12月6日(日)都内ホテルにて、昨日5日(土)神奈川・横浜アリーナで開催された『K-1 WORLD GP 2009 FINAL』の一夜明け会見が行われた。
会見の冒頭、K-1イベントプロデューサーの谷川貞治FEG代表は「海外のファンからも絶賛をいただき、K-1ここにありというイベントを見せられたと思います。シュルト選手のファイナル3試合は合計6分にも満たない時間(5分53秒)での連続KOで、これはもう破れないんじゃないかという記録だと思います。ホーストの記録を上回る5回目の優勝の新記録も夢じゃない。怪我もアーツのアバラが折れたくらいで大怪我した選手もなく、ハリトーノフはあれだけ蹴られたのにただの打撲でした」と大会を総括。
続いて、アーネスト・ホーストが保持する史上最多4度目の優勝とタイ記録を樹立したセーム・シュルトが挨拶。
「昨日の試合は短すぎて私のコメントも短くなってしまうよ(笑)。トーナメントも素晴らしかったし、全試合1Rで終わって嬉しい。2試合目(レミー・ボンヤスキー戦)が長く感じたので最短記録が生まれるとは思っていなかった。来年はさらに実力を上げてトーナメント制覇5度目の記録を作りたい。今回は試合相手にも恵まれたし、4度目の優勝を嬉しく思っている」と、ダブル記録樹立にも物足りない様子だ。
「試合相手にも恵まれた」というのはラクな相手だったという意味ではなく、「トーナメントの前にあった評判を払拭できたから」だと言う。「ジェロムはK-1を象徴するようなレジェンド的な選手だし、レミーとバダは自分が出られなかった昨年のGPのファイナリストだから、その2人に勝てたことは意味がある。自分が真のチャンピオンであることが証明されたと思う」。
短期決着で「全くダメージがない状態だよ」と笑うシュルトは「その質問(身体のどこかに痛い箇所はないか?)にコメントできるように、来年の決勝トーナメントは8人ではなく16人でやってもらえれば、少しはダメージがあって質問に答えられると思うよ」と余裕しゃくしゃくでジョークを飛ばすほど。
しかし、それだけノーダメージなら大みそか『Dynamite!!』のオファーが来ればすぐに返事が出来るのでは? と質問されると、「それはどうでしょうか?」と笑って受け流した。
試合が終わった後は優勝祝賀パーティーをホテルの自分の部屋で行っていたが、「騒ぎすぎてうるさいと注意されたので、ロビーに出て続きをやっていたらそこでもうるさいと言われてお開きになった(笑)」のだという。「朝6時まで騒いでいたからね。そのまま朝食をとって、今まで全く寝ていません。大丈夫かって? チャンピオンだから大丈夫(笑)」とごきげんだ。
4回の優勝を振り返って一番辛かったのは何年のトーナメントだったかを聞かれると、「どのトーナメントも辛かったということはない。ただ以前、バンナ、アーツと闘った時のトーナメント(2007年)がK-1創生期を支えたレジェンドたちとの闘いだったから、難しいトーナメントだったと言えるかもしれません」と答える。
賞金の使い道については「具体的には考えてない」というが、「家を購入したりしてお金がかかるから、そういうことに使っていきたい」と堅実的。「K-1のファイトマネーでマイホームを購入したので、新居が手に入ったのはK-1のおかげだよ(笑)。出来るなら現金でいただいて、お金が詰まったスーツケースを毎日見てニンマリしたいね。以前、パンクラスで闘っていた時はファイトマネーを現金でもらうことがあったので、もらったお金をベッドにばらまいて“これだけ稼いだんだ”と実感していたことがあったよ。今は銀行振り込みだから、どれくらい稼いだのかピンとこないんだ」。
圧倒的な強さを発揮したとはいえ、シュルトもすでに36歳。年齢からすると現役生活は長くはなさそうだが……「ダメージや怪我の回復には若い時よりも時間がかかるようになった。それに疲れが抜け切らないこともある。でも、若い選手と比べると練習メニューは密度が濃いので劣っているとは思わないね」。
さらには引退の時期についても語る。「どれくらい続けるのかは分からないが、自分は落ち目になってやめるのではなく、最高のタイミングでやめたいと思っている。そのベストのタイミングがいつなのかを見極めるのは難しいけれどね。ただ、あと1〜2回は優勝の記録を伸ばしたいと思っている。練習と試合をどれくらい楽しめるか、楽しめなくなったら終わりなので、あと数年はやっていこうと思っている」と、ホーストの記録を超える単独首位の5〜6度優勝を目指すと宣言した。
★12・5「K-1
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