11月26日(金)のダブル世界タイトル戦で長谷川穂積(真正)と空位のWBCフェザー級王座を争う同級1位のフアン・カルロス・ブルゴス(メキシコ)が22日(月)名古屋市内で練習を公開。「6ラウンドまでに試合は終わると思う」と22歳の若者は自信を見せた。
長谷川に勝っているところに「背の高さ、リーチ、パンチ力、持久力」を挙げたブルゴス。逆に警戒しているのはやはりスピードで「カウンターには気をつけたい。こちらは対策としてジャブ、ワンツー、ジャブをしっかりと打ちたい」。
公開練習ではスパーリングは行わず、シャドー、ミット打ちを披露するにとどめたものの、決してパフォーマンス用ではなく、じっくりと時間を割いていた。サウスポーに構えたトレーナーとのミット打ちでは、しっかりと距離を保ち、相手の左ストレートのリターンに注意を払った攻防も。左のフック、アッパーを力まず打ち、コンビネーションの合間には右ボディーストレートも織り交ぜていた。
ブルゴス自身が最大の利点に挙げる“体格の差”については「鶏と熊ぐらい違う」と言う。「階級を上げてすでにハセガワは鶏ではないかもしれないが、それでも私の階級のボクサーではない」と強調した。
ブルゴスの後、公開練習に臨んだ長谷川。「減量するということについては以前と同じなので、その疲れはある」と言いつつも、バンタム時代に比べて楽になった体重調整は順調のようだ。
再起戦で2階級も上げて世界戦という、異例の冒険。最大の注目点はフェザーの長谷川がどれだけ強いのか、ということだが「最後まで集中力を切らさず動けると思います」と、もちろん本人は前向き発言。先日のパッキアオ−マルガリート戦について触れ「パッキアオは自分とは比べものにならないが、上の階級のさまざまな選手と戦っていて、またボクシングはそういう傾向にあると思う。自分もそれに乗りたい」(長谷川)。パッキアオもそうであるように、“階級の壁”に挑む長谷川は「スピードを生かして戦います」と自らの長所をフル活用するつもりだ。
この日公開した練習は、シャドー、ロープのほか、山下会長とのミット打ちを2ラウンド。キビキビとしていて、バランスのいいコンビネーション・ブローを披露した。直前に見たブルゴスと比べ、「やはり速い」とうなる報道メディアも多くいた。 |