“絶対王者”にして大本命のジョルジオ・ペトロシアン(イタリア/サトリ・グラディエートリウム・ネメシス/)が2連覇を達成した、昨夜8日(月)東京・両国国技館で開催されたFEG『K-1 WORLD MAX 2010 -70kg World Championship Tournament FINAL』の一夜明け会見が、9日(火)都内イベント会場にて行われた。会見には王者ペトロシアン、そして大会を主催したFEGの谷川貞治代表が出席した。
アルバート・クラウス、マイク・ザンビディス、佐藤嘉洋と、いずれ劣らぬ強豪3人と計9Rの激闘を繰り広げたペトロシアンだが、左目横にわずかなアザが見られるぐらいで、その外傷の少なさに「歴代チャンピオンの中でも完成度が高く、そして強い」と谷川代表も実力を絶賛。その後も会見中に「何連覇もできてしまうのでは」「この若さで達人のような強さを持っている」「神技に近い」と言葉を続け、MAX初の連覇を成し遂げた王者に対し称賛の声を惜しまなかった。
当のペトロシアンは「谷川さんからもお褒めの言葉を頂き、素晴らしいオーガナイズ(組織)で試合をさせてもらったことに感謝を申し上げたい。今は嬉しい気持ちでいっぱいです。誰も達成したことのない2連覇を達成できたのがとても嬉しいです」と、言葉とは裏腹に試合同様クールな喜びぶりだったが、試合後は友人と六本木のディスコへ行き寝ていないことを明かし、さすがに疲れをにじませていた。
左手に包帯を巻いて現れたペトロシアンだが、「今日ドクターのところへ行きX線を撮ってもらったら、幸運にも骨折ではないとのことで、3週間安静にしていたらパンチの練習をしてもいいということでした」と容態を明かす。
気の早い記者からはFEGが主催する年末のビッグイベント『Dynamite!!』への出場を問う質問が飛んでいたが、ペトロシアンは「今まで自分は参加したことがないですけれど、もし可能なら参加してみたい。大変大きい、スペシャルな大会だと聞いていますので」と積極的な興味を示していた(谷川代表はこれを受け、「魔裟斗選手に聞いてみます」と冗談交じりで横からコメント)。
昨夜の勝利で“絶対王者”の称号をいっそう揺るぎないものとしたペトロシアンだが、今後について問われても「今回の相手になった選手たちは、みんな本当に強くて強豪ぞろい。(今後は)とにかく相手になってくれる人がいれば誰とでも戦っていきたい」「できるだけたくさん何回も勝ちたいですが、まずは3連覇を狙っていきたい」と話すなど、気の緩みや慢心した様子はまるで見せず。
谷川代表は来年、ヨーロッパ、ロシア、ブラジル、タイなど5大陸レベルでのMAX世界予選開催の構想を語り、「MAXのレベルをますます高めていきたい」「今はペトロシアンが頭一つ抜けているが、打倒ペトロシアンにピカピカの選手を発掘していきたい」とコメント。
MAXの象徴であった魔裟斗が去って1年、来年からはペトロシアンがその立場となり、70kg級MAXは展開していくこととなる。
★11・8「K-1 WORLD MAX 2010 -70kg World Championship Tournament FINAL」の試合結果はこちら
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