12月16日(木・現地時間)アメリカ・アリゾナ州フェニックスで開催された金網総合格闘技イベント『WEC53』にて、格闘技史上でも珍しい大技が炸裂した。
同大会で行われたWEC世界ライト級タイトルマッチで、チャンピオンのベン・ヘンダーソン(アメリカ)に挑戦したアンソニー・ペティス(アメリカ)が、最終5Rに繰り出した蹴りがそれだ。
ヘンダーソンがバックステップで距離をとろうとした瞬間、ペティスはリングを囲っている金網に向かってダッシュ。金網を右足で蹴ると、その反動を利用して右足でジャンピングハイキックを叩き込んだのだ。意表を突かれたヘンダーソンは後方に倒れ込み、完全にダウン状態に。勝敗は判定となったが、ペティスが勝利を収めた。
この大技はまさに劇画『空手バカ一代』(梶原一騎原作・1971〜1977年まで連載)で、主人公の極真空手創始者・大山倍達が、プロレスラーのタム・ライスをKOした三角飛び(蹴り)そのもの。劇画の中でこの技は「大山倍達でさえ全盛期の20代でしか出来なかったという空手の秘技中の秘技」として紹介されている。
39年の時を経て、総合格闘技の試合で再現されるとは、原作者の梶原一騎も天国で驚いていることだろう。
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