Zuffa
「UFC126 SILVA VS BELFORT」
2011年2月5日(土・現地時間)アメリカ・ネバダ州ラスベガス マンダレイベイ イベントセンター
※今大会の模様は2月6日(日)22:00よりWOWOWにて放送
リピート放送は2月10日(水)6:00
<主な試合結果>
▼第4試合 バンタム級 5分3R
○デメトリアス・ジョンソン(アメリカ)
判定3−0 ※29−28、30−27、30−27
●山本“KID”徳郁(日本/KRAZY BEE)
K-1、HERO’S、DREAMで活躍してきたKIDがUFCに初参戦。渡米前には真っ赤なモヒカンに髪型を変えていたKIDだが、髪を短く刈り込んでオクタゴンに上がる。
1R、サウスポーのKIDは左右前後にステップ。ジョンソンの右ローに左ストレートを合わせ、ジョンソンのジャブに得意の右フックをかぶせる。ジョンソンは右ハイキック、ジャブからタックルで組み付く。このタックルを切られたジョンソンは構えをサウスポーにスイッチ。KIDの右アッパーにカウンターのタックルを合わせてテイクダウンを奪う。KIDはすぐにジョンソンの脇を差して立ち上がる。
オーソドックスに構えるジョンソンにKIDは左ストレート。ジョンソンはそのタイミングに合わせて組み付いてテイクダウンを奪う。ハーフガードから立ち上がったKIDに対し、ジョンソンはヒザ蹴りと左右のフック! KIDも下がりながら右フックを返すが当たらない。距離が離れて打撃の攻防になると、ジョンソンがKIDの左ストレートにタックルを合わせてテイクダウンを奪う。ここもすぐに立ち上がったKIDだが、明らかにジョンソンにポイントがついたラウンドとなった。
2R、ジョンソンはジャブを突きながらアウトロー。ジョンソンが右ストレートで飛び込むと、KIDが組み付いてテイクダウンを狙う。ジョンソンはそれをディフェンスし、立ち上がって右ハイキック。バランスを崩して尻餅をつくジョンソンだったが、KIDはグラウンドの展開は望まない。ジョンソンのインローがローブローとなり、試合が一時中断となる。
再開後、ジョンソンがパンチとヒザ蹴りを出しながら何度も両足タックル。KIDも右フックや左ストレートのカウンターを狙い、タックルをディフェンスするが、残り2分を切ったところでジョンソンにテイクダウンを許してしまう。その後もジョンソンはKIDのパンチにカウンターのタックルを合わせて何度もKIDをテイクダウン。KIDもジョンソンの立ち際にヒザ蹴りを狙うが、クリーンヒットはない。
3R、サウスポーとオーソドックスに構えをスイッチするジョンソン。細かくジャブを突いて前に出て、KIDのパンチに合わせてテイクダウンを奪う。サウスポーに構えるジョンソンのジャブにKIDが右アッパー。ジョンソンはタックルを起点に離れ際にパンチやヒザ蹴りを当てる。そしてジョンソンが片足タックルでKIDをテイクダウン。KIDも身体を起こして片足タックルのようにして立ち上がる。
試合がスタンドに戻るとKIDが左ストレート! ジョンソンはそれをもらいながらも左フックを返し、KIDを金網まで詰めてテイクダウンを奪う。KIDは金網を利用して立ち上がるが、すぐにジョンソンがタックルでKIDをテイクダウンする。そのまま試合終了となり、テイクダウンの山を築いたジョンソンが勝利。KIDのUFCデビュー戦は判定負けという結果に終わった。
▼第5試合 フェザー級 5分3R
○チャド・メンデス(アメリカ)
判定3−0 ※3者とも30−27
●小見川道大(日本/吉田道場)
約3年ぶりのUFC参戦となる小見川。前回はライト級での試合だったが、今回は適正体重=フェザー級での出場となる。対戦相手のメンデスはここまで無敗の強豪選手。
1R、ガードを上げて頭を振って前に出る小見川。メンデスはそこに右フックを狙う。メンデスが左フックで踏み込んでくると、小見川もそこに左フック。メンデスは離れた間合いから両足タックルでテイクダウンを狙うが、小見川はそのタックルを切る。右ストレート、インローから前に出て行くメンデス。小見川も右ストレートを返し、メンデスのタックルを切ってテイクダウンを許さない。
しかしメンデスは小見川の左フックに合わせて組み付いてテイクダウン。小見川はガードポジションから得意のストレートアームバー。メンデスが腕を抜いて立ち上がると、小見川も立ち上がる。メンデスは右ストレートから返しの左フック。小見川はしっかりとバックステップで距離を取る。
2R、メンデスのインローに左フックを合わせる小見川。しかしメンデスの右フックがヒットし、小見川がバランスを崩す! メンデスはそのままグラウンドで上のポジションを取り、一気にパウンド! 小見川は足をすくって足関節を狙いながら立ち上がる。右ストレートで前に出る小見川。メンデスはそこに左フック、右ストレートを狙う。小見川はメンデスのタックルを切り、金網際で組みの攻防になるとヒジ打ちを狙う。
左右のフックで前に出るメンデス。小見川はジャブを突いてワンツー! メンデスはタックルでテイクダウンを狙うが、小見川は倒れない。メンデスはインローと飛びヒザ蹴り。左フックと右ストレートで前に出る小見川だったが、そこにメンデスがカウンターのタックル! そしてメンデスがインサイドガードからヒジ打ち! これで小見川の左の目尻がざっくりと切れる。
3R、上体を振って前に出る小見川。メンデスは下がりながら右フックと右ヒジを狙う。小見川はメンデスのタックルを切って、フロントチョーク! メンデスもすぐにそれに反応し、グラウンドで上のポジションを取る。メンデスはトップポジションをキープしながらコツコツとパンチ。
残り2分を切ったところで試合はスタンドへ。右アッパーを狙う小見川。メンデスはそこに左フック。小見川はジャブを突きながら右ボディストレート。しかしメンデスが両足タックルで小見川をテイクダウンし、グラウンドで上のポジションをキープ。そのまま試合終了となり、判定3−0でメンデスが勝利。小見川のUFC再挑戦は黒星からのスタートとなった。
▼メインイベント(第11試合) ミドル級タイトルマッチ 5分5R
○アンデウソン・シウバ(ブラジル/王者)
KO 1R3分25秒 ※顔面前蹴り
●ビクトー・べウフォート(ブラジル/元ライトヘビー級王者/挑戦者)
※アンデウソンが8度目の防衛に成功
UFC戦績12戦12勝、7度の王座防衛という記録を打ち立て、UFCの絶対王者となっているアンデウソン。今回の挑戦者は元ライトヘビー級王者のビクトー。必殺の左ストレートでアンデウソンの牙城を打ち砕くことが出来るか?
1R、サウスポーに構える両者。ビクトーが軽くジャブのフェイントを見せれば、アンデウソンも同じようにパンチのフェイントを入れる。足のスタンスを変えながら細かくステップするアンデウソン。ビクトーも左ローを返す。アンデウソンは小刻みに身体を動かし、両手を前後左右に動かす。ビクトーはガードを上げて左ロー、パンチで飛び込む。
そしてビクトーがアンデウソンの蹴り足をキャッチしてテイクダウン! アンデウソンもすぐに身体を起こして立ち上がる。ここで試合がスタンドに戻ると、アンデウソンが左の顔面前蹴り! これがビクトーの顔面を打ち抜いて、ビクトーが後方にダウン! アンデウソンがパンチを落とそうとしたところで、レフェリーが試合をストップ! アンデウソンが鮮やかな一撃でビクトーをマットに沈めた。
▼セミファイナル(第10試合) ライトヘビー級 5分3R
○フォレスト・グリフィン(アメリカ/元同級王者)
判定3−0 ※3者とも29−28
●リッチ・フランクリン(アメリカ/元ミドル級王者)
フランクリンとグリフィンの元王者対決がライトヘビー級で実現。フランクリンはミドル級で王者となりライトヘビー級に階級を上げた選手。一方のグリフィンはライトヘビー級で試合を続け、クイントン“ランペイジ”ジャクソンに勝利してベルトを獲得した。
1R、サウスポーのフランクリンに対し、打撃で距離を探りながらグリフィンがテイクダウンを奪う。腰を切って立ち上がろうとするフランクリンだが、グリフィンはそれを寝かせてパンチとヒジ打ちを落とす。グリフィンはフランクリンの首を押さえ、脇を差して、フランクリンの上半身を起こさせない。この状態をキープし続け、グリフィンがヒジ打ちとパウンドで攻め込んだ。
2R、右フックから飛び込むフランクリンだが、そこにグリフィンが右ハイキックを合わせる。ジャブを突くフランクリンに左アッパーから右ストレートを打ち込むグリフィン。右ミドルでフランクリンを下がらせ、フランクリンが左ミドルを蹴ったところで、その蹴り足をキャッチしてテイクダウンを奪う。グリフィンはフランクリンの後ろに回りこんでパウンド。フランクリンも必死に立ち上がって、このポジションから脱出する。
試合がスタンドに戻り、フランクリンのジャブにグリフィンが右ストレート。フランクリンが左ストレートを伸ばすと、グリフィンは右の前蹴りで距離を取る。そしてグリフィンが左フック! これでフランクリンがバランスを崩す。フランクリンは右フックから飛び込んで左ストレート。グリフィンも左右のフックで前に出て行く。フランクリンは距離を取りながら左ミドル。グリフィンも右ミドルを蹴り返す。
3R、前に出てくるグリフィンに右フックと左ストレートを狙うフランクリン。グリフィンも距離を詰めて離れ際に左右のフックを狙う。グリフィンは組み付いて投げを狙うが、フランクリンもグリフィンの上体を崩してヒザ蹴りを打つ。距離が離れてスタンドの展開に戻ると、グリフィンが右ミドルから右ストレート。フランクリンも左ミドルを返す。グリフィンが右ストレートで飛び込んで左フック。フランクリンも左ミドルを蹴って前に出るが攻撃が続かない。
右の前蹴りで距離を取るグリフィン。フランクリンはそこに右フックを狙い、グリフィンはそれをブロックする。そしてグリフィンが片足タックルからフランクリンをテイクダウン。何とか立ち上がって上のポジションを取り返したフランクリンだったが、グリフィンもポジションを返して立ち上がる。最後はスタンドの攻防で試合終了となった。判定は3−0でグリフィン。フランクリンとの王者対決を制した。
▼第9試合 ライトヘビー級 5分3R
○ジョン・ジョーンズ(アメリカ)
一本 2R4分20秒 ※フロントチョーク
●ライアン・ベイダー(アメリカ)
ここまで総合戦績13戦13勝のベイダー。対するジョーンズも総合戦績12戦11勝1敗、唯一の敗戦も反則負けだったため、無敗対決と言ってもいい一戦だ。
1R、左フックから飛び込んでいくベイダー。ジョーンズは下がって距離を取りながら飛びヒザ蹴り、そして両足タックルでベイダーをテイクダウンする。ベイダーはフロントチョークを狙おうとするが、ジョーンズはベイダーの両足を飛び越えてサイドポジションを取る。ジョーンズはここからノースサウスチョーク(上四方固めからのチョーク)を狙いつつ、サイドポジションで上のポジションをキープ。ベイダーは金網を蹴ってタックルに入るようにして立ち上がる。
試合がスタンドに戻るとジョーンズは右ボディストレート、構えをサウスポーにスイッチして左ミドルを蹴る。ベイダーは両足タックルでテイクダウンを狙うが、ジョーンズがそれを切ってハーフガードで上になる。脇を差して立ち上がろうとするベイダーだが、ジョーンズはそれを潰してヒジ打ち! さらにジョーンズは亀になるベイダーの身体を馬飛びするようにして後ろに回りこむ。ここはベイダーが立ち上がるが、ジョーンズはすぐにテイクダウンしてパンチとヒジ打ちで攻める。
2R、サウスポーに構えるジョーンズは左のロングフック、そしてジャンプしての左ハイキック、左のヒジ打ち! 再び構えをオーソドックスにスイッチして前に出て行く。左右のローをベイダーの左足に蹴り込むジョーンズ。ベイダーはジョーンズの左ミドルをキャッチして、そこからグラウンドに引き込んで展開を作ろうとするが、ジョーンズがフロントチョーク! これがガッチリと入り、ベイダーがタップ! ジョーンズが圧倒的な強さを見せてベイダーを下した。
試合後、ジョーンズが勝利者インタビューを受けていると、そこにライトヘビー級王者マウリシオ・ショーグンが登場! 当初、ショーグンはラシャド・エバンスとのタイトルマッチを予定していたがエバンスが負傷欠場。ショーグンは「エバンスの代わりにジョーンズと戦ってもいい」と発言し、ジョーンズとがっちり握手。場内は大きな盛り上がりを見せた。
▼第8試合 ウェルター級 5分3R
○ジェイク・エレンバーガー(アメリカ)
判定2−1 ※27−30、29−28、29−28
●カーロス・エドゥアルド・ホシャ(ブラジル)
1R、ホシャのタックルを切ったエレンバーガーがテイクダウン。しかしホシャもすぐに立ち上がり、両足タックルからエレンバーガーをテイクダウンし、サイドポジションを取る。ホシャは上四方、バック、サイドとポジションを変えてエレンバーガーを押さえ込み、足関節を仕掛ける。エレンバーガーはブリッジを使って立ち上がり、ホシャのタックルを切ってボディにヒザ蹴り、そしてがぶった状態からパンチを落とす。ここでホシャは亀の状態からエレンバーガーの左腕をとってアームロック! エレンバーガーの身体を前転させるようにしてアームロックを狙うが、ラウンド終了のブザーとなる。
2R、エレンバーガーはホシャを首相撲に捉えてヒザ蹴り! そしてホシャのタックルを切ってがぶった状態からパンチを落とす。じりじりとプレッシャーをかけてパンチで前に出て行くエレンバーガー。ホシャは構えをサウスポーにスイッチして左ハイキック、左ミドルを蹴る。エレンバーガーはホシャのタックルを警戒しつつ右フック、ヒザ蹴り、左ミドル。そして残り20秒のところでエレンバーガーがタックルでテイクダウンを奪い、ラウンド終了を迎えた。
3R、サウスポーに構えるホシャにインローを蹴るエレンバーガー。ホシャもインローを返して前に出る。エレンバーガーはホシャの右ストレートに右ストレートを合わせ、そこから左右の連打。ホシャはタックルで組み付こうとするが、エレンバーガーはすぐに距離を取って付き合わない。左右のローを蹴るホシャ。エレンバーガーはそこに右ストレートのカウンターを合わせる。そして2Rと同じように残り30秒のところでエレンバーガーがタックルでテイクダウン。エレンバーガーが右のパンチを落として試合終了となった。
1Rこそホシャの寝技に苦しめられたものの、2・3Rはスタンドの打撃とラウンド終了間際のテイクダウンでポイントを稼いだエレンバーガーが判定勝利を収めた。
▼第7試合 バンタム級 5分3R
○ミゲール・トーレス(アメリカ/元WECバンタム級王者)
判定3−0 ※3者とも30−27
●アントニオ・バヌエロス(アメリカ)
40戦37勝3敗という高い勝率を誇り、元WEC王者のトーレスがUFCに初登場。WECで9勝5敗の成績を残すバヌエロスと対戦した。
1R、左手を伸ばして距離を取りながら前に出るトーレス。ジャブを突きインロー、左ミドルを蹴る。バヌエロスも左右のフックで前に出て行くが、トーレスはバックステップしてそれを空振りさせる。リーチを活かしたジャブでアウトボクシングを展開するトーレス。バヌエロスはトーレスの右ローをキャッチしてテイクダウンを奪うが、自ら距離を取る。試合がスタンドに戻るとトーレスがジャブ、右ストレート。これがバヌエロスの顔面を捉える。バヌエロスは右のオーバーフックから返しの左フック。しかしこれも空振りし、トーレスが距離を支配してラウンドが終わった。
2R、トーレスがジャブを突きながら試合を組み立て、右ストレート、左ミドルを蹴る。ここでトーレスは右アッパーから飛び込んで左フック! この試合初めて自らパンチをまとめて前に出る。しかし再びジャブを突いてアウトボクシングを続けるトーレス。ジャブと左ミドルでバヌエロスに距離を詰めさせない。
3R、バヌエロスのパンチをバックステップでかわしてジャブを突き刺すトーレス。この攻防のまま時間が過ぎ、残り10秒でバヌエロスがラッシュを仕掛けるものの、トーレスは金網を背にしながらもそれをディフェンス。1Rからリスクを犯さない試合運びに徹底したトーレスがバヌエロスを下した。
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