり入るが、フィッチは腕を引き剥がして極めさせない。
そこからフィッチは残り40秒のところで正対してすぐ立ち上がり、パウンドを打ち込むと背を向けたシウバの背後につき、一気に腕十字で腕を伸ばし切る。しかしシウバは体を回転させてこれを極めさせず2Rを乗り切る。
3R、フィッチは右クロスからタックルで出て、シウバがややこらえたものの、ここはフィッチが倒し切りテイクダウン。シウバはスタミナが切れているか、動きに精彩がない。
グラウンドでハーフマウントになったフィッチはそこからスリーパーを狙い、これがままならないとパウンドで襲う。しかしシウバはフィッチを前方に落とし、フィッチの頭部を前方からとらえて右腕でフロントチョーク。だが、フィッチは右手でパンチを送ってシウバのフロントチョークを崩す。
シウバは体力を失っており迫り来るフィッチから逃れられない。立ち上がろうとすればグラウンドに戻され、グラウンドではフィッチのパンチにさらされる。フィッチはバックマウント→マウントとポジションを変えながらパウンドを集めるが、レフェリーはストップせず、シウバは打撃を浴び続ける。なんとか逃れて立ち上がるシウバだが、反撃の余地はなく終了。
判定は30-27、29-28、29-28の3-0でフィッチ。得意の戦法にはめ込んで逃さず勝利した。
▼第8試合 ライトヘビー級 5分3R
○フィル・デイビス(アメリカ)
アナコンダチョーク 2R4分29秒
●ヴァグネル・プラド(ブラジル)
1R、前回デイビスの指が目に入ってしまい無効試合となってしまったため、再戦が組まれた一戦。
プラドは地元の大声援を受けサウスポーに構える。見事な逆三角形ボディのデイビスはタックルで組みつくが、これはプラドがバックステップして振りほどく。
しかし右クロスから2度目のタックルに出たデイビスはこれを決め、プラドをテイクダウン。デイビスはプラドに金網を背にさせる。立ち上がろうとするプラドだが、デイビスはそこを背後につく。デイビスはいったん正面に戻るが、ここでプラドが立ってくると、デイビスは逃さず再びタックルでテイクダウンしてグラウンドに戻す。
金網を背にするプラドにデイビスは拳を浴びせ、何とか逃れてプラドが立ち上がっても腰をクラッチしてデイビスがしつこくグラウンドに戻していく。
2R、デイビスはこのラウンドもタックル狙いで歩を進める。プラドもこれを重々承知で、デイビスが出てくるとバックステップして間合いをあける。
しかしデイビスは跳びヒザを放ち、着地と同時にタックルで出る。何とか切らんとするプラドだが、デイビスはしつこくタックルの体勢で前進しプラドをテイクダウン。しかしプラドも尻もちをついた体勢から強打を打たせず短い間で立ち上がり中央に戻る。
デイビスはタックルを止めず、低い形のタックルで足へ入ると、そのまま金網まで押し込み、ここでプラドをテイクダウン。ややスタミナが切れてきたプラドにデイビスはヒジ打ちを入れながらパスを進め、肩固めを極めに掛かるが、これは汗で滑ったかプラドが脱出。しかしデイビスは前方からプラドの首をとらえてスピニングチョーク。これを極め切ってタップさせ、今回は完全決着をもたらした。
▼第7試合 ウェルター級 5分3R
○デミアン・マイア(ブラジル)
一本 1R2分32秒 ※リアネイキドチョーク
●リック・ストーリー(アメリカ)
1R、小気味よいステップでパンチを浴びせていかんとするストーリーだが、マイアが沈み込むようなタックルで組みつき、そこから外掛けでテークダウン。ストーリーが立ち上がろうとしても、マイアは金網に押し込んで立たせずグラウンドに留まらせる。
立ち上がろうとするストーリーの動きを利して背後についたマイアはそこからフェースロック気味にスリーパー。これでストーリーをタップさせ、短期決着に終わらせた。
|