↑カツラの毛を引っ張り、じゃれあう佐藤と長島
7月5日(月)東京・国立代々木競技場第一体育館で開催された『K-1 WORLD MAX 2010〜−70kg World Championship Tournament FINAL16』の一夜明け会見が、6日(火)都内ホテルにて行われた。会見には「−63kg Japan Tournament」(ライト級)で優勝した大和哲也(大和)、「−70kg World Championship Tournament FINAL16」(ミドル級)で勝ち上がった佐藤嘉洋(名古屋JKファクトリー)と長島☆自演乙☆雄一郎(魁塾)、そして谷川貞治FEG代表が出席。
アンドレ・ジダを判定で破り、初のミドル級世界トーナメントベスト8進出を果たした長島は「全世界のアニメファンの皆さま、おはようございます」といつもの挨拶。
「ちょっと眠い自演乙です。昨日はアンドレ・ジダ選手とやらせていただいたんですが、作戦を実行すると前から言っていたんですけれども、その作戦に関してはけっこう出来たんじゃないかなと思っています。僕の中ではその作戦を実行した上で最後に倒して勝つのが目的だったので、ダウンを取れなかったことに関しては非常に悔しいです。
あと、3Rが終わった瞬間、延長で絶対に倒してやるという気持ちでいました。結果的に勝てたことには満足していますが、納得はしてないです。手首と足が痛いですけれど、あまり大きな怪我がなかったんで。鼓膜は破れたんですけれど、よかったんじゃないかなと思います」と試合を振り返った。
続いてはコスプレの総括。「『新世紀エヴァンゲリオン』の第3使徒サキエルで入場させてもらって、サキエルが見えた瞬間に“うぉー”というのがあったらしいので、予想外のところをつけてよかったんじゃないかなと。エヴァやることは予想させていたんですけれど、まさかサキエルってとこであっと言わせられたかなと思っています。そんな感じで、とりあえず勝てて命拾いしたって感じです」と、出来栄えに満足そう。
「弾幕(ユーザーが書き込むコメントで画面が覆い尽くされること)はうまくいきました。AR(拡張現実)自体は成功しましたけれど、AR自体まだハイビジョン対応ではないですし、まだ発展途上の技術なので、結果的にはよかったんですけれどARの進化を期待したいですし、皆さんの耳にARという言葉を残したことが嬉しかったです」
共にベスト8へ勝ち上がった佐藤とアルバート・クラウスについては、「クラウス選手は相変わらず強いっすね、って感じですね。パンチもあるし、フィジカルも強いし、コンビネーションも上手いし。佐藤さんはああいう試合をやるんだろうなって予想通りの試合でしたね。ただ最終ラウンドの山本君の頑張りは凄かったし、あのアッパーは昇龍拳にしか見えませんでした。“昇龍拳スゲェ”って言ってしまった自分が悔しかったです」と評する。
最後には「今回、大和選手と2人で勝てたのでニュージャパンキック(ボクシング連盟=NJKF)には、けっこう強い選手がいっぱい出ているんだよってことを皆さんに知ってもらいたいです」と、ブレイクするきっかけを作ったNJKFをアピールした。
山本優弥との日本人対決を制した佐藤は、「愛を知る県愛知県の佐藤嘉洋です。昨日は山本優弥という人間と闘って、言葉では言い表せないけれど身体と身体であいつと会話した気分です。ずっと意地の張り合いだったので。1試合くらいだったら打ち合ってやろうかと思って打ち合ってみました。まだまだ先があるので全く気は抜けないし、優勝がゴールなので、あまり浮かれないようにします」と試合を振り返った。
同じく長島とクラウスについては、「僕は去年の時点でクラウスは相当やるなと思っていたんですよ。かなり隙がなかったし、顔つきもずっと気合い入っているし、これは今年はやるぞと思っていたらそれを凌駕するペトロシアンが出てきて消されちゃったんですけれど。今回、中島君との試合を見てやっぱり隙がないなと。強いですよね。僕は2回やって2回目はとんでもない打ち合いをやって負けたんですけれど、クラウスはあの時よりも強くなっていると思います。ワンマッチだったらサワーとも互角以上に闘うと思いますね。乙君の試合は自分の試合前だったのでよく見てなかったんです」と評した。
また、佐藤と大和哲也の“名古屋ファイター”に、いまなぜ名古屋が強いのか、との質問が飛んだ。
大和「名古屋でも定期的に開催されるNAGOYA KICKという大会があって、アマチュアでもそういうリングを目指してやっている選手も多いし、プロの選手はそこに上がって試合をして経験を積んでいる。名古屋自体がキックが活性化しているのもあって、陽の目を浴びるK-1というリングがあるからだと思います」
佐藤「先に言わせるんじゃなかった(笑)。半分以上言われちゃって。哲也が言ったとおりNAGOYA KICKというのが凄く盛り上がっていて、哲也自身も出ていた。今回ツイッターで僕が谷川さんに“大和哲也というのが強いので使ってあげてください”と言って、ツイッター枠で哲也が出て破竹の勢いで優勝したんですよ。僕は29歳でもうベテランの域ですけれど、プロモーターのような、推薦して本当によかったなというこういう喜びはいいなと思って。引退したらこういう道を行くべきだなと改めて思いました。僕の目から見ても名古屋のキック界はたくさんいい選手がいる。あえて名前を出せば、真樹ジムAICHIの秋元皓貴、名古屋JKFの石橋真幸、大和ジムの大和侑也とか、いっぱいスター性のある選手がたくさんいるので、谷川さんにこの3人は推薦します。63kgで哲也が日本一になって、僕が(次に)世界一になって、野杁正明が(去年の)甲子園で日本一になって。凄いですよね。大石駿介もJ-NETWORKでチャンピオンになったし。この勢いは本物ですね。これからも名古屋のキック界にご注目ください」
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