↑ミドル級(−70kg)で世界ベスト8に勝ち上がった佐藤(左)と長島(右)、ライト級(−60kg)で優勝した大和(中央)
7月5日(月)東京・国立代々木競技場第一体育館で開催された『K-1 WORLD MAX 2010〜−70kg World Championship Tournament FINAL16』の一夜明け会見が、6日(火)都内ホテルにて行われた。会見には「−63kg Japan Tournament」(ライト級)で優勝した大和哲也(大和)、「−70kg World Championship Tournament FINAL16」(ミドル級)で勝ち上がった佐藤嘉洋(名古屋JKファクトリー)と長島☆自演乙☆雄一郎(魁塾)、そして谷川貞治FEG代表が出席。
「悪い試合がひとつもない、いい大会になったと思います。選手の皆さんがいい試合をしてくれたことに感謝すると共に嬉しく思っています」との谷川代表の総括から会見は始まった。大会のメイン企画であるライト級トーナメントは8試合中5試合がKO決着、特に決勝戦は壮絶なダウンの応酬で場内を熱狂させる激闘が繰り広げられたことに、ファン同様谷川代表も大満足だったようだ。
「新しく始めたライト級63kgのトーナメントで大和選手が優勝しました。価値のある素晴らしいチャンピオンが誕生して、幸先のいい明るいスタートが切れたと思います。決勝戦は本当にいい見応えのある試合でした。ただ集まって一番を決めたのではなく、いい試合で喜ばしい。いいチャンピオンが出ただけでなく、チーム・ライト級というか、63kgの選手全員の勝利だったんじゃないか。みんな1回戦から凄いテンションで、とにかくこの階級を作って行くんだという想いがいいチャンピオンを生みましたし、ライト級が素晴らしい大会になりました。
負けたとはいえ松本選手とか裕樹選手は勝ちっぷりも負けっぷりもよかったですし、上松選手も悔しいとは思いますが挫けることではない。紀左衛門選手もよくやった。思い起こせば最初63kgをやる時に、名前の挙がっていた大月(晴明)選手、山本(真弘)選手、“狂拳”竹内(裕二)選手、石川(直生)選手、キックの関係者はそういう人たちの名前を挙げていたんですが、結果的には大和選手、久保選手、紀左衛門選手といった若い世代が現役バリバリのキックボクシング団体のメインイベンターに勝ったのもよかったし、KID選手や高谷(裕之)選手といった総合の選手を混ぜた方がいいんじゃないかと言っていたんですけれども、こういう若い世代が出てきたのが何よりも嬉しいです。大和選手も久保選手も22歳ですし、紀左衛門選手も21歳。やがてはK-1甲子園組のHIROYA君たちが出てくると思いますが、そういう世代が63kgをどんどん面白くしてくれればな、と思っております。
70kgに関しては特に佐藤選手と優弥選手の試合が特によかったです。本当に感動するいい試合でした。人前で闘うことに練られてきた2人という感じがします。優弥選手は去年1年間で本当に成長しましたし、ただ勝つだけでなく周りの人の応援や世間の目を含めて学んできたと思います。佐藤選手はそういう問題をクリアしてきて、今年はいけるんじゃないかという感じがします。中島選手に関してはその部分がまだまだ足りなかったんですけれど、ポテンシャルの高い選手ですからもっと経験を積んで海外などでやっていけば。才能のある選手なのでまた頑張って欲しいです。
自演乙選手に関してはギリギリの中で勝ったということで、とりあえずこれでVS外国人をクリアしたので、10月の後半に(70kgの世界)決勝トーナメントがあると思いますが、そこまでに時間があるので今年は去年の優弥選手のように長島選手が大化けするように期待しております。サッカーもそうですが日本人が強いと盛り上がりますので、佐藤選手と自演乙選手だけになってしまいましたが、この2人の中でぜひチャンピオンを目指してもらいたいと思います。
世界トーナメント(FINAL16の残り5試合)に関しては、9月の前半にフランスが候補ですが、早急に固めて残りの5人を決めたいと思います。それから決勝戦は10月の後半で調整して、今度は70kgでいい試合をしてくれればな、と思う次第です。
そして63kgは来年世界トーナメントをやると思いますので、それまでにKrushさんやRISEさん、いろんな団体もそうですが、非常にいい環境の中でやっておりますので、その中で選手が経験を積みながらやっていきたいと思います。僕は大和選手と久保選手に関しては、ある意味で70kgよりも世界に通用するかもしれない素材だと思っていますので、楽しみにしています。
10月に関しては63kgの大和選手、久保選手とか活躍した選手はスーパーファイトでチャンスを作ってどんどん顔を売っていってもらいたい。出来ればこの2人は外国人とやらせたいと思っています。強いヤツを探してきますので、厳しい闘いになると思います。外国人選手も実力とキャラクターを兼ね備えた選手を発掘してきますので、しんどいと思いますがそこを乗り越えて盛り上げていただければなと思います
新しい今後10年間のスタートラインで新しい希望が出てきたと思いますし、その中で特に佐藤選手は今がいいところに来ていると思いますので、ぜひ期待していただきたい。70kgも63kgも若手がどんどん出てくると思うので、これをどう育てるか。K-1MAXは年間4試合しかやってないので、そこでどうするかも含めて考えていかないといけない。63kgが上手くいったので、来年は数を増やせればいいなと思っています」
しかし、TBSで放送された地上派中継の視聴率の話題になると、谷川代表はやや渋い表情。平均で9.0%だったという。「MAXで一桁は初めてですね。コア層のプロモーションは完璧に近かったけれど、マスが離れている。TBSさんも含めてマスをこれから取り戻したいと思います。ただ、視聴率と言ってもキワモノばかりを出しても、昨日のような感動は与えられない」と、一般層へ向けて再度格闘技をアピールしていくと語った。
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