8月10日(火)東京・大森のゴールドジムサウス東京アネックスにて、8月22日(日)東京・両国国技館で開催されるワールドビクトリーロード『SRC 14』に出場する郷野聡寛(フリー)の公開練習が行われた。郷野はGRABAKAから独立してフリーとしての第一戦を、元K-1ファイターのジャダンバ・ナラントンガラグ(モンゴル/チーム朝青龍)と行う。
公開練習ではなくマジ練習だった。内藤大助のトレーナーとして知られる野木丈司ボクシングトレーナー指導の下、ボクシングの個人レッスンを受ける姿をマスコミに公開したのだ。野木トレーナーが持つテコンドー用ミットに素早いコンビネーションパンチを放ち、時折ミットで攻撃してくるところをステップワークとブロッキングでかわす。単なるミット打ちではなく、技術指導を受けながらの本格的なレッスン風景だった。
今回、高校生以来となる70kgまでの減量を敢行、初のライト級での試合となる郷野。「今の体重は75〜76kgくらい。減量は順調です。初めてのことなので不安はありますが、こればかりはやってみないと分からないですね」と不安を口にするが、「スピードとキレが上がりましたね。俺は年齢を重ねる毎に体重を減らしているので、トシをとる度にスピードとキレが上がっている。若い内からこの体重でやっていたら、俺はどれだけ速かったのだろうと思うくらい。だから年齢は関係ない。立っても寝てもこう動きたいと思った時に、パッと身体が反応してくる。自分でもビックリするくらい速く動けますよ」と、減量の成果を感じている。
主力武器であるボクシングに関しては、「今だから言えるけれど、去年、野木さんと始めた時は基礎をもう1回やった。1年かけてやっと野木さんに教わることが出来るベースが出来て、今やっと応用をその上に積み上げることが出来た。やっとコンビネーションが出来るようになったんですよ。その自覚が持てたのは3月の試合が終わった後くらい。それからは今までにないくらいシャドーやサンドバッグが楽しい。俺はボクシングの初心者なんだって自覚しましたね。逆に言えばボクシングの初心者であそこまでやっていたのが凄いって書いておいて下さい(笑)」と、土台作りからやり直していたと明かした。
「野木さんに教わっていても吸収は早い方だと思う。そういう自分の土台は、これまで教わった先生やトレーナーの方たちの教えがあって今の俺がある。改めて感謝の気持ちが出てきますね。応用よりも基礎。シンプルなのが一番。何回も繰り返すことによって身体に染み付いた基本の技が、自分を助けてくれる。だから今は基礎ばかりですね。
今度の試合もジャブ、ワンツーをしっかり当てて自分のリズムを作る。それが出来れば“あ、行こう”と思った時にいいのが打てる。基礎がしっかり出来ていないとそれが打てないんですよ。得意のジャブと右ストレートで距離をつかんでゲームを作っていけるか、それが出来ないと何も始まらない」
ボクシング好きの郷野はかつてロイ・ジョーンズ・ジュニアやジェームズ・トニーのスタイルを目指していたが、現在はフロイド・メイウェザー・ジュニア(史上最速のスピードスターと言われ、史上初めて全勝のまま5階級制覇を達成、2008年に一度引退するまで全階級を通じて最強のボクサーと評価されていた選手)にハマっているという。
「デジタル放送がダビング出来なくて、ハードディスクの中に4年分くらいボクシングの試合が溜まっている。自分が改めてボクシング技術を基礎から作り直してみると、最近の試合はスーパー過ぎて難しい。だから最近はメイウェザーのデビュー戦から見ていますね。野木さんから教わる技術がそのまま使われていたりして、俺にも分かる。だからデビュー戦あたりをよく参考にしています」
対戦相手であるナラントンガラグの映像も見て研究しているが、「K-1の映像を見ているけれど、MMA(総合格闘技)の試合がKID戦のくらいしかなくて、あれはほぼ参考にならない(苦笑)。MMAをモンゴルで何戦かやっているらしいので、SRCで手に入れてくれないかな〜」とSRC広報の顔を見る郷野。
「モンゴル人ということで力は強いと思う。でもそういう相手に対して階級を下げて、身長もリーチも俺の方がある状況で、相手の力強さをどれくらい感じられるか興味が凄くある。相手は一発一発は重そうだけれど、心に隙を作らないでしっかり闘えば致命傷を喰らうようなことはない。自分次第ですね」
現在の練習環境については「ボクシングが野木さん、寝技と組み技に関してもトレーナーをつけた」と大きく変わった。
「教わり始めてから、俺、本当に寝技を知らないんだなと思った。今までは漠然とスパーリングをやって寝技の力をつけていたけれど、技の説明が出来なかったんだよね。今は指導を受けて、組み技がボクシングみたいに面白くなっている。この変化は何年か先に試合で結果が出せるくらい、いい練習が出来ている」
そのトレーナーとは世界レベルのグラップラーとしてブラジリアン柔術&グラップリング大会で活躍する植松直哉。6月下旬くらいからトレーナーになってもらったという。
「アメリカへ一緒に行って話をして、彼に教わりたいと思って頼んだところ快く引き受けてくれた。俺は何も知らなかったんだなと思い知らされるくらいのレッスンを受けている」
ここで、70kgに落とすことで『K-1 WORLD MAX』参戦も狙えるのではないかとの質問が飛ぶと(かつて郷野はK-1 JAPAN GPに出たいと発言していた)、「その場に立てるかどうかは別にして、ある程度はいけると思うけどね」とニヤリ。「でも、先のことを考えると心に隙が出来て、去年の夏の再現になる(昨年8月2日、ダン・ホーンバックルに右ハイキックでKO負け)。それだけは避けたい」と明言は避けた。
郷野と言えば入場パフォーマンスだが、「フリーになって1人でやっているので、一緒にやってくれる人がいない。さすがに1人ではキツイ。それは今後の課題ですね。引き出しがない状態だよ。またその内に出来るように頑張ります」と、しばらくは入場パフォーマンスを封印するという。
また、ナラントンガラグが今回はチーム朝青龍として来ることで、朝青龍が両国国技館に姿を現すのではないかということが話題になっていることについては、「そこで朝青龍の方が注目されるようではダメ。それ目当てで来た人が、MMAが面白いというくらいの試合がしたい。今までの俺よりは今の俺の方がそれが可能だと思う。今まではヨーイドンで始まって、相手が俺よりデカかったから削らないと技比べに持っていけなかった。今はヨーイドンから技比べが出来ると思うから、PRIDEでやった試合の後半に来た自分の時間が最初から来るかもしれない。そうなればいいと思っている。朝青龍がきっかけで来る人も楽しめる試合がしたいね。“35歳でも若々しいじゃねえか”ってくらいの試合を見せます(笑)。注目されるのは悪いことじゃないから、いいことだと思いますよ。そこでプロレス的な盛り上げ方ではなく、試合で注目されてお客さんに来てもらえるような世界になったらいいですよね」と、冷静に語った。
ワールドビクトリーロード
「SRC 14」
2010年8月22日(日)東京・両国国技館
開場14:00 開始15:00(予定)
<追加対戦カード>
▼SRCライト級ワンマッチ 5分3R
山田崇太郎(brave/SRC育成選手)
VS
レオ・サントス(ブラジル/ノヴァ・ウニオン)
<決定対戦カード>
▼SRCミドル級チャンピオンシップ 5分5R
ジョルジ・サンチアゴ(ブラジル/アメリカン・トップチーム/王者)
VS
三崎和雄(フリー/挑戦者)
▼SRCフェザー級ワンマッチ
日沖 発(ALIVE/修斗世界ライト級王者)
VS
ジェフ・ローソン(イギリス/TEAM BULLDOG)
▼SRCライト級ワンマッチ
郷野聡寛(フリー)
VS
ジャダンバ・ナラントンガラグ(モンゴル/チーム朝青龍)
▼SRCウェルター級グランプリシリーズ2010一回戦 Bゾーン
奥野“轟天”泰舗(CAVE)
VS
ニック・トンプソン(アメリカ/ミネソタ・マーシャアーツ・アカデミー)
▼SRCウェルター級グランプリシリーズ2010一回戦 Bゾーン
高木健太(PUREBRED川口REDIPS)
VS
Yasubei榎本(Enomoto Dojo)
▼SRCウェルター級グランプリシリーズ2010 リザーブマッチ
宮澤元樹(和術慧舟會東京本部)
VS
佐藤拓也(PUREBRED京都)
▼SRCバンタム級ASIAトーナメント2010 二回戦
石渡伸太郎(GUTSMAN・修斗道場)
VS
イ・ギルウ(韓国/CMA KOREA/TEAM POSSE)
▼SRCバンタム級ASIAトーナメント2010 二回戦
江泉卓哉(総合格闘技道場武門會)
VS
佐藤将光(坂口道場一族)
▼SRCバンタム級ASIAトーナメント2010 二回戦
高橋 渉(Laughter7)
VS
曹 竜也(闘心)
▼SRCバンタム級ASIAトーナメント2010 二回戦
西村広和(和術慧舟會A-3)
VS
ソ・ジェヒョン(韓国/CMA KOREA/TEAM POSSE)
<チケット料金>
VIP席70,000円(特典付) ロイヤル雷電シート50,000円(特典付・2名1マス)
マスRSS席40,000円 マスSS席20,000円
雷電シート(S席)9,000円(パンフレット付) S席5,000円
※全席指定・消費税込
<チケット発売場所>
イープラス
http://ep;us.jp/src/(PC&携帯)
全国ファミリーマート店頭
チケットぴあ
0570-02-9999(Pコード816-867)
http://pia.jp/t
チケットぴあ、サークルK・サンクス、ファミリーマート店頭
ローソンチケット
0570-08-9999(Lコード38908)
http://l-tike.com
全国ローソン店頭Loppi
CNプレイガイド
0570-08-9999
http://www.cnplayguide.com/
全国ampm、セブンイレブン、CNステーション店頭
ドン・キホーテ
※一部取り扱いのない店舗あり
※受付時間は店舗により異なる
<お問い合わせ>
ワールドビクトリーロード=TEL:03−5725−7311
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