10月21日(水)東京・青砥にある青春塾にて山本優弥(青春塾)が公開練習を行った。山本は10月26日(月)横浜アリーナで開催されるFEG『K-1
WORLD MAX 2009 World Championship Tournament FINAL』準決勝でジョルジオ・ペトロシアン(イタリア)と対戦する。
試合まであと5日、山本は公開練習として2分1Rのシャドーボクシングとサンドバック打ちを披露。サンドバックでは基本的なワンツー、左ミドルの他に得意の技のバックブローを何度も打ち込んだ。 サンドバックを終えた後、囲み取材に応じ「減量はあと3kgくらいで問題ないです。調子は今までで一番いいですね。あとは大会当日に動けるかどうかです」と今のコンディションについて説明する山本。 公開練習ではTシャツを脱ぎ、前回のドラゴ戦以上に厚みの増した上半身を見せたが「体つきを変えようと思ってトレーニングしたつもりはないのですが、正しい体の使い方が出来るようなトレーニングをしてきました。体に力みがあるというのは無駄な力が入ってるということ。 そうではない効率の良い体の使い方、今の山本優弥が持っている体を上手く使う使い方です。これが最強の山本優弥だという姿を見たことがないので分かりませんが、まだまだ無限に伸びる気がします」と、世界トーナメント参戦を機に着手したウエイトトレーニングの成果は確実に出ているようだ。 今回の対戦相手のペトロシアンはK-1MAX初参戦ながら、ジャバル"チンギスハン"アスケロフ、アルバート・クラウスを撃破し、あの魔裟斗も今年のトーナメントの注目選手として名前を挙げている超強豪。相手の攻撃を巧みにかわし、タイミングよく自分の攻撃を当てる超絶テクニックシャンだ。 山本もペトロシアンには「試合を見れば見るほど穴がない。ペトロシアン選手は相手の良さを出させないのが武器だと思うし、そこにはちゃんとした理屈があると思います。きっとそれが彼の強みでしょう。クラウス選手との試合は普通にペトロシアン選手の実力が出た試合だと思います。 きっとクラウス選手も前に行きたい気持ちはあったんでしょうけど、それが出来なかった。戦った選手同士にしか分からないものがあるんです。もし2人がスパーリングをしても同じような内容になっていたんじゃないですかね。あの動きはペトロシアン選手の体に染み付いたもので、相手の得意技に自分の得意技を当てるのが上手い。距離感を制して戦っているなと同じ競技者として感じます」と評価する。 完成度の高いペトロシアンと自分を比較して「ペトロシアン選手は感情をむき出しにして殴りあったり、スタミナが切れても戦うということ、打たれることには慣れてないと思います。そういう意味で僕よりも神経質な選手でしょう。そこが隙なのか長所なのか。両方から見て攻める必要があると思いますね。僕も総合力で何となく勝つタイプで、ペトロシアン選手には劣るけどタイプややりたいことは僕と似ている。拳の会話をした時には楽しいでしょう」と分析する山本。 ではそんな難攻不落のペトロシアンを山本はどう攻略しようと考えているのか? 「クラウス選手みたいにならない自信? それは分からないです。ペトロシアン選手とは戦ったこともないですし。ただクラウス選手のようにならない練習はしてきました。ペトロシアン選手に対しては非常識なことをやるとやりづらいのかなと思います。ペトロシアン選手は基本が素晴らしい。おかしな(トリッキーな)ことをやって試合が引っくり返るかどうかは分かりませんが、おかしなことをやる練習はしています。 ペトロシアン選手は無難に戦うタイプだと思うんですね。自分がチャンスだと思った時にしか攻めて来ない。僕が危ないと感じたところにしか入ってこないと思うんです。だから実際にやるかどうかは別にして、僕が殴ってバランスを崩すふりをして、ペトロシアン選手が来たところを殴るとか。そういう心理戦になると思います。僕はそういう試合が好きで楽しいです。ただそれが見ている人には伝わり辛くて困るんですけど(苦笑)。 きっと殴り合うような試合の方が見ている人は分かりやすいし、それを求めていると思います。それを見せる選手がプロとしては一流かなと思います。でも自分のスタイルを貫くペトロシアン選手は素晴らしいと思いますし、ペトロシアン選手のように確実にポイントをとる選手が評価される国なら、ペトロシアン選手は受け入れられる。勝つことが全てであるならばペトロシアン選手は素晴らしいと思います。でもここは日本です。だから日本人の僕が優勝するべきだなと思っています」 日本代表トーナメントに始まり、ここまでの試合で事あるごとに「周りの人に応援してもらうこと、支えてもらっていることに感謝している」と言い続けてきた山本。 世界チャンピオンが目の前に近づいても「ベルトを手にしてうれしいというよりも、僕がベルトを巻いて喜んでくれる人を見てうれしいと思う。僕を応援してくれる人や支えてくれている人には借りがあるんで、その人たちが満足するまで僕は勝ち続けます」とその気持ちは変わらない。 さらに山本は“もう一人の山本優弥”という表現で、世界チャンピオンへのこだわりを口にした。 「僕自身は応援してもらえることで満足だし、何も出来ない自分がここまで頑張ったなと思うんですけど、もう一人の山本優弥は『ここまでよくやったではなくて、優勝しなきゃ駄目だ』と言うと思います。もう一人の山本優弥はそれじゃあ納得しないんですよ。あいつ(もう一人の山本優弥)を納得させることは、周りを納得させることだし、そのためには僕は負けることが許されない。もう一人の山本優弥は負けても納得しないし、そのためには優勝しないといけない」 今回のトーナメントで優勝すれば、大晦日Dynamite!!での魔裟斗戦も現実を帯びてくるが「先のことを考えることはありますけど、現実的じゃないですね。目の前のことをクリアして次のこと。先のことを考えるのは得意じゃないんですよ。何となく考えはしますけど、目の前の試合にメンタルや体のことを気遣うのが一番だと思っています」と山本。 しかし魔裟斗との対戦には「もし僕が優勝したら考え方が違うかもしれません。今は周りが喜んでもらえるために魔裟斗選手と戦いたいと思いますが、実際にそうなった時にはどういう気持ちかは分からない。辞めていく選手に世界チャンピオンが負けるのは客観的に見て考えたくないし、その時に初めて日本代表、世界の代表という気持ちになる可能性があると思います」という想いを語っている。 そして公開練習・囲み取材を終えた後、TBSで放送されている格闘技番組「格闘王子」の佐々木希、青木裕子が山本を激励に訪れ、山本への応援メッセージが書かれた日の丸の巨大フラッグと佐々木がデザインしたオリジナルトランクスを贈呈。山本の必勝を誓った。(※この模様は本日10月21日、深夜25:04〜の同番組内で放送予定)
FEG 「K-1 WORLD MAX 2009 World Championship Tournament
FINAL」 2009年10月26日(月)神奈川・横浜アリーナ 開場16:30 開始18:00
<決定対戦カード> ▼世界トーナメント準決勝 3分3R延長1R
山本優弥(青春塾/2009年日本準優勝) VS ジョルジオ・ペトロシアン(イタリア/サトリ・グラディエートリウム・ネメシス) ▼世界トーナメント準決勝 3分3R延長1R
アンディ・サワー(オランダ/シュートボクシングオランダ/2005&2007年世界王者) VS ブアカーオ・ポー.プラムック(タイ/ポー.プラムックジム/2004&2006年世界王者) ▼世界トーナメント決勝戦 3分3R延長2R
山本×ペトロシアンの勝者 VS サワー×ブアカーオの勝者 ▼世界トーナメント リザーブファイト 3分3R延長1R
佐藤嘉洋(フルキャスト/名古屋JKファクトリー/2006&2007年日本優勝) VS 城戸康裕(谷山/2008年日本優勝) ▼スーパーファイト 武田幸三引退試合 K-1ルール 3分3R延長1R
武田幸三(治政館/元ラジャダムナンスタジアム認定ウェルター級王者) VS アルバート・クラウス(オランダ/チーム・スーパープロ) ▼スーパーファイト K-1ルール 3分3R延長1R
小比類巻太信(BRAVI RAGAZZI) VS ドラゴ(アルメニア/チームSHOW TIME) ▼スーパーファイト K-1ルール 3分3R延長1R
日菜太(湘南格闘クラブ/Toshin Family) VS マイク・ザンビディス(ギリシャ/Zambidis Club) ▼スーパーファイト K-1ルール 3分3R延長1R
長島☆自演乙☆雄一郎(魁塾) VS シュー・イェン(北京盛華国際武術クラブ) ▼スーパーファイト K-1ルール 62kg契約 3分3R延長1R
渡辺一久(フリー) VS チョン・ジェヒ(韓国/Busan Taesan)
▼スーパーファイト K-1ルール 3分3R延長1R
アルトゥール・キシェンコ(ウクライナ/キャプテン オデッサ/2008年世界準優勝) VS トゥファン“ストーム”サラフズン(イラン/ペルシアンZ) ▼K-1甲子園62kg級FINAL8 K-1甲子園ルール 3分3R
HIROYA(主催者推薦/2008年優勝/セントジョーンズインターナショナルハイスクール/2年) VS 日下部竜也(主催者推薦/2008年第3位/愛知県立豊田高校/2年) ▼K-1甲子園62kg級FINAL8 K-1甲子園ルール 3分3R
藤鬥嘩裟(関東地区Aブロック優勝/元J-NETWORKフライ級王者/勇志国際高等学校/2年) VS 石田勝希(主催者推薦/2009年全日本新空手道選手権大会軽中量級優勝/初芝立命高等学校/2年) ▼K-1甲子園62kg級FINAL8 K-1甲子園ルール 3分3R
嶋田翔太(主催者推薦/昨年第3位/私立西武台高校/3年) VS 秋元晧貴(中部地区優勝/愛知県立三好高等学校/2年) ▼K-1甲子園62kg級FINAL8 K-1甲子園ルール 3分3R
宮元啓介(関東地区Bブロック優勝/東野高等学校/2年) VS 野杁正明(主催者推薦/至学館高等学校/1年)
<チケット料金> SRS席 25,000円/SS席 15,000円/S席 10,000円/A席 6,000円
<チケット発売場所> チケットぴあ=TEL:0570−02−9999 ローソンチケット=TEL:0570−084−003(Lコード:32260)
CNプレイガイド=TEL:0570−08−9999 キョードー東京=TEL:03−3498−9999 イープラス=http://eplus.jp
※0570から始まる番号は一部の携帯電話、PHS、CATVからの電話接続は不可 <お問い合わせ>
チケットに関するお問い合わせ キョードー東京 03−3498−9999 大会に関するお問い合わせ FEG 03−3796−5060
●K-1 WORLD MAX2009年間日程
10月26日(月)神奈川・横浜アリーナ FINAL |